劇場公開日 2022年11月18日

「湿地は全てを飲み込む」ザリガニの鳴くところ カイトさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0湿地は全てを飲み込む

2022年12月28日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

ノースカロライナに広がる湿地で1人の青年が死体で見つかった。
容疑をかけられたのはこの湿地で1人生き抜いてきた少女。
裁判を通して明かされる少女の人生と湿地の絆と事件の真相に心が動かされた。

本作は何と言っても画面いっぱいに広がる湿地の美しさ、自然の隅々まで細かく描く繊細さで自分が湿地に存在するかのように圧倒的没入感が凄まじかった。
自然描写だけでなく、人と人との温かい交流、線が引かれる緊張感のあるやり取り、複雑な人間の関わりが本作にドラマ性を加え、事件に引きつけられるミステリー要素もあり、見入ってしまった。

カイアのロマンス、神秘性、ミステリアスの要素が複雑に絡み合い、観た者がずっと考え込んでしまうほど魅力に溢れていた。

湿地は観た者の感情さえも全てを飲み込んだ。

カイト