劇場公開日 2023年11月10日

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蟻の王のレビュー・感想・評価

全23件中、21~23件目を表示

4.0本当の愛とは何だろう?

2023年11月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

知的

美しいイタリアの風景や街並み、温かみのある優しい光に包まれたシーンとは対照的に、物事や正義の捉え方の違い、差別、偏見から生じる悲劇を描いた作品。本当の愛とは何かを深く考えさせられた。

エットレ役のレオナルド・マルターゼ(ジュード・ロウ似のイケメン!)は本作が映画デビューとの事だが、目で心の機微を語る演技が本当に素晴らしく、圧巻のラストシーンに涙した。

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SunnyJ1221

3.5これは純愛

2023年10月23日
iPhoneアプリから投稿

学者なのにまるで毒婦のような言われようのアルドと、子犬みたいな純粋な目をした美しいエットレの恋物語。

これは純愛なのでは?

ラストシーンが目に焼き付いて離れない。
1960年の伊で同性愛がどのように扱われたかを描かれているけど、私はエットレのアルドを慕う純真さにやられてしまった。

イタリアの風景も美しくて、アルドの作った塔もまた雰囲気があってよかった。門がね!門がいいよ、門が!

以下、アフタートークからの学び↓
これは実際に起こった事件を元に作られているとのことだけど、本場のイタリア人もアルドの事件を知っている人は少ないそう。
ネタバレになるから言えないけど、エットレに起こった恐ろしいことは、その後は無くなったのだとか。それでもこのイタリアファシズム時代に決められた条例とかでまだ残っていることがあるようで、この話のように存在しない罪に問われる人もいるらしい。

実際には二人は二度と会わなかったと聞いて、ラストシーンの美しさがまた心に沁みた。一言で言えば、もうゆるしてあげて、と思った。

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icco

5.0心震わす愛の尊さを繊細に描く映画

2023年5月4日
iPhoneアプリから投稿

イタリア映画祭の特別上映で見た。未知の歴史の一齣を読むようなものかと思っていたが、繊細で心が振るわせられる映画だった。同性愛に不寛容だった1960年代のイタリア社会で実際に起こった事件をもとにしていて、当時の前衛演劇やローマの同性愛者たちのパーティーの描写もあるが、主人公の実在の詩人とそれに関わった人々の感情が細やかに描かれている。当時の社会の厳しさも容赦なく描かれるが、人物の描き方に性別を問わず人を愛することの尊さが感じられる。この映画は全国で上映されればよいのだが。
昨年末にノーベル賞受賞作家アニー・エルノーが中絶が禁じられていた60年代のフランスを書いた原作に基づく「あのこと」を見ていたので、60年代を考えるインスピレーションがまた、得られた。

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Boncompagno da Tacaoca