劇場公開日 2022年11月3日

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「まぁ、あれもこれもボッコボコ。だけどわかりにくいセリフも。」犯罪都市 THE ROUNDUP yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0まぁ、あれもこれもボッコボコ。だけどわかりにくいセリフも。

2022年11月5日
PCから投稿

今年316本目(合計591本目/今月(2022年11月度)3本目)。

この作品は、「犯罪都市」の続き物ですが、続き物であることは前提にして作られていないようです(この点後述)。まぁ「前作を知っているとよいかな」程度です。

まぁ確かに、日本とはいえ日本の行政書士の資格持ちのレベルでも気になるような描写は多いし(韓国の刑事が他国でどこまで公権力をふるえるか、等)、まぁでもこの映画でそれをああこういうのは野暮なんでしょうねぇ。もうあれもこれもフルボッコにするので、ある意味「すがすがしい」くらいです。また他の方も書かれていたとおり「続き」(要は「犯罪都市3」といえるもの)があるかのような終わり方になっていたのもよかったです。

前作(ノーマル版「犯罪都市」)はネットフリックスなどでは見ることができるようですが(確認済み)、「見ていれば有利かな」程度で、作品としては個々独立しているのでそこの深い知識は要求されないです。

ややわかりにくいセリフは確かにあるのですが(特に韓国の地理に関すること、歴史?)、もとは韓国映画なのだろうし、それは仕方がないと思います(それで理解ができない、ということにはならない)。そういった点も考えるとフルスコアかなという印象です。

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 (参考/(序盤の立てこもりのシーンで)「俺の母親は順天(スンチョン)出身なんだぞ」)

 この部分がちょっとわかりにくいです。前作(ノーマル版「犯罪都市」もみましたが、順天がどうこうという話は出ない)。

 順天は現在(2022年)では人口30万ほどの小さい都市ですが、済州4.3事件とともに「麗水(ヨス)・順天(スンチョン)事件」(日本語では、「れいすい・じゅんてん~」)がおきた(1948)場所で、今でも済州島も含め「ある程度の」地域・出身差別意識がある、とも言われます。

 ※ 「麗水・順天事件」は、「済州4・3事件」(「スープとイデオロギー」)とともに同年におきた韓国の内戦のひとつ(1948年)で、これら内戦の難を逃れるため日本への難民が生まれています(日本のいわゆるコリアタウンの出身地の一つに、「済州島、順天・麗水」というカテゴリがあります。大阪の鶴橋も大半はこの地域の出身の方)。またこの内戦は結局拡大化し、朝鮮戦争の勃発につながっています。

 このことを指していったのか、他のことなのか…はこの字幕だけでは判断がつかないです(こうであるようにも見えるが、そうであるなら、「スープとイデオロギー」などをはじめとして、近代・現代韓国史を把握していないと理解できないセリフになってしまう)
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yukispica