劇場公開日 2022年12月16日

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「今泉力哉感ある巧みな会話劇と訴え」そばかす サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今泉力哉感ある巧みな会話劇と訴え

2023年8月4日
iPhoneアプリから投稿

2022年劇場鑑賞102本目 優秀作 72点

正直2022年の最終盤で一番作品力高そうな邦画だと期待していましたが、少し中だるみを感じたけど、鑑賞から時間が経過しジワジワと評価が上がってきた作品

タイトルにもある通り作品の作りが今泉力哉感があって、狭い世界で人間についての葛藤をユーモアを交えて出会いや発見で成長していく作品です

登場キャラクターにそれぞれ分かり易い特徴があって、ゲイだったり元AV女優だったり兄弟からは主人公がレズだと思われていたり、多様性の中で少しずつ自分も周りも理解を深めたり寛容に受け入れたりします

今作はいくつも印象的なシーンがあって、家族団欒(?)食卓を囲んでいるときに伊藤万里華が彼に対して浮気の証拠を掴みその証拠物をぶん投げるシーンや、最後の北村匠海との出会いやそのデート先が当方お気に入りの映画館の横浜ジャック&ベティで物語最後の落とし方のそういう似た様な人がどこかで生きているだけでいい的な発言はこの上なくすごく秀逸でした

ただ、前田敦子演じる元AV女優との出会いが浜辺で黄昏ているときに里帰りした彼女に声をかけられるのですが、学生の時もあまり仲が良くないというか、あまり話さないクラスメイトくらいの間柄なのに、その出会いからの物語中盤がご都合主義だし、そこからの描きのどれに対しても取ってつけた感じがしてしまう(政治家の話とか保育園の紙芝居とか)

けど、観賞後から感じる随所に光る名場面や名台詞がじんわりしてきて結果として印象がいい作品です

是非

サスペンス西島