「バナーが薄情者に思えてしまう」キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド T.C.さんの映画レビュー(感想・評価)
バナーが薄情者に思えてしまう
キャプテンアメリカというよりは、インクレディブル・ハルク2というタイトルにした方が親切。
17年前の作品の続きを突然やられても、スローンズもベティ(リブ・タイラー)もすっかり忘れていた。
改めてインクレディブル・ハルクを観たけど、確かにスローンズは彼の最後のシーンでハルクの血液を浴びていた(笑)
なんと長い伏線回収だろうか、、
もう一つインクレディブル・ハルクを再鑑賞して思ったのは、ベティ(リブ・タイラー)は、その後アベンジャーズなどでハルクが現れれば、必ず会おうとして来たはず。
それほど彼のことを愛していた。
何があっても互いを守ろとしていた。
父(ロス)との疎遠は分かるが、ブルース・バナーとの描写がこれまでのシリーズで何も無かったのに、本作で突然出てこられては、逆にバナーが非常に薄情な人間に見える。
こんなに愛し合った人がいたのに、連絡もせずにナターシャに想いを寄せるなんて、と。
もし「ベティを守るため」というならその描写は必須だったと思う。
リブ・タイラーが出演しなくても出来たはず。
もし、このあとバナーとの関係も描くつもりなら(出てきた以上避けられないはず)この空白の説明はかなり無理筋ではないかと思った。
その他の雑感。
人のアクションになんかスピードがない。CGのところは逆に盛りすぎ。
日本がアメリカに楯突けるところが最高のファンタジー。
アンソニーマッキーは好きな俳優だけど、スティーブ・ロジャースと比べてどうしても見劣りしてしまう。
アメリカの象徴というほどの厚みを感じない。
アベンジャーズ再建は嬉しいけど、彼がキャップとして中心人物になるイメージがどうも湧かない。
総合的には、ギリギリ昔のマーベル作品の良さを持っている。
でもウインターソルジャーの足元にも及ばない。
そう思いました。