「ご都合主義的な冒険には心が弾まない」ストレンジ・ワールド もうひとつの世界 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ご都合主義的な冒険には心が弾まない

2022年11月23日
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「未知の世界」に迷い込んだら、そこに潜んでいるかもしれない危険に対して少しは警戒しそうなものだが、登場人物たちは、あまりにも無防備で、能天気すぎやしないか?特に、勝手な行動をとる息子は、この手の映画にはありがちなキャラクターとはいえ、その無謀さにはイライラさせられる。
離ればなれになっても偶然再会できたり、ビンチになっても必ず誰かが助けてくれるという「ご都合主義」も、冒険のスリルを半減させている。
親子三代に渡る確執と和解のドラマは良いのだが、少々しつこくて、物語の流れを阻害しているとしか思えない。
LGBTや多様性への配慮も、明らかに過剰で鼻につく。
その一方で、ストレンジ・ワールドの正体は面白いし、それを知った後の主人公たちの選択と行動からは、SDGsの大切さについてのメッセージを無理のない形で受け止めることができた。
色々と詰め込みすぎずに、テーマをここだけに絞っていたら、もっと楽しめたかもしれないと残念に思った。

tomato