ザリガニの鳴くところのレビュー・感想・評価
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自然の掟?
弱肉強食ではあるが無駄な殺生はしない自然界
で育った娘の、ごく自然な裁きに見えるけど
冷静に考えれば、かなり用意周到で人間らしい
計画性のある殺人だよね。
被害者が悪人で殺されたって罪悪感を感じない
キャラだったので、勧善懲悪で纏まった結末ではある。
内容的には関係無いけど、この映画のラストが
タイタニックの最後のシーンと、被った。
雰囲気がとても好きな映画だった。
土砂降りの日にゆっくりしっとり観るのがお勧め。
湿地帯の雰囲気味わえる。
❇️🦞?『湿地帯の魔女と呼ばれて』の方が良くない?😆
ザリガニの鳴くところ
1953〜1969年 🇺🇸ノースカロライナ州 バークリーコーヴ
湿地帯で男の死体が見つかる。
容疑者となった女性。
この女性は湿地帯に住む彼女カイヤ。
何故彼女は湿地帯に住み着いてるのか?
幼少期からさかのぼり徐々に解る真実とは?
❇️🦞ザリガニなんてどうにも関係ない気がしました。★彡『湿地帯の魔女』とかほ方が良くない?😆
◉70C点。
★彡ラストのエンドロールの歌詞がネタバレとなっている様な気がしました。
🟢感想。
1️⃣この時代だからこそ警察に相談できなかったのかな?★彡男女差別や、湿地帯住人での差別とかあったのかと察しました。
2️⃣自分を変える勇気のない主人公。
★彡人を好きになっても自分は受けのまま動かないのはどうかなぁと思いましたが、後半は頑張ってました。
3️⃣主人公の賛否を問いたい。
★彡ネタバレできないので好きか嫌いかと言えば嫌いですね。😅
4️⃣エンドロールの歌の歌詞が主人公の心を表している⁉️
★彡多分ラストの歌はネタバレで闇を感じました。斬新で良い⭕️
あなたは私を見ていない…😱
5️⃣殴られたら殴り返す!
主人公の強い部分や自分のスタンスを基本は変えない気が強い一面もちゃんと解るシーンあり。
6️⃣軽薄なボーイフレンドの立ち振る舞いが⭕️
★彡絶妙に軽く、優しそうでそうでもない、いい加減な面や人の心に無断で入ってくる、感じが絶妙に良かった。
🈲ネタバレ保管記憶用(主人公目線なりきりバージョン❗️)
🌀私は幼少時代から父親のDVで家族を失ってしもうた。ほぼ一人でなんとかやってきた。
やられたらやり返したい性格も父親似なのかな?
私の体目当てで暴力を振るうバカなチェイスを殺す事にした。
婚約者には悪いけど、アイツは許せない💢
私はね、ビクビクしながら生きていくのはまっぴらごめんやねん。
完全犯罪を計画して高所から突き落として、アリバイを作るために、次の日はまた本の編集者の所に戻った。
このアリバイで、なんとか無実を勝ち取り、よりを戻したティトと生涯死ぬまで幸せに暮らしたんけど、なんか文句あります?
この映画を観た方へ謝罪します。
今まで無罪を主張して皆さんを騙してしもうた事を勘弁願いたい🙇♀️
そしてティト障害私を愛してくれてほんま感謝しとるで〜あと、弁護士や私に物を売ってくれたおじさん、おばさんありゃーす!
🪶 🤔🤫🤛💄👁️👩❤️👨🧶🪲🕷️🦋🦅🦞🦜🪽🕊️🍃🎂🚤🏡🏞️🛏️🪟📘📝❣️❤️🩹㊙️
ラストは蛇足
ミステリーもの、法廷ものを、陪審員ものの映画としては一級品。ただ、あの衝撃のラストの蛇足がなければかなり評価の高い作品として評価できたのに、もったいない。あの蛇足がなければ、正義は必ず勝つという心地よい余韻に浸れたのに、残念。
彼女は学校では何も学ばなかった。すべては自然から学んだ、ということ?
生存本能
タイトルの「鳴く」は「sing」なんだ。普通「ザリガニ」は「crawfish」だが、この作品では「crawdad」、「父親」の「dad」と掛けているのだろうか。ちなみにエビカニの「爪」は「claw」、てっきり爪があるから「クローフィッシュ」なのかと思ってた。「crawl」(水泳の「クロール」)には「這う」という意味もあるので、そっちか。
何の予備知識も無く見始めた。タイトルも地味で劇場上映されていたのも知らなかった。オープニングからハリウッド映画っぽさがなく、「赤毛のアン」のような映像で文芸的な香りを感じた。差別と偏見、家庭内暴力に曝される主人公、アメリカ版「破戒」か。
結末は予想通り、ただ、事件の詳細な状況説明がされないのでモヤモヤが残ったまま。ここで他の人の感想を読んで、「あ、父親」と理解した時のカタルシス。
一見、差別や偏見に批判的な描き方に見える、普通の観客はそのように善意の視点で観がちだが、実のところ町の人々の「湿地の娘」に対するスタンスは正しかったということになる。湿地の娘が暴力から身を守るためにそうしたように、町の人々も自らを守るために忌避していたのだ。
これ程、宣材カットに翻弄されたことは無いな!その美しい口唇にハマる~
~真相は 初恋 の中に沈む~
才能あるよね~作製した人 凄いわ。
宣材チラシの 麗しい女性の口唇・・・
少し半開きで、誘惑されてとっても心引き込まれる。
目の部分は見えず 川のボートになってて。
一目このカットを観ただけで
この映画に興味を抱き 遠征して観に行った。
今回は「ザリガニの鳴くところ」鑑賞です。
アメリカで2年連続最も売れた本で
本屋大賞(翻訳小説部門)獲ってるらしい。
原作:ディーリア・オーウェンズ氏
監督:オリヴィア・ニューマン氏
・キャサリン・クラーク(カイア)主役:
デイジー・エドガー=ジョーンズさんが
メッチャ素敵で麗しく美しい。24歳で過去作もあまりなく
今後が楽しみだわ~い (#^.^#)
・ジュリアンヌ・クラーク(カイアの母親):アーナ・オライリーさん
これまた超美人さん、この娘にしてこの母アリって感じw
・テイト・ウォーカー(初恋の人):テイラー・ジョン・スミスさん
・チェイス・アンドリュース(被害者:遊び人):ハリス・ディキンソンさん
1950年代頃のノースカロライナ州の湿地帯に住むある家族。
父は退役軍人上がりで家族に暴力をする毎日。
子供兄弟は5人いて最初に母が暴力に耐えかねて家出。
※何で子供らを置いて行ったんだ??
そして、兄・姉・姉・次男(ジョディ)が家出。
最後に残った末娘のカイアだけが父と暮らす。
しかし親父も家出行方不明で・・・カイア独りだけが湿地で生き抜いて
湿地帯の少女と周囲に言われるようになる。
学業してないんで野生化する少女。唯一、昔にボートで
出会った事があったテイトだけが微かに知ってる人物。
※実のところ、そんな一人で生きられるわけ無いやんかぁ~と激しく思うが。
小売商店の黒人夫妻が唯一の生命線だったんだと思うね。
テイトと偶然再会し、色々教わり 本を読み知識を高め
生物学者並みになるカイヤ。
えっそんな 勉強して成れんの?とは思うが、
やがて芽生える初恋。テイトと恋に落ちる~。
楽しい時間を過ごした二人だが、テイトは大学進学で
暫く地元を離れてしまう。 そして約束の再会の日、
もの凄く 逢いたかったテイトを待つ カイヤが切ない。
海辺で待つカイヤ、カイヤ、カイヤ。
遠くをジッと見つめ彼の帰りを待っている姿に心打たれる。
やがて夕方 遠くで花火が上がり、そして真夜中に。
いつしか 朝に成って・・・
母も兄弟も、そして 初恋のテイトまでもが 私から離れていくと
そう思っただろう。きっとネ。
そして やがて迎える二度目の恋。
船着き場で目をつけられた 遊び人チェイスの登場だ。
彼は案の定、カイヤの体目的だけで彼女を物にした!
それ見て俺は 何故か激オコっすわ~。
男って奴を全く解ってない純粋過ぎる彼女。
そして 其の頃、地元に戻ってくるテイト。
真面目なテイト、遊び人チェイス、純粋なカイヤ。
この三角関係になるが、遊び人は結局 カイヤ以外の
女性と婚約。
裏切られたカイヤが激高し、結局チェイスを殺した??
っていう展開なんだな。
初恋のテイトと寄りが戻っていくが、
チェイスの高見台からの落下死体が発見されて
容疑者カイヤの裁判が この映画中心で話は展開する流れ。
最終的にカイヤ無罪!テイトと芽出度く結婚。
しか~し、事件の日、遠方のホテルまで出版社の人に会いに行く
バスに乗るカイヤ。誰にも分かる様に化粧メイクばっちりの
美人に成って周囲に印象付ける。
その日また密かにバスで戻ってきて、チェイスを誘き出し
高台から事故に見せかけて落下させて、またホテルに戻る計画。
犯行時間はたった1時間。
携帯も無いし、その犯行は無理と結論つけた陪審員たち。
この真面目で学者並みの知識人カイヤ。
彼女が人を殺すなんてとは思う。
そして無罪になって数十年後、
晩年 夫のテイトが 惜しくも亡くなったカイヤの執筆本から
事件で争点になった カイヤがチェイスに贈った
珍しい貝の手製飾りが見つかる。
その飾りの有無は、唯一の殺意認定に必要だったからだ。
警察がカイヤ家宅を調べでも出なかったのに
カイヤの執筆本から見つかるって事は・・・
俺は 最後の最後に ドキッとしたわ。
あの1時間内の犯行を、彼女は見事に遣ってのけた
訳なんだろうかと・・・。
年老いたテイトが それを見つけて
そっと海辺の波寄せる砂浜へ置いた。
波が 真実を洗い消し去って行く~
本人の亡き今となっては、
真実は無意味なのか そう思った。
やっぱり美人に心許しちゃう
世間も加担したと思うね。
湿地帯でちょっと鈍ヨリ感あって
なぜか全くザリガニが出て来なかったけどもw
中々の展開流れに 自分なりに頷いた次第。
彼女に心奪われた方は
是非、劇場へどうぞ!
湿地で孤独に生きた女性の生涯
暴力に耐えきれず出て行った母親、徐々に家を出る兄弟たち。残ったカイアを父親まで置いて出て行ってしまう。もうこれだけで酷すぎて、一つ物語が出来そうだが、カイアの物語はまだ始まりにすぎない。
たった6歳で1人になった少女。普通ならここで行政の手が差し伸べられそうだが、そうならない。時代的なものか、カイア自身も拒んだのだろうが、1人で生きると決めたカイア、貝を摂り、売ってお金を得る。小売店の老夫婦が手助けをしてくれたのが微かな救い。
それにしても、よく1人で生きていけたな。物語とはいえ、胸が苦しくなる。年頃になって出会ったテイト、恋に落ち、別れが来てもいつかまた帰ってくると信じて待つ。でも約束した時にケイトは帰ってこなかった。ケイトに罪はない、そりゃあ悩むよね。でもケイトのおかげで読み書きもできるようになって、本を出す手助けもしてくれて、よかったとは思う。
次に出会ったチェイスが、結局死んで殺人の容疑がかけられるが、チェイスは暴力的だし、カイアのことはただの浮気相手としか見ていない、腹立たしい奴。
裁判が始まり、無罪になったが、では死の真相は?はっきりしないまま、一気に物語は進んで、カイアとテイトが共に暮らし、年老いてカイアが死んで、、、、この流れが早すぎて、もう少し時間をかけて語られてもいいのに。
1人になったテイトが片付けていると、一冊の本の中から見つかるあるもの。本当に最後の最後で真実がわかるのが、驚愕、でもそこがとても良かった。
自然が自由にしてくれる
殺人容疑で捕まってしまった主人公の人生を追ってみると、父親のDVが引き金で湿地に一人きりでサバイバルしていた話。
法廷バトルなのかな?と思いきや、家庭内暴力の話で、かと思えば純愛ストーリーで、その背景には何にも変えがたい自然があり、でもやっぱり法廷に場面は移りーーと四本ぐらいの軸がある映画。
予告ではサスペンス要素を推されていたけど、そこ重視で観ない方がいいかも。
正直なところ、別にそんなにどんでん返しでもない。事件解決のカタルシスは感じられなかった。
そっちよりも圧倒的な自然に魅了された。白鳥(?)の大群と遭遇するシーンは絵本みたいだった。自分だけの海があるとか羨ましい。
めっちゃ一部男性クズやし、めっちゃエッチするし、めっちゃ雑貨屋の夫妻優しい。
ミステリというより貧困、差別、偏見への問題提起
湿地というエリアにて、1人の若い男性遺体が発見されます。容疑者は湿地に一人で住む女性カイア。町では「湿地の娘」と呼ばれ変わり者とされています。そこから彼女の回想による生い立ちが語られていきます。当初は誰がこの男性を殺したのかですが、物語が進むにつれ貧困、DV、差別、偏見といのが浮き彫りとなります。ここが重要な点ではありますがあまり深くまたリアルにするのではなく、回想らしくソフトな流れです。カイアは犯人なのかは裁判での評決になります。ここも結果だけであり真相は明確にしません。物語はカイアが亡くなるまで展開されます。カイアの回想録といった物でした。ミステリやサスペンスを求めるとやや弱い話。貧困、DV、差別、偏見に対する社会派としては薄い話。どっち着かずという感想です。原作は未読ですが、なぜ引退した弁護士がカイアを弁護するのか?人間不信になったカイアなのにまた別の人を信じてしまうのはなぜ?そもそも最も幼いカイアを家族の誰も連れて行かず家を出て行ったのか?モヤモヤも残りました。
美しいロケーション
WOWOWで鑑賞。
ロケーションが美しいので映画館で観てもよかった気がした。
レストランでのホタルの話、家でまたホタルの絵。
これは伏線かと思ったがやはり。
その後の長い年月を描くのはラストシーンのネタバレのためかと納得。
エンディングロールの曲もよく最後まで聴いてしまった。
見終わって少しして思い出した、
判決がくだりテイトに歩み寄ったときお腹に手をやった、あのシーン。
もしかしたらテイトとすぐ一緒になったのは既に宿った命を…なんてことをふと考えた。
そこは種明かしせず鑑賞者に委ねるところということか。
生き物の営み、生存戦略に善悪はない。
獲物が捕食者を葬る〜湿地は親代わり?
親が居なくて湿地に住む娘カイアを
犯人と決めつける町の人々。
人気者と言われ妻も居たチェイス。
暴力的な父親のせいで母親兄弟と
次々に去って行ってしまい
最後父親とカイアだけになり、父親も去り、
カイア一人ぼっちになってしまった。
食べる物にも事欠き貝を獲って生計を立てるが、
大丈夫なのか?
学校にも通わず通えず
文字の読み書きもできない。
優しい親切な雑貨店夫婦の支えがあり、
どうにか成長できた。
幼馴染みのテイトとも再会して付き合ううち
文字も習い読み書きできるようになり、
湿地の生態の観察したことを
図や文字で表すまでになった。
互いの家族のことも話すうち愛し合い
いつしか幸せな時を過ごすようになり、
将来を誓ったのだが。
テイトは外の世界に憧れていた。
湿地を離れようとしないカイアと
外の世界を比べ‥‥
必ず会おうと誓った日に
オシャレして待っていたが
いつまで待っても帰って来なかった。
テイトが約束を破り戻って来なかった。
だけど、湿地はつまづいたカイアを慰める。
夕日に照らされた美しい光景。
5年前テイトに貰っていた出版社のリスト、
試してみようと思った。
直ぐに出版採用の知らせが届き、
程なくして製本された見本が届く。
カイアの湿地を文字と絵で綴った
初めての本だ。
テイトの裏切りに傷心のカイアに
口上手く言いよるチェイス。
外見はテイトに似ていたが、
中身は正反対だった。
結婚の約束をしておきながら
別の女性と結婚したのだ。
それでも強引にカイアに言いよるチェイス。
逆らうと暴力を振るわれ
家も荒らしまくられた。
怯えて生きるより
一人湿地で生きる方がいいと決心した。
湿地に戻りたいと自然をもっと探索したいと、
ただ一人愛する人と。
そのチェイスが亡くなったことで
容疑者とされ裁判にかけられるカイア。
幼い頃からの顔馴染みの弁護士に頼み、
裁判で闘う。
湿地の自然の知識が役立ったか。
赤い帽子の繊維が役立ったか。
❤️エンドロールでの歌とイラストいいですね。❤️
原作を読んでなくても「小説を映画化」したのがわかる映画
エンドロールの「貝殻」のイラストがよかった。貝は別の貝とはピッタリ合わないと聞いたことがあるので、テイトがカイア夫婦になったことは“自然だった”と思わせてくれた。
チェイスに贈ったネックレスが家に置いてあったのは、「バレたら捕まる」「バレなければ私は悪くない」と、自然に委ねたのだと思う。“湿地”という場所で自然を直に肌で感じて育ってきたカイアは、自然(流れ)に委ねた。
結果として、家の中からネックレスが見つからなかったのは「警察のずさんな捜査」を裏付け、“湿地の娘がやった”という偏見を外せてないことが証明された。
雑誌編集者との食事会で「自然界に善悪はない」とカイアは言っており、カイアはチェイスに怯えてその地で生きることを選ばず、生き残るためにチェイスを排除する道を選んだ。
1964年という時代、男尊女卑・人種差別の激しいアメリカで白人の若者から身を守るためには、幼い頃から誰にも頼れなかった境遇・弱肉強食の自然・虫たちに善悪などないという考えからも、チェイスに殴られたときから、チェイスは「大事な人」から「虫同様」の価値になった。だから殺した後も平気な顔で人と会えた。自然界では生き残るために当たり前に起きていることだから。
映画もすごく自然な流れで見やすかった。本当、小説見てるみたいでした。
湿地の景色とストーリーがとにかく美しい
サスペンスでもあり、ラブストーリーでもあるんですが、個人的には不幸であるが純粋で賢い女性が自分の未来を切り開くといった映画だと思いました。
父親のDVによって一家がバラバラになり、その中でもお母さんがいなくなった事が主人公の心に深いダメージを与える。
時が経ち、主人公にも恋人ができる、その相手は父親と同じように暴力的な男だった。
孤独に生きることと、恐怖に怯えて生きることは違う。
母は逃げるという選択しかできなかったが、強い女性である主人公はもう一つの選択肢をとった。
裁判中の回想シーンで、チェイスと殺したのはテイトだろうと思わせといて、最後の最後で「ああ、やっぱりそうだったのか。」と納得させてくれる。
後味が最高に良い映画。
魅惑の映画だが、完成度は高くなく
マイノリティを尊重することの大切さ
<映画のことば>
私じゃない、嫌ったのは彼らよ。
私を嘲笑い、仲間外れにし、悪意をもって蔑んだ。
そんな彼らに懇願しろと?
私は何もしない。勝手に裁けばいい。
でも、彼らが裁くのは私じゃない。
彼ら自身よ。
☆ ☆ ☆
それが彼女にとっては至極当然のことであったとしても、人が多く住む市街を離れて、独り湿地で暮らしているということだけで、外の世界で生活している人からは好奇の目で見られ、「変わり者」と決めつけられ、時に軽蔑さえされるー。
地域社会(文明社会)からは距離を置いて静かに暮らしていた少女・カイアが、しかし、自分を包み込む湿地の自然をこよなく愛しながら、その中で生き抜く術と価値観とを身につけた、その生命力のたくましさーそれが本作のエッセンスであることは、疑いのないところだろうと思います。
食料としてのトウモロコシ粉は言うまでもなく、湿地であるが故に船を使わざるを得ない以上、ガソリンや点火プラグなどか必要となり、それ故に、貝を雑貨店に売ることで、現実の文明社会との関わりを否定はできないのですけれども。
そして、ある事件を契機として、彼女がマジョリテイの価値観で裁かれようとする事態に陥ってしまうー。
そういう不条理には、本当に心に痛い一本でした。評論子には。
佳作であったと思います。
(追記)
この町で生まれてから、片田舎のこの町でずっと暮らしてきたと言いますけれども。
しかし、この弁護士は、只者でない。
否、むしろこの町にずっと根づいて来たからこそ、この弁護ができたのか。
いわゆる「マチ弁」(企業の顧問を中心に経済事件などを専門に手がけるのではなく、地域に密着して、地元民の法律問題をひろく取り扱う弁護士)の強みというのは、こういうところにあるんだろうなぁ…とも思いました。
その点も、本作は、とてもとても興味深い一本になりました。評論子には。
<映画のことば>
自然に善悪はない。ただ、生きるための知恵があるだけ。
<映画のことば>
危ないときは、ザリガニの鳴くところまで逃げるんだ。
大どんでん返しは必要か?
湿地帯に取り残された少女カイヤが殺人の容疑者となる。彼女にはアリバイがあるが、ある複雑な行動を取れば犯行は可能であった。しかし、自然の中で純粋に生きてきた彼女にそんな犯行が可能か?
裁判で弁護士が心を打つ弁護をする。湿地帯の女と言って蔑んで偏見を持っていた我々(陪審員も)は、今こそ偏見を捨て純粋に彼女を見るべきだ。
そして、彼女は無罪を勝ち取る。だがしかし。
何で「だがしかし」が必要なのだろうか?
彼女の犯行でなくてもいいと思うんですが。
あの胸を打つ弁護はなんだったんでしょうか?と私は思ってしまいました。
美しい景色、生き物としての客観性と人の知性、言葉はどこか詩的
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