「【天上天下唯我独尊女性が生きる道。けれども、彼女が上から目線で見ていた兄弟達が不器用だが一生懸命生きる姿を見て女性が自らの生き方を顧み、人間として成長しようとする姿を描いた物語。】」わたしの見ている世界が全て NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【天上天下唯我独尊女性が生きる道。けれども、彼女が上から目線で見ていた兄弟達が不器用だが一生懸命生きる姿を見て女性が自らの生き方を顧み、人間として成長しようとする姿を描いた物語。】
■熊野遥風(森田想)は家族と価値観が合わず、大学進学を機に実家を飛び出し、ベンチャー企業で活躍していた。
しかし、目標達成のためには手段を選ばない性格が災いし、パワハラを理由に会社を退職に追い込まれる。
復讐心に燃える遥風は、兄弟が暮らす家を売り、新規事業を立ち上げて見返そうとする。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・森田想演じる遥風の口癖は、”使えない奴は、ドンドン切ってく!”である。イケイケドンドン、根拠なき自信に満ち満ちたパワハラ女である。
且つての自分を見ているようで、多いに共感しつつ、多いに反省する・・。
・そんな、遥風の兄弟達は、彼女にとっては使えない奴に最初は見えている。
長女の実和子(中村映里子)は離婚し、実家の家業のフードセンターを営んでいるし、長男の熊野啓介(熊野善啓)も実家が農家の妻明日香(堀春菜)から離婚を切り出され、弟熊野拓示(中崎敏)に至っては、怪しい商売に手を染めている。
ー だが、遥風が実家を売る!と彼らの生活を考えない事をぶち上げた事で、家族の絆はドンドン離れて行くのである。-
■遥風が明日香の農家作業を手伝いながら、日射病でダウンしたり、新規事業を立ち上げようと首になった会社から引き抜こうとした後輩の憲太郎(三村和敬)と連絡が付かなくなったり、拓示がヤッパリ上手く行かない状況などを経験し、遥風は自分の”天上天下唯我独尊の生き方に疑問を持っていくのである。
<今作は、天上天下唯我独尊の生き方を貫いて来た女性が、今まで上から目線で見ていた兄弟や周囲の人達も、夫々に必死で生きて居る事に気付き、今までの生き方を鑑み、人間として一歩成長しようとする姿を描いた作品なのである。>