映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)のレビュー・感想・評価
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「ドラえもん」×「エヴァンゲリオン」のような物語で、リメイクではない新たな名作の誕生。
映画ドラえもんは「リメイク版」と「オリジナル版」が共存しながら進んでいて、イメージとしては、「安定の面白さがあるリメイク版」、「当たり外れの大きなオリジナル版」という感じでしょうか。
長編映画42作目の本作は、オリジナル版でしたが、これは「当たり」の方でした!
ネタバレになり得るためキーワードだけで書きますが、物語の根底には「エヴァンゲリオン」シリーズにおける最大のテーマである「●●●●計●」があると思います。
個人的に興味深かったのは、「シン・エヴァンゲリオン」では出していない答えを、このドラえもんの新作ではキチンと子供でも理解できるように簡略化して提示していることでした。
「コンフィデンスマンJP」「リーガルハイ」シリーズの脚本家・古沢良太の起用は成功だったように思えます。
本作は演出手法などがこれまでの映画と、また少し変わっているようなイメージでした。これは、監督がテレビアニメ「ドラえもん」の演出を数多く手がけていて長編映画は初参戦の堂山卓見、同じく小林麻衣子が劇場アニメのキャラクターデザイン・総作画監督として初参戦するなど、新たな布陣での映画となっていたことが関係しているようです。
ゲスト声優も、準主役級で登場するパーフェクトネコ型ロボットのソーニャを、声優初挑戦となる「King & Prince」の永瀬廉が担当していますが、これも自然で違和感がなく良かったです。
このように新たなチャレンジをし続けることが、飽きられず長年にわたり支持を得られる秘訣であるように感じました。
たまには童心に帰ってこんな作品を。面白い。パーフェクト人間なんてつ...
パーフェクト小学生
物語の根幹となる題材はめちゃくちゃ良い。
時間あるし見るか、くらいの気持ちが一転した。
人にはいいところも悪いところも好き嫌いもあって、「その人らしさ」になる。
友達、家族だからこそ、それを認め合うし補い合う。
完璧=幸せではないし、完璧は求めるものであって与えられるものでは無いと思う。
ただ題材の表現に力が入りすぎて、物語の奥行きが薄かったかな、、?
子どもだけでなく大人も楽しめる内容
よくある理想郷ものではあるが
ドラえもんと言う媒体に落としこんで作ったら、リアリティーの甘い部分も許される。
相変わらず劇場版になると限度を超えたチート道具は使えないようになる縛りがあるが一発で解決しちゃうとお話にならんもんね。
心を無くして言いなりに出来るライトは争わない世界を産み出せる凄い発明だが…存在がバレた時点で争いが起きそう。すぐ使わないと世界の統治を奪い合う争いの種になる。
ライトを作ったレイ博士が科学の才能はあっても、他人にバカにされた過去から世の中を変えてやろうとしたのは解らなくもない。
でも、この手合いの理想郷ネタは大抵こうなるから、目新しさはない。
操られた仲間たちが心を取り戻す姿はグッとくるが、あのライトの効力を解除できる説得力はちょっと不足している感じだった。
勿論、最近のドラえもん映画では観られる内容と思う。
今までのドラえもんの世界を肯定するようなストーリー
タイムツェッペリン
パーフェクトじゃなくていい!ありのままの君がもう、ステキ🥰
不完全を愛しましょうー
タイムトラベルをしながらユートピアに辿り着く
ただ実はそのユートピアは、洗脳によって人間を支配するカルと宗教じみたユートピアだった
という話
人間は不完全だから争いが起こる
では人間をパーフェクトな存在へ洗脳すれば平和になるのでは?
という思想
完全にカルト宗教的な話だが、パーフェクト小学生などのポップな言葉により子供ウケもしやすそうな感じになっている
最近だとディズニーのwishと似たような構造
なんならwishより丁寧に展開させていて分かりやすい
ドラえもんより明らかに有能そうな新型の猫型ロボットが心を取り戻す過程で四次元ポケットを手にするのも面白い
冒頭のお天気雨や虫が伏線になってるのも子供には嬉しいポイントそう
セリフが説教臭いのだけなんだかがっかりだが、まあドラえもん映画っていつもそんな感じだった気がする
教科書的だけど綺麗な脚本
正直ドラえもん映画はオリジナル作品だとかなりハズレが多いイメージだけど、その作品群と比べると脚本は綺麗にまとまっていて、伏線回収も子供が見る分に難しすぎず「あぁ〜!」となるかなり丁度いいラインで設定されていて完璧だと思う
脚本自体も破綻なく最後まで進んでくれるだけでも安心。
ただ、ここからは一個人の好き嫌いの範疇にはなるけど、なんというか「こういうテーマの為に映画を作ろう!」が先行し過ぎていて、その為に舞台が用意されて、その為に舞台装置であるキャラが動いて……という感覚が、どうも近年のあらゆる作品に付き纏っているように感じる
ドラえもん映画は確かに鉄人兵団、海底鬼岩城なんかや雲の王国は深いメッセージ性があるけれど、その為に作品が動いてるような感覚には陥らない。というのも、何がどうあっても"のび太の冒険"という大前提が忘れられていないからである。今回の作品においても、のび太が月型のユートピアを見つけて探す、という冒険があるけれど、ユートピアに蔓延る闇の演出の方ばかりフューチャーされる為に冒険感はかなり薄い
冒険9割、そしてその冒険のオマケ的にメッセージがちょこっと。昔のドラえもんの懐古厨がしたい訳ではなく、あらゆる作品に言いたい事だけど「物語は起承転結でね!」「なにか伝えたいテーマがあるならそれを軸に」みたいな、脚本の教科書的なものに則って作られた作品が多すぎるように感じる
テーマでは「ダメなところも含めて自分らしさ」で、それを肯定してくれるような作りになってるけど、脚本の作りはどうも前にならえ的に感じる。凄く綺麗な脚本ではあるので(最後の自爆は絶対いらんかったと思うけどな。スモールライトでゴミ袋小さくしろやって感じだったし、お涙頂戴感すごい)、ドラえもん映画を担うってなると変にコケる訳にもいかないししっかりし過ぎなくらいの脚本にせざるを得ないんだろうな、とも思う
だからこそ、テーマなんかどうでもよくて「こういうとこをのび太が冒険する画が作りたい!」とか、「こんな風に絶望的な状況に陥ったドラえもん達を描きたい」みたいな、創作側の性癖全開の作品でいいんだよ!と声を大にして言いたいわけだ。魔界大冒険なんかまさにそんな感じで、あれこそドラえもん映画の真髄だとすら思う。
コケる訳にはいかない大きな作品になり過ぎたが故のジレンマ、ということで。まぁちゃんとした作りで作画も綺麗なので、個人の趣向抜きにしたら星4はあってもいいかなと言った感じです
ここ数年では最高のドラ映画では?
新鉄人兵団で出された課題を改善
リメイク版
タイトルなし(ネタバレ)
さて、現在の世界は面白いだけで良いのだろうか?
面白い世界を維持して行く努力が必要だと思う。
科学、政治、文化芸術の三賢人がコントロールする社会が全体主義的国家であると言う考え方は間違っている。
つまり「科学、政治、文化芸術が正しい」と言う概念が命題で「真」であるわけだから、間違っているわけがない。もし、それが、このアニメの様に「偽」であるとすれば、その概念が命題でないか、最初から間違いなのである。この場合、どうやら、命題ではなかったようである。立憲君主制が崩壊した後に帝国主義に至り、独裁国家が誕生した歴史が如実にそれを表している。
大変に良い解釈だと思うが、このアニメの制作側の教条主義になり過ぎていると感じた。
さて、のび太君は三+七も分からない。暴力で社会を変えようとするのではなく、少しは努力が必要だと感じる。ここでの教条主義は昭和の匂いが強すぎる。そして、バラダイスを維持していきたい独裁者がこの地を最後に選んだのは正に今の日本社会に対するアイロニー何じゃないかなぁ?
ガキの見るアニメーションではないし、昭和の教育でも良いので、子供達にはもう少し教育を受け続けて貰いたい。勿論、自我を忘れる事なくね。
製作年 2023年
製作国 日本
劇場公開日 2023年3月3日
上映時間 107分
映倫区分 G
ユートピアの秘密
とても良かったです。
現代における社会的な問題も組み込まれていて考えらせられる、そして1番大事なものを気付かされる映画でした。
永瀬廉さんのソーニャがとても良かったです。声優初挑戦とは思えないくらいに感情がこもっていました。
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