「【”「新解釈、シンデレラ。」恋愛する感情がないアセクシュアルな私は大丈夫ですか・・。”人の生き方の多様性を許容する人々の姿勢を、優しい視点で描き出した作品。三浦透子さんの魅力満載の作品でもある。】」そばかす NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”「新解釈、シンデレラ。」恋愛する感情がないアセクシュアルな私は大丈夫ですか・・。”人の生き方の多様性を許容する人々の姿勢を、優しい視点で描き出した作品。三浦透子さんの魅力満載の作品でもある。】
ー ”恋愛する感情がない、けれどもそれで大丈夫”と思っている、アセクシュアルなそばたかすみを演じた三浦透子さんの魅力が満載の作品である。
そして、そばたかすみは良く、海をぼーっと見ている・・。-
◆感想
・そばたかすみの、家族は基本的に皆優しい。娘の未婚に焦るお母さん(坂井真紀)も、休職中のお父さん(三宅弘城)も。
ー けれども、服を買いに行くと言って、お見合いというのは、どうなんでしょう、お母さん・・。
心優しいお父さんは、そばたかすみのチェロを大切に保管してくれている。-
・お見合い相手が、行ったことのあるラーメン屋の若き店主(伊島空)でお互いに結婚する気がないという点で、意気投合して千葉県のラーメン屋に一緒に行った時に泊まった宿で、まさかの彼からの告白シーン。
ー このシーンのそばたかすみの慌てっぷり。そりゃ、そーだろう。で、ガックリした顔でホテルを出る姿。
少し影がある役の多い、三浦透子さんの慌てた表情などを含めて、今まで観たことのない彼女の演技に魅入られる。-
■秀逸だと思った点
1.そばたかすみが新しい職場の幼稚園で、動画のシンデレラを製作するシーン。
AV女優だった中学生時代の同級生よなが(前田敦子)と
”何で、シンデレラが王子様に求婚されてメデタシメデタシなんだ!”
と言って、「新解釈シンデレラ」を作って、園児と保護者たちに披露するシーン。
ー 成程なあ。納得してしまったぞ。けれども、県議会議員のよながの父に怒られてしまう、そばたかすみ。よながの父、保守的なんだね。マア、普通はそうか・・。-
2.その話を聞いたよながが、選挙カーの上で演説していた保守的思想の父親の所に行って
”人前では、良い事言ってんな!お母さんがお前のせいでどれ程苦労しているか知ってんのか!”と啖呵を切るシーンは、スカッとしたなあ。
ー 前田敦子さんの切れ味鋭い江戸っ子のような啖呵。良き女優さんにドンドンなられていくなあ。ー
3.幼稚園に新しく来た先生で、少し影のある男(北村匠)が、そばたかすみを誘うシーン。そして、彼がかすみに言った言葉の大切さ。
そして、その言葉を聞いたそばたかすみは、明るい表情で前を向いて走り出す。
ー 誰もが、枠に嵌った同じ生き方をする必要は、無いんだよね。-
<今作は、一人の恋愛感情を持たないアセクシュアルな女性を取り巻く人々の姿を丁寧に描くことで、人の生き方の多様性を優しい視点で許容する素敵な作品である。
三浦透子さんって、ヤッパリ素敵な女優さんだな、と思った作品でもある。>
最近の日本映画。
良き作品には洩れなく、伸び盛りの女優さん、旬の女優さん、ますます円熟味を増してる女優さんなどが、競うように出てきているような気がします。
もちろん、冷静に振り返れば、いい映画には、素晴らしい男優さんが同じようにたくさんいるんですけど(若手では、氷魚さんとか季節さんとか)今の時代感覚とか世相を映すという意味で印象的なのは、やはり女性なのかなぁ、なんて極めて個人的な感覚だとは分かってますが、思ってます。