劇場公開日 2023年1月13日

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「雰囲気で持っていかれたけど、それでいい!」ひみつのなっちゃん。 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5雰囲気で持っていかれたけど、それでいい!

2023年1月23日
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鑑賞方法:映画館

ドラァグクイーンたちが、師匠的存在のなっちゃんの葬儀に参加するために彼の地元に向かうというコメディ。ゲイであることをカミングアウトしていないなっちゃんのために(自分たちも含めて)ゲイであることを隠そうとする。
車でなっちゃんの地元に向かうので、いわゆるロードムービーだ。ロードムービー好きな自分としてはそれだけで楽しくなってしまう。彼氏とモメて帰ると言い出すズブ子のくだりは、当然予想できるけど好きなんだよなー。なんならもう少しトラブルが起きて、ロードムービーっぽさがもっと濃くてもよかった。
コメディとしての笑いどころはそれほど多くなくて、むしろハートウォーミングな感動モノに仕上がっていた気がする。最後の終わり方は若干分かりづらいが、それでも個人的には許容範囲だ。いろんな生きづらさを抱えながら、でもそれらを笑い飛ばす彼らの生き様を、いつの間にか応援している自分がいた。観る人を選ぶかもしれないがいい映画だった。
あと、この手の映画でのLGBTQの扱い方が変わってきているのも印象的だった。バージン姉さんが職場でカミングアウト済みだったり、岐阜の田舎町でクイーンたちの踊りに地元民が湧いたりするなんて、偏見や悪意だけではない社会になってきているってことを表現したかったんだろうな。普段、ポリコレが酷いと逆に嫌悪感が増すけど、こういう映画なら大歓迎だ!

kenshuchu