地下室のヘンな穴のレビュー・感想・評価
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逆行しようとは考えんのか?と言う素朴な疑問。
3日の若返りと言う、ポイント還元率0.00001%サービス的な。いや、今なら増量0.000005%程度の。あと、日本の普通預金の金利みたいな、誤差レベルのお得感の微妙な加減の嫌らしさですよ。イヤ、自分だったら3日の若返りより、目の前の12時間を普通に生きるけど。と言うか、逆に入って過去に戻ってサッカークジ買いますw
勿体ぶらずにサッサと話せ。などとなどと。いちいちイライラする前半部。登場人物の行動原理確定後は、まるでエピローグを流しているかの如くに早回し。
フランス奇譚をリアルに撮りすぎた!ってのが印象として残ります。溢れ出るアリンコは、ほと走る欲望を象徴してる?最初は一匹の蟻の如くちっぽけで無視できる程の小ささ。だったかも知れないけれど、節操なく欲望のままに行動すれば、最後には全身を食い破られてしまう。的な。
ちょっと捻りの効いたビターな感じが、結構面白かったです。
が。
やっぱり。
ワタクシ的には、あんな原付きで日本縦断する、みたいな事をやるよりゃ、スポーツ新聞を片手に、穴を逆行してみたいw
寓意が先行して、かなり辛かった
◉欲望に特化した2組のカップル
通り抜けると三日分若返る穴が、地下室に開いている。それを知った妻は毎日、ジョギングのように穴を通る。夫はむしろ止めたい。やがて若返った妻はモデルとして売り込みを始めが、失敗を繰り返すと言うのが、ストーリーA。
社長が人工ペニスを自慢する。しかしペニスが故障して、慌てた社長は日本で修理を受ける。めでたく回復した社長は手当たり次第に女性遍歴を重ねるが、ペニスが加熱して事故を起こしてしまうと言うのが、ストーリーB。
AもBも、時の流れをねじ曲げて若さを追い求めたりすれば人は行く先を見失い、崩壊してしまうと言った寓意を表しているのだなと思いました。実際、可笑しくも必死に若さ=蘇りを願う人たちの姿が描かれてはいました。でも死んだとは言え滑稽な幕切れ(社長)と、かなりゾワッとする終幕(妻)。
ところが、夫も妻も社長も社長の愛人も、本当に我欲のみの身勝手人間にしか見えなかったです。美貌、性欲、物欲、自分だけの時間……。
主人公の夫と妻の困惑や、互いの説得・協力とかが見えなかったし、社長と愛人に至っては、性と物に取り憑かれて、端からお互いを理解しようと言う気持ちも存在しない。
だから当たり前の感情移入がしにくかったと言うのが、この作品の感想でした。妻の行動を見て、じゃあ穴を埋めようと言う夫は、何とも無関心で冷たすぎる。も少し、寄り添いましょうよ。
◉ヘンな穴が見えてこない
例えばホワイトアウトなどの画像効果を使ったり、穴の外見を描き出すとかして、地下室の穴を表現できたとも思います。しかしそうした映像はなかった。
見る側は「ヘンな穴」のミステリアス性にも浸りたかったのです。そもそも不思議な穴を知った上で、客に家をセールスする業者の存在自体が奇異な訳ですから。
もしかすると、業者は穴の力に引き込まれる人を待っている悪魔の一族とか……そんな話でも決して悪くなかった。
制作者側にしてみれば、この作品を完結させるために、あくまで概念としての穴を強調したかったのでしょうね。
ただ私としては、このような寓意を様式的に表現した作品に、深い味わいもサスペンスも、あまり感じ取ることができなかったです。もしかしたら、フランス映画には不向き?
病んだ人と痛んだリンゴが結びつく、最後のシーンが作り過ぎた痛々しさに溢れていたように感じました。
西洋人ってのはほんとにもう…
男も女もあれのことしか考えてないのかしらん。変な穴に入っても3日しか若返られないのに、すっかりその魔力に取り憑かれてしまう妻。若返ってモデルになりたいんだと。旦那は達観していて老いを受け入れる方向。旦那の勤務先の社長は永遠の絶倫を得たくて、チンチンを電子化。しかも何故か日本製で日本でしかメンテナンスできないと。二人とも自分の欲望にはまり続けて身を滅ぼすという話。もう、しょうがないですなー。
地下に誓うわ
中年夫婦のアランとマリーは郊外に新居を購入する。
その家の最大のウリは“地下室のヘンな穴”。
不動産業者は人生が変わる穴だと強くおすすめし、穴を不思議に思いながらもその家を購入した2人。
そして、次第にその穴は2人の人生を大きく変えることとなる。
老いをテーマにしたまさにヘンな映画。
前半はフランス製おバカコメディかと思ったが、後半は抗えない老いとの葛藤を描いた哀愁漂うロマンス映画だった。
正直、12時間進んで3日若返る設定も知らない方が楽しめそうだと思ったが、公式が出してしまっているのでしょうがない。
ひたすら穴へ入り続けどんどん若返って行く妻と、居住後は一切穴に入らず少しずつ老いていく夫。
対照的な夫婦の姿は、まさに男と女の姿と言った感じ(あんまりこういうことは今の時代言いにくいけど)。
メイクなど自分磨きを怠らない女性とまあなんとかなっちゃう男性。
自分も自分磨きに対しては怠惰な方だから、この夫は自分の将来の姿を見ているようだった。
後半の斬新な演出。
あのダイジェストのような手抜き加減。
他の映画だったら間違いなく叩いているけれど、この映画に関してはあそこが1番好き。
時間をテーマにしているだけあって、バラバラな時系列や早すぎるストーリー展開など芸の細かさが目立つ。
時系列がバラバラだからこそラストの意味も見方によって変わってくるし、ダイジェスト的な映像だからこそ2人の時間が中身のないものに思える。
親子のようになってしまった2人は、もはや元の夫婦の関係には戻れない。
そんなことを考えながらラストの2人を観ていたら少し涙ぐんでしまった。
でも、これこそ純愛だよ。
私はこれがハッピーエンドだと信じたい。
この対照的な夫婦とさらに対照的なのが、社長の夫婦。
これは完全に失敗。
ただただ不幸な人工ペ○スの社長。
穴だの竿だの下ネタは渋滞してるので敢えて記述は控えます。
74分でかなりサクッと観れるので、大作映画のお口直しに是非。
好み分かれそうだけど私は好き。
アリのとことかキモくて好き。
不思議な
感覚の作品ですね。フランス映画に多い感じではあります。何だか出てくる人全員が性格にクセがある人ばかりです。最後の結末に向けて早回しみたいになっているのは、何故でしょう?監督が飽きちゃった?電子○○○は日本製なのですね(笑)
シュールな笑いとシニカルな悲哀
地下室の穴を潜ると12時間進み(その間、世界からは消える?)、その代わり3日ぶん若返る。
『今』を犠牲にして『未来』を得る。その差異たったの2日半。
絶妙にビミョーな設定だと思う。
早々に興味を失うアランに対し、若さへの妄執から穴を潜り続けるマリー。
熟年夫婦らしく情熱的ではないものの、妻との夕食のために顧客の要望を断るなど、アランの静かな愛情とのギャップが哀しい。
また、別の方法で若さを保とうとするジェラールの話はコミカルに語られる。
浮気症のため、同情の余地がないところも主役夫婦との違いだろう。
彼の“モノ”を直すために穴を使わせる流れかと思いきや、そうはならず。。
終盤がダイジェストになってしまったため、完全に若返ったマリーに対するアランの想いなど、こちらで補完するしかない部分が多い点は賛否が分かれそう。
思考実験としてはおもしろいのだが、サンプルが一人だけというのが物足りなかったかな。
ストレートに笑っていいのか悩む
日本のハイテク技術を駆使した医療機器が素っ頓狂。穴の正体も不明だが、フランス的な『女の性(サガ)』の描写に、まあ、フランスの観客は許容して大笑いしたのだろうな。
渇望(色々と)
どんなワンアイデア映画なのかな?と思って鑑賞しましたが、予想の斜め上をいく展開に爆笑しました。物好きな人に刺さる映画だなと思いました(自分でした)。
夫婦が購入した住宅の地下には穴があって、そこに入ると半日時間は進むが、3日若返るというシステムで、奥さんはめちゃめちゃ魅了されて入りまくって中毒になるというのが前半で、無茶苦茶若返っていく展開なのかなと思いましたが、まさかの旦那さんの勤め先の社長さんが電子ペニスに変えたというところから話の方向性がヘンになっていきました。
自分でコントロールできる、ボタン一つで勃起できる、これで衰えも感じない、穴の方と話が合流しますが、奥さんはこの話を話半分で聞き、社長さんはあいつは感動してない、ただ旦那は感心していた、とお前は何を言ってるんだ状態になっていました。
奥さんは面白いくらい穴に入りまくって、ちょびっとずつ若返っていきますが、推定50代から20歳まで若返ろうとすると、何万往復しなきゃならんのや?と思いましたが、そこはすっ飛ばしてめっちゃ若くなってモデルになるという夢に一歩踏み出しました。それと同時進行で社長さんの電子ペニスがぶっ壊れて日本に直しに行く展開になりました。いや日本の名前ここで出さないでくれ笑
奥さんはモデルになれず悲観に暮れ、旦那さんはその奥さんに苦悩し、社長さんは日本語が通じず、手術の依頼とかどうやったんだと思いましたが、電子ペニスがうまいこと直らずこっちも悲観に暮れていました。どんな手術なのか?と気になりましたし、言語が全く行き来していないのも面白かったです。
終盤は怒涛のダイジェストで、奥さんは更に若返りを求めるも精神を病み、同時進行で旦那さんも疲労し、社長さんは車が炎上して、また新たな車を購入して、新たな女性と結婚し、浮気がバレて、車が破壊されて、また新たに車を購入して、その運転中に電子ペニスが故障し火が噴き出てそのまま事故って死ぬという謎オチになっていました。いい具合に笑わせてもらいました。
傷口から蟻が出てくるという苦手な人には地獄な展開ですが、見た目だけ若くなって体は腐り始めたという急に怖い事をし出すのもこの映画の魅力だと思いました。
老いって怖いよね〜というテーマを軸にしつつ、監督のやりたい事を短い時間に詰めた奇作でした。ぜひ監督の次回作も追っていきたいと思います。
鑑賞日 9/4
鑑賞時間 10:35〜11:55
座席 I-13
ヘン、と思いきやちゃんとしてるw
新居の地下室にあるのは、「入ると12時間進むが体は3日若返る」というへんな穴。この設定が微妙すぎて面白くてwすごい穴だけど、数回入ってもぜんぜん効果がわからないwww逆に入ったら?もない。
アメリカ映画だったらもっと派手な盛り上がりを作るんだろうけど、それもなくシニカルで淡々としてるのが仏作品らしくてめっちゃ好き。意外としっかりしたラストも良い。
猫や犬は「自然の摂理」の象徴なのかな?それとも、妙に人間臭く穴を使うのを止めようとする猫は元住人、ラストで夫に寄り添う犬は奥さんの成れの果てだったりして??とも思ったり。それはないか。
いずれにせよ、短い時間にサクッとまとめて、でもちゃんと物語として結末まで描かれててすごい。
美と若さと穴に囚われすぎて最後かなり錯乱してた妻、そのベッドの枕元には夫の写真だけが貼ってあって、やっぱりいちばん欲しかったのは「夫の愛」だったのかなって思うと切なかった。旦那さんに「インポ」とか暴言言ってたのも、セックスレスだったことを暗喩させるしね。
もっと笑えるかと思った
最後の省略の仕方、あれは何だ⁉︎
へんてこりんな映画だな。
予想では家の秘密を社長夫妻に言ってめちゃくちゃになるとか、夫婦で穴にはまってめちゃくちゃになるのを想像してたけど、ちょっと違った。
アンダルシアの犬
を思い出しました
手のアリちゃんはオマージュなんでしょうか
あっちの方が、まったくヘンテコリン、不条理。悪夢をひたすら見せられている感じで
ぜんぜんひとには薦められない
こっちの作品は面白いです
謎解きや科学的な説明はないので不条理さは変わりませんが一応、商業映画
いろいろ考えたいひとも、日常から離れてボーっとしたいひとも
いいと思います
下ネタが
ダメな方にはオススメしません
本作を薦めてくれた女性は大笑いしてましけど
ホラー的結末も淡々と。笑えてしまうフレンチコメディ。
2組のフランス人中年カップルの話。一組の夫婦は新居を購入したところ、そこには不思議な地下室があり、1回入ると3日分若返る。妻はここに入り浸る。何回も何回も繰り返すことで念願の若返りを果たす。そしてその美貌でモデルになる。一方のカップル(こちらは夫婦ではない)は男が手術で電子ペニス(スマホで操作)を得る。このお陰なのかモテモテで女を取っ替え引っ替え。当然いいことばかりではない。電子ペニスは故障がちで、手術(修理?)のために日本へ行ったり、しまいには車の運転中に突然発火する。若返った女の方は常に精神が不安定状態なのだが、とうとう体調不良で入院する。結局若返ったのは外見だけ。身体の傷口からなんとたくさんの蟻が這い出してくる。コレ普通に考えればホラーなんだけど、淡々とこの状況は描写される。笑えるくらいの雰囲気かも。最悪の状況(実はあんまり悲惨に描かれてない)に行き着くまでにも当然いろいろある(悲惨なのもある)わけだが、2組のカップルや友人関係にある2人の中年男のやりとりに笑えてしまう(にやり)シーンがたくさん。なんともフランス的?とても面白かったです。
「穴と棒」の深くてヘンなお話でした。
※翌日の追記 これって結構文学的だよな。朝起きたら虫になってる小説とか、身体の中に花が咲いちゃう小説とか…なかなか面白い映画だと思うよ。
なんなんだこれは
上映時間も短いので
とりあえず見てみるかと鑑賞
ヘンな映画と聞いていても
やっぱり見てみたらヘンだった笑
しかも凹より凸の話のが多いような😅
女性は見た目の若さを
男性は下半身の若さを取り戻すべく
躍起になって穴に入るのかなと思ったけど
そんな感じでもなくて
他に若い女の子2人組が見に来てたんですけど
彼女らこの後どんな会話すんのかなとか
そんなんが気になってしまいました笑
ヘンテコな映画
地下の穴をくぐり抜けると、12時間進んで、3日若返る。地下の穴にくぐり続ける妻には、夫の立場からすると、なかなか会えなくなってしまう(妻は、最終的に19歳にまで若返ったようだが、一体、何回くぐったのの?!)。
妻といい、社長さんといい、若さに執着する気持ちと、その取り憑かれ方が、いやはや、なんとも、シュール。
ピコピコ鳴るBGMや、途中、無声映画みたいなところは、この映画の世界観に合ってて、面白かった。
とにかくヘンテコな映画。嫌いじゃないけれど。
【”アンチエイジングの穴・・。”愚かしくも何だか愛しい男女の姿を、シュールに描いたブラックコメディ。電子○○○って・・。男っておバカだなあ。因みに、日本では、あんな手術はやってないよ!(多分・・。)】
ー 本作の設定が、とても面白い。
中年夫婦のアランとマリーが、購入した家の地下室にあるダクトを降りると、時間軸が12時間進んで3日若返る・・。
そして、マリーは憑かれたように、ダクトを降り始め”若返り”を図る・・。
気持ちは分かるけどね・・。-
◆感想
・家を購入したアランとマリーの所に、アランの会社の社長ジェラールと”お友達”のジャンヌが、お祝いに来て、卓を囲むシーンが、クスクス笑えてオカシイ。
ー 両組とも、言いたいことがあるのに、焦らして言わない。で、ジェラールが到頭言った事。
”電子ペニスにしたんだ。”その後も、”伸縮自在ナンダ。(そりゃ、そうだ。)スイッチで振動も三段階ナンダ。(嬉しそうに微笑む、ジャンヌ・・。)
”じゃ、本物はどうしたの、2本あるの?”と真顔で聞く、マリー・・。
ウーム、流石、ジュテームの国フランスである。
それにしても、日本ではそんな手術はしてないぞ!
で、結局アランとマリーは、地下室の穴の事は言えず・・。-
・そして、マリーは憑かれたようにダクトを降りる日々。
出口にはどれだけ若くなったか、直ぐに分かる様に鏡まで取り付けて・・。
ー で、アランに胸を触らせて”前より、違うでしょ!”
あのね、男はそんな事には興味ないの!若い時ならいざ知らず・・。(私だけか?)-
・ジェラール社長のおバカ振りが、本作では際立っていて、アランと射撃場に行った時にショットガンをぶっぱなし、電子ペニスが反動で壊れる・・。
彼は、会社そっちのけで、速攻で日本に行って”部品交換”する。
ー このシーンも、相当オカシイ。
日本語は達者だが、どう見ても純正日本人でない医者と看護婦との日仏会話のおバカさ・・。挙句に、”部品交換”失敗・・。
一方、お友達のジャンヌは、チャッカリ若い男と良い仲になっている・・。シニカルだなあ・・。
序でに、漸く治ったと思ったら、ジェラールの股間から煙が・・。可笑しいなあ。-
・一方、マリーは凄い勢いで若くなって行き、モデルまでやるようになる。
だが、ある日、腐ったリンゴが目に入り、それを持ってダクトに入ると、リンゴは元通り。
■”リンゴも若返るのか!”と、脳内で突っ込みつつも、その後の展開が秀逸で、アランがそのリンゴをかじると、中は腐っていて・・。蟻がゾロゾロ・・。
表皮だけ若返っているのでは、と疑心暗鬼になったマリー・・。
<錯乱したマリーが、病室で花瓶を叩き割り、掌を切るシーンも相当にシニカルだったなあ。
若返りや不老不死なんて、始皇帝や、クレオパトラもイロイロやって来たようだが、カンタン・ドゥビュー監督の、シニカルシュールな作品作りには、感嘆である。
序でに言うと、男のおバカさの象徴として描かれるジェラール社長の存在は、作品にアクセントを与えていて、面白かったな。
マリーとジェラール社長に振り回されつつも、一番冷静だったのは、アランだったのかな。>
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