「敢えて、予習してから見てほしいと言いたい」サンダーボルツ* かずさんの映画レビュー(感想・評価)
敢えて、予習してから見てほしいと言いたい
この映画の評価を見るとやたらとメンタルの部分がピックアップされがちだけど、ここ最近で言えばマーベルズも割と近いテーマだったし(過去の過ち、孤独、他者との関わりで解決)、デッドプールウルヴァリンもウルヴァリンがそんな感じだったのと、ワンダヴィジョンなんてあからさまに鬱の話だった。
だからMCUとしてもテーマ的には目新しいわけではないはずだけど、今回エレーナが軸になってるっていうのがやっぱりポイントなんだと思う。
スーパーパワーは持ってないし、同じスーパーパワーを持ってない姉のナターシャに比べても極めて人間臭くて、MCUの主要キャラクターの中で最も我々に近い(遠いけど)のがエレーナ。
そういうエレーナを軸に展開しているからこそ、より共感ができて、ちゃんと一貫したテーマとして心の部分にしっかりと焦点があてられたんだと思う。
数ヶ月前まで、サンダーボルツはもっとバッキーが主役で、ブレイブニューワールドと対を成すのかと思っていた人も少なくはないと思うんだけど、蓋を開けてみたらそんなこともなく、なんだったらバッキー無しでもこの映画成立させられたんじゃないかと思うくらい。
それくらいエレーナだったし、今回のテーマを描くためにはそうでなければいけなかった。
そういう意味で、今回のテーマ的になくてはならなかったのはまさかのジョン・ウォーカーだった。
あっさり描かれていたものの、あのドラマの後でそんなことになっていたとは。
ヴォイドの闇に入っていくところも理解が早かったのはバッキーじゃなくて彼だったし、それはエレーナ同様になんとなくボブの行動原理を理解できたからなんじゃないかな。
ドラマでは前半ただの嫌な奴だったところから、どんどん愛着がわくものすごく良いキャラになったと思う。
いつも通り、予習いらないって言ってるみたいだけど、絶対にブラック・ウィドウとファルコンアンドウィンターソルジャーだけは見たほうが、より共感できる。
ヴァルのキャラクターもよくわかるし絶対に見ておくべき。
ハードル上げてでも、この素晴らしいサンダーボルツを完全に楽しんでもらうためにはそうしてほしい。
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