そばかすのレビュー・感想・評価
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LGBTQIAの話
三浦透子(岸井ゆきの)が好きな女優なので、ちょっと遠征です。
とても良かったです。私はあんたの声が好きなのよ。歌声も良かったです。
LGBTQ+の映画は良くみますが、Aまでは考えていなかったことを実感。LGBTQは私の周りでも話題になるとタブー視され、マイナス感情で語られることが多いのですが、私は映画を通じて、LGBTQ+の方の気持ちを理解出来ていると思っていましたが、この映画はLGBTQIAの「A」がテーマです。なるほど、これはこれで辛いですね。
正直、LGBTQIAの中ではいちばん楽なのかとも思っていましたが、私が浅はかでした。
「his」のアサダアツシが企画・脚本とのこと。納得です。実は私もLGBTQ+にはちょっと苦手な感情があったのですが、「his」を観て気持ちが変わりました。とても良い映画で、私の価値観を変えてくれた映画です。
LGBTQ+の中では観やすい映画だと思うのでオススメです。
切ないストーリーではありますが、笑いもあり「日常」として描かれているのも良かったです。
キャストANDスタッフワークの充実した見応えあるドラマでした
かなり良かった。「地方で生きる(NOW)」みたいな設定の中でじわ〜っと出てくる現代的な様々な価値観。みんなそれぞれ抱えてる悩みは違えど…なんだけど、テーマはかなりわかりやすく伝えているけれど、本作の良さはそこでなく、圧倒的な演者力とそれを真正面に捉えて見応えのあるドラマにしているところ。
特に三浦透子の実家が美術も手前と奥を使ったお芝居もかなり充実。最近の家族ドラマの中でも出色の出来栄え。三浦透子はチェロっ言っても劇中全然触っていないのにラストワンカットで1曲まるまる弾いてるのも凄かったが、やっぱり前田敦子は凄い。本当に彼女はセリフを生なものに変えてくれるんだろうな。特に三浦透子と紙芝居を作る件は素晴らしかった。前田敦子の声は良いよな、と思ってると声を吹き込む設定だったりも良かった。キャスティングがみんなハマってるのだろう。最後の北村匠海も何も北村匠海でなくともと思ったりもしたけど、テーマを集約して豪華にまくった。
ジャンルにとらわれない方が楽しめるか
多様性
多様性とは何なのか?
昨今「多様性を尊重することは常識だ」と言わんばかりに政治、企業、教育の場において「現代的な社会性」として語られ、我々も多くの状況で「啓蒙」を受けることが多くなりました。しかしながら、実際には(少なくとも私が知る)日本の状況下において、多様性への理解はまだまだ常識に程遠いレベルだと感じています。当作品内の1シーンで(政治家が)「多様性とは言え常識の範囲で」というセリフがあります。「常識」?「多様性」?まるで禅問答のようですが、、、そもそも多様性とは何なのか。
様々な作品でも題材として取り上げられることが多くなった多様性ですが、中でも多いのはセクシャリティや恋愛に関する対象、感情、指向などについての話で、この作品もその部類が基本にあります。
なかなか面白い切り口だなと思ったのは、作品後半のある登場人物から発せられる「レズなんでしょ」というセリフ。「LGBT(Q)」という言葉が知られるようになり、恋愛対象というものが「ヘテロセクシャル」「ホモセクシャル」、或いは「バイセクシャル」かまでは「違い」として認識されるようになってきました。しかし、実際にはそんな言葉・種類に収まらないのが多様性です。要するに我々の殆どはまだまだ多様性を「知ってるつもり」。ましてや言葉で「種別」すること自体、多様性に反します。
(さて、長くなりましたがそろそろ映画評に入らないと。)
主人公の佳純(三浦透子)は恋愛に対する自分の「特異」な考え方に生きづらさを感じています。それでも生活のためとはいえ「コールセンター」や「保育士」など割とストレスフルな仕事を選んだり、また頼まれたり誘われたりしても一度目から断らずに出向くところなど、結構タフだし、まだちゃんと「どこかに期待がある」と信じている人です。おそらくそれは中学時代に一度ある人に「(自分を)肯定された」ことを支えに出来たから。そんな佳純も30歳になり新たな人生が動き出し、まさに思い悩んでいるところで再会する「恩人ともいえる友人」。そしてまた影響を受けて一歩踏み出す佳純。いよいよいい巡回かと思いきや、、、でも、終盤そんな佳純に影響を受ける人達が出てきて、この展開は素敵の一言です。家族での朝食シーンもいいですね。
そして多様性を理解する上で重要な点に気づきます。それは佳純自身が他人の多様性に無頓着なところ。そして自分が支えられたように必ず「肯定」して言葉にします。おそらく「この達観」こそが、多様性を理解する上でのゴールで、そこからがまさに新しい社会性のスタートなのではと思います。
それにしても前田敦子さん、今回も素晴らしい。そしてドラマ『架空OL日記(17)』の頃から存在に気づいて注目していた三浦透子さん、『ドライブ・マイ・カー(22)』で知名度も上がり今後の「主演」も多くなりそうですが、今作はまさに「いい役」だったのではないでしょうか。今後も期待です。そして、『架空OL日記』と言えば佐藤玲さん。こういう役やらせたら上手過ぎて、もうこういう人だと思われがちなんじゃないかと心配しつつも、トイレに向かうシーンのちょっとした仕草はアドリブなのか、演出なのか、細かい動きに「やるな」と思わせてくれます。
ああ、なんか評はまとまらなかったけど、いろいろ考え、思わせてくれるいい映画でした。
細かい笑いがツボ
ものすごくパーソナルなことを俯瞰で捉えた作品。
主人公は一人だけれども、登場人物それぞれの主観が交錯する、群像劇の面白さ。
長回しでフッと空気が変わる瞬間がたまらなく好きなので、しょっぱなの合コンシーンから心を掴まれました。
気まずい空気や感情のすれ違いが、いちいち笑えます。
「人生は間近で見ると悲劇だが俯瞰で見ると喜劇である」とは喜劇王チャールズ・チャップリンの言葉ですが、登場人物それぞれの思いが手に取るように伝わる演出だからこそ生まれる笑いで、息のあった演技のアンサンブルも見事でした。
とくに坂井真紀さんの絶妙なタイミング!
伊藤万理華ちゃんの自然体に感じる演技も好き。笑わせてもらいました。
そして三浦透子さんの
相手を傷つけてしまって、自分も傷ついて
…これ、何度も経験してきたんだろうな。と思わせる演技に胸を締め付けられました。
主人公は両親の期待に応えられない二つの負い目を感じている。
人として生まれたのに性的な関心の無い自分
音大を出たのにチェロを弾いてない自分
失望させたり悲しませたくないので、諦めてくれる日を待っていたように写ります。
決して特別な人だけが抱える特別な問題ではない。
さまざまな出会いを経て変わっていく主人公から、一歩踏み出す勇気をもらえる映画でした。
長靴のピッピ、赤毛のアン、キャンディ・キャンディ。あと『耳をすませば』の夕子ちゃん。
“そばかす”は多くの少女達が社会通念への疑問を感じるファーストアイコンだと感じます。
生まれつきの事にとやかく言ってくる社会を知り、全く気にしない強さに憧れ、コンプレックスに感じることはないと確信する。
生まれながらの「蘇畑佳純」
そばかすは彼女の魅力のほんの一部。
ソバタさん
ノットヒロインムービーズは優秀!
Filmarksオンライン試写で拝見。ノットヒロインムービーズは優秀だなと思いました。
「僕の好きな女の子」が本当に好きな映画だから楽しみにしてて、もう少しコメディー寄りになるのかなと思ってたけど、丁寧に描くことに振り切った印象。コメディーリリーフが三宅弘城というね。さらに、劇団っぽさはより希薄になったというか、射程が広がっているなと思います。映画監督としての玉田真也さんの成長が見られる作品でした。
家族にお見合いを設定させられるって本当にきついよなと思うし、恋愛至上主義の世の中は良くないなと思います。喧嘩の後の彼女たちの関係性はどうなったのかというところは、ある程度の解答が欲しいなと思いましたが、主人公が自分を多様性の一部だからと割り切るのではなく、自分は自分という自覚が芽生えるラストは非常に良かったです。
三浦透子の瑞々しさ。前田敦子と伊藤万理華の感情の起伏が物語に大きな波を呼び込んでいました。
(オンライン試写会なので内容薄目で)
今年355本目(合計630本目/今月(2022年12月度)8本目)。
filmmarksさんの試写会で視聴しました。
アセクシュアル、つまり、「他者に対して恋愛・性的興味を持つことがないこと(概念)」を扱った映画です。このタイプの映画はいわゆる「LGBT」系の映画に含められることが多いですが、それとは違います(違うために、LGBT+などと分けることもあります)。
他の方も書かれていましたが、結局のところ、男性に生まれようと女性に生まれようと、謎の「生きる限り、何らかの意味での恋愛からは逃れられないし、逃げようとしたり、そもそも恋愛感情を抱かないほうが変」という謎の風潮は日本には確かに存在しますが、一方でこの映画が扱うようにそのような方がいることもまた事実であり、そこをどうとるかという「考えさせるタイプ」の映画(私が分類する、いわゆる「憲法論」タイプ(ここでは幸福追求権、自己決定権等の論点)になるかな、と思います。
また、映画内で幼稚園だったか保育園だったか、シンデレラの物語の紙芝居をオリジナルストーリーにしてしまって子供からはブーイングになるし、所属している先生方かたも「ちょっとは空気読んでくださいよ」みたいなことを言われるのですが、よくよく考えると、シンデレラの物語の成立時期・発展的に、「解釈が一通りになる」わけではなく(いわゆる日本でいう「シンデレラの物語」は、グリム兄弟の功績によるものですが、物語の性質上、紀元前からどこの国でも似たり寄ったりなお話はあったし、男女の結びつきを扱う以上、宗教の影響等もあり、各国で微妙に結末は違っていた)、その部分も、日本ではそうはいっても、「幼稚園や保育園児にそんなに難しい話をしてもわかるわけがない」ので、「一般的な解釈に基づく一般的なお話」しかしないのが暗黙の了解ですが、よくよく考えるとそれは「幼稚園や保育園における暗黙の了解にすぎず、明確なストーリーがあり動かしようのない事実とまで確立しているか」というと、そんなことはなかったりします。
主人公の方のこの「個人的な思い」の伝え方が「他人よがり」ではなく自発的なものであったこと、つまり換言すれば、「主人公の考えるところから、このような論点があることを見抜く必要がある」、さらには当然のこととして「一方的な思想の押し付け」がないことも高く評価できるかなというところです。
なお、「そばかす」というタイトルですが、いわゆる「そばかす」(雀斑)が映画のテーマとなっているかどうかは…。見てのお楽しみです。
主人公の方の名前は「蘇畑佳純(そばた・かすみ)さん」ですが、さてさて…。
採点は下記のようにしています。
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(減点なし/音声がやや小さい?)
・ オンライン試写会なので、今書き込んでいるこのPCで視聴しましたが、同じ音声ボリューム設定なのに妙に音声が小さいな、という印象はあります(同じ条件でyoutubeその他のサイトでは大音量になる)。ただ、この点も映画館のそれとオンライン試写会のそれとが同じ条件とは限らないので、一応指摘はしますが減点なしの扱いです。
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(個人的メモ) 2022年の個人的に評価の高い映画(12月7日時点/大阪市放映基準)
・ ミューズは溺れない(憲法論/表現の自由や思想良心の自由等)
・ 消えない虹(刑法/少年法等)
------ ↑この2つが一歩抜ける形 ---
・ マイスモールランド(行政法)
・ オカムロさん(憲法論、男女同権思想)
------ ↑この2つもさらに抜ける形 ---
・ ほか順不同 ベルファスト/パラレル・マザーズ/声 姿なき犯罪者 など
凄く共感
いい歳なんだから結婚しろとか恋愛しろとか、いちいちうるさいなと
周りに言われて思った人は是非観てほしい。
決して自己主張するタイプではない主人公にとても共感した。
この映画のように、最初から最後まで恋愛しない女性主人公の物語がもっと増えてほしい.
試写会後に監督がコメントしていた通り、話はアセクシャルの主人公の物語ではあるが、アセクシャルに限らず、多くの人に共感できる話だと思う。
恋愛や結婚が当たり前とされる世の中の価値観がもっと変われば、アセクシャルに限らず多くの人がもっと生きやすくなるのだろうな。
惜しむらくは、楽器を弾くシーンが頑張っているがどう見ても素人なので、音は吹替だろうが、構えるのも手元だけ吹き替えるか、背後から撮影するか顔のアップなどでよかったのでは。
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