2つの人生が教えてくれることのレビュー・感想・評価
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それを言っちゃおしめぇよ
主人公は女子大生で卒業を控えたある晩、友人の男とたまたまセックスしてしまう。
しばらくして気分が悪いので、妊娠検査薬で調べてみるのだが・・・。
ここから妊娠していた場合と、していなかった場合のストーリーが展開していく。
さて、人生の分岐点で別の選択をしていたら、誰もが思うことではあるがは、果たしてどちらが幸せか、なんてどうでもいいのかも。
選ばなかった人生
誰しも、選ばなかった方の人生に思いを馳せることはある。
夢を追うヒロイン・母親になるヒロインの"ふた通りの人生"を時系列の同時進行で進んでゆくストーリー。
人生は一度きりしかない有限なのだということや、
どんな人生を歩んだとしても、
その道を選択したからこその苦難が待っていて、…
だけどその時々の自分のアイデアと努力で、叶えられる夢もあるのかもしれないというメッセージ性も感じました。
ピンチはチャンスという言葉があるように、
ハプニングも捉え方や発想次第で大きなチャンスになる。
夢は叶う。
なにより、ヒロインの友人がとにかくいい友人すぎる。
どちらの人生でも、寄り添ってくれて、
一緒に歳を重ねて過ごしてきた友人。
こういう友人がいる人生は、どんな間違いがあってもこの人生でよかったと言える理由になると思う。
初めて見た日に、とっても感動して、
2度目に見た日に初見よりも感動して、
観る度に感動したり感心したり、、またすぐに観たくなる作品です。
とはいえ自己肯定はほどほどに
人生にしっぱいしたわたしは、大きな節目となる分岐路に“多様性”という悪魔のささやきがあったことに気づいている。
たとえば大学進学にしっぱいしたときには「学歴なんてなくたって大丈夫、篠沢教授よりはらたいらのほうが賢いじゃないか」というささやきによって、気分をとりなおした。
就職にしっぱいしたときには(今の風潮に即して言うなら)「企業人よりYouTuberのほうがずっとかせいでいるぞ」と時事にあてはめて、じぶんをなぐさめた。
不登校や中退や離職や離婚や事故、あるいは逮捕にいたるまで、概して人はじぶんの都合のいい方向に考えることで気持ちを保とうとする生き物だと思う。
そのとき根拠となるのが“多様性”だ。
たとえば、
──昔ワルやってても更生してリッパになった人がいるではないか、おれもそれの類だろう。とか、──ぜんぜん芽が出なかったのに、遅咲きで花を咲かしたひとだっていっぱいいる、おれもそんな奴だろう。とか、しっぱいや窮状を多様性ととらえ良い方にかんがえる。
そうやって、わたしはどんどんジリ貧へと身を落としていった。わけである。
たしかに人の幸せは多様なものだから、いい大学へ行くとか、いい会社へ入るとか、結婚してこどもをそだてるとか──かならずしもそういった王道を行くひつようはない。
ただし、王道を行かないのなら、じぶんをマネジメントする能力とか、人にはない才略が要る。
そして齢五十になって、思い返してみるとあの時のしっぱいも、あの時のしっぱいも、すべてくつがえすことができなかった──ことに気づくのである。
えてして、もはやとりかえしがつかなくなってから反省をする、わけである。
──
人生まさにこれからってときに妊娠が発覚──したばあいと、しなかったばあいを交互に見せていく映画。
どっちがいい/わるい──という対比はしない。どちらにも一長一短、山があり谷がある。途中で、どっちがどっちか解らなくなるが、それが殆ど気にならない。すなわち映画は「人間万事塞翁が馬」という多様性を語っていて、どちらも肯定される。
そもそも妊娠は“しっぱい”ではないし、若くしてこどもを持つことが束縛のような見え方になってしまうことを避け、機会均等化している。でなきゃ映画にならんわけで。すなわち妊娠したナタリー(Lili Reinhart)も妊娠しなかったナタリーも、現実では成し遂げることが困難な別の人生を提供するヒロインとして存在している。
主演はブリタニーマーフィに激似のLili Reinhart。痩身へ傾倒する世相だが、だからこそしっかりした肉付きがよかった。
おそらく映画の訴求ポイントは自己肯定しなさいというところ。──だろう。しっぱいのように思えることでも、むしろそれを糧や反動のようにして頑張ろう──というメッセージを提供している。それはそのとおりであり、まったく意義はない。いい映画だった。
ところで、はやりなのか自己肯定というのが今すごく伸長している──ように感じる。帰国子女のロジックみたいなものがよく出回っている。だが、自虐とおなじで、自己肯定もほどほどにしなきゃいけない。
たとえば、映画をよく見るわたしはたびたび「日本の映画監督に見られる自己肯定はたまったもんじゃねえな」と思う。
逆に言うと、人生のしっぱいを認めているわたしさえ、映画を良いだの悪いだのとぬかす程度の自己肯定感はもっている──という話。である。
幸せは自分次第
女は性別が変わる、一つ目は女性、二つ目は母親、って言われるくらい人生が変わるらしいよ。
どちらの人生でもポジティブに前進すれば転機はやってくるし、自分で選んだんだから覚悟決めて生きれば、それの道がいい人生ってこと。
どうせ必ず死はやってくるんだから、腐ってないで楽しく生きようぜ!
って感じの作品。
アニメの実写化は、夢を次の日に話して伝えるようなモノ
面白い視点の捉え方。
あるタイミングから2つの別れ道をそれぞれ歩み、最終的には同じゴールに戻ってくる。
片っぽはママ。片っぽはキャリアウーマン。ともに幸せな時期あり、辛い時期あり。それを乗り越えて辿り着く道。
どんな道に行こうが結局は自分次第。自分が選んだ道で最善を尽くすのみ。そんなメッセージ性の強いストーリーである一方で、
細部の設定がちょっと雑でありきたりだったなーと。
同タイミングで試練が来る。恋人との破局。
もっとその道に行ったからこその違うゴールが見たかったなーて。
あと、リリラインハートが可愛んだけど、服がダサいのが残念。
面白い設定だっただけに少しもったいないと思いつつ、ポジティブな気持ちにはしてくれる。
子供持つことのつらさは、きっと後になって帰ってくるんだよね。
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