「テンポの良い超王道冒険譚」ストレンジ・ワールド もうひとつの世界 Y Kさんの映画レビュー(感想・評価)
テンポの良い超王道冒険譚
感想
超王道のアクションアドベンチャームービーとしては満足出来たが、王道すぎて全体的に薄味な印象をもった。
・物語構成
電気の代わりを担う植物が近々滅ぶという危機的状況に対し、現在農家をしている行方しれずの冒険家の息子サーチャーが事件解決の為地底世界に家族総出で出発するというあらすじ。
家族総出の冒険は『クルードさんちの始めての冒険』、地底世界探索は『センター・オブ・ジ・アース』、冒険要素は『インディ・ジョーズ』という様に様々なジャンル要素を取り込んだ作品の為全体にハイテンポで部分的に既視感を感じました。台詞回しは説明口調のシーンが多くあった気がします。
しかし、地底世界の自然描写は美しく見応えがありました。特に、スプラットは人間味のある動きや魅せ方が多く、可愛いと思いました。予告編でも告知されていた、“衝撃のラスト“についてですが、あまり衝撃感はありませんでした。中盤辺りで環境問題、生物同士の共存について語られる台詞があったのですが、そのフリを見事に回収していたので意外性はあまりなかったです。
・ポリコレ要素
今作のメンキャラクターである一家が白人と黒人の夫婦、同性愛者の息子、片足のない犬というポリコレ要素詰め込みすぎな一家であり、その要素が本編の中で特に活かす展開もなかった為、ポリコレ贔屓感が逆に鑑賞中のノイズになってしまったと感じた(あくまでも、個人的意見なので、差別発言では決してありません。)。
・総評
誰でも楽しく観る事が出来る超王道冒険譚。地底世界の独自描写は楽しかったが、ハイテンポな脚本、既視感のある作品テーマについては少し気になった。
コメントする