「脚本にもう少し力が欲しい」映画 イチケイのカラス Takuさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本にもう少し力が欲しい
原作漫画よりも、ドラマの方がエンターテイメント性は高い。今回の映画のストーリーは、昭和30年代以降のチッソによる水俣病問題をベースにした様に思われた。
コミカルな演出はTVドラマ同様に楽しかったが、最後の寸劇は今ひとつ。
一番残念だったのは、このドラマの華であり、肝である判決を言い渡すシーン。イチケイのカラスは判決文にこそ、入間みちおの人間性が表れ、ストーリーに骨を通していると思われるが、しかし、この映画においては判決文は殆ど省略されており、その点が不完全であり、消化不良であった。
脚本家が書き切れなかったのであろうか。甚だ残念である。
とは云え、全体を通してみれば、先ず先ず楽しめる作品に仕上がっていると言って良いであろう。
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