「恋愛感情ってそんなに大事ですか?」そばかす ごーるどとまとさんの映画レビュー(感想・評価)
恋愛感情ってそんなに大事ですか?
22年公開の日本映画、12月に良作が続々と封切られて嬉しい悲鳴でした。ラーゲリ、ケイコ等々。
今作はもう見終わった途端に「ブラボー!」って叫びたくなった程に素晴らしかったです。
主人公のように恋愛感情が起こらない人のことを“無性愛者”とか“アセクシュアル”って呼ぶらしいですけど、それも少し違うような?そもそもそれって異常なことなんですかねぇ?
まっすぐに自分の人生を生きる主人公(そばたかすみ=そばかす)を三浦透子さんが演じていて、「ドライブ・マイ・カー」のときは寡黙でしたが今作では台詞も多く等身大の30歳をナチュラルに体現。
元AV女優役に前田敦子さん。最近のあっちゃん、驚くほどいい女優さんになりましたねー。作品選びも素晴らしいです。
主人公の家族に坂井真紀さん伊藤万理華さん三宅弘城さん。お見合い話をもってくるお母さんも結婚して妊娠している妹も良かったですが、ちょっと心の病で休職中のお父さん役の三宅さんがすごく良い味になっていました。
マイノリティを受け入れましょう、って上段に構えて言ってくるのではなく、あくまでもフラットにそして誠実に描いています。シンデレラのビデオ紙芝居、もっと見たかったな。
多様性の時代と言われていますが、そろそろ自分と違う価値観を「おかしい」「異常」と捉えるのをやめませんか?
映画ネタとして「宇宙戦争」をもってくるセンスもいいし、誰もが共感できるような爽やかさ軽やかさもまとっていて秀逸の一本になっています。
コメントする