劇場公開日 2022年8月20日

  • 予告編を見る

雲旅のレビュー・感想・評価

全5件を表示

3.5ちゃんと生きるんだ、という生き様。

2022年11月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「弟がいたから、息子がいたから続けられた。
世界一になったときに“貴方の存在があるからボクシングはやれた。だからこれは貴方の存在のおかげなのだ。”と言えるから。」

綺麗ごとは誰でも言える。この姉のすごいところは本当にそれを実行して継続してきたこと。
まさに背中を見せていた。どこかフワフワした息子も、セコンドについていたときに自然に真剣な眼差しに、そしてつい大きな声で叫ぶ。 この母ちゃんやるわ。

本人もそうだが、二番目の弟さんの説明力が素晴らしい。
「一番目の兄が電話をよくかけてきた。落ちぶれても、僕に対しては兄で居たかったんだと思う。そんな気持ちをわかっていたのに、邪険な態度で接してしまった。それを悔いる。」というくだりなど。あー、気持ちがよくわかって泣きそうになった。
二人ともこんなにも的確に分析できていて、言語化できるとは。
同時にどこか偏見があった自分に気づく。。。

映画としてはもう少しメリハリがあったほうが良かったかもしれない。
でもドキュメンタリーだからねえ。 そんな都合よくいくわけがないから、ここは仕方がないかも。

他の人のレビューにもあったが最後の歌がほんと素晴らしい。
ネット配信を探したけど見つからない。なんとかゲットしたい!

コメントする (0件)
共感した! 0件)
momokichi

5.0心に響く映画でした

2022年11月26日
スマートフォンから投稿

私自身もボクシングをしています。
始めた理由は、とても辛いことがあり、何かを始めないとダメになりそうで、がむしゃらに打ち込むイメージのボクシングを選びました。
なので、ハードで、また危険なスポーツを女性が始めるのは、どんな理由なのかな…と、とても興味があり、とても楽しみにしていた映画でした。

母として、女性として、人として、一生懸命に生きる葉月選手。
ボクシングに打ち込む思いがとても切なく感じれたり、また強さを感じたり。
勝手にですが、自分自身と相通じるところを感じる映画で、私もこれからも頑張って生きて行こう、と、あらためて思えました。
ふと、辛かったことに引っ張られてしまいそうになる瞬間があるのですが、ボクシングはそんな私を前に向かせてくれます。

心に響く、とても素敵な映画でした。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
fort.e04

5.0下本地監督の雲旅観ました

2022年10月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

6600ボルトからの今回、音楽映画と思いきや
まさかのスポーツドキュメンタリー。

しかし、淡々と描く中での
心理描写が今回もステキでした。

普通のシングルマザーが
ボクシングを通して生きていく映画

絆や自信や生き様など、様々な事を
考えさせてくれました。

そして、ちっぽけな自分でも
今日からでも変われる
と感じさせてくれる作品でした。

ありがとうございました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
バンビ

5.02022/8/20 @下北沢トリウッド

2022年8月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ドキュメンタリー映画「雲旅」

主人公であるボクサー「葉月さな」さんについては、この映画で初めて知ったのだけれど、映画を観終わったときにはもっと以前から知っていたような不思議な感じがして、それはどうしてなのかと考えていました。
1時間半の坦々とかつ途切れのない臨場感とでもいうか、彼女自身と弟さん・息子さん・お義父さん、彼らの言葉、話すスピード、声のトーン、表情、映し出される情景がこちら側に積もっていって、自分の感情が含まれていないからこそ、簡単には消えない感じ。映画>主人公>感情移入というのとは違って、私が幽体離脱して私として彼女の部屋にいてカメラのその目線で話を聞いているような、彼女の時間に少しだけ同席させてもらったような。
同時に、自分を追い込んで困難な道を進むことで存在価値を見出そうとする彼女の姿、自分自身に筋をとおしていることがすごいと思ったし、「何度やっても試合は怖い」のに「攻撃し続けるのが私らしい」と戦う姿が心にぐっさり刺さりました。
下本地監督、ありがとうございます。
今週の金曜日まで、下北沢トリウッドで上映しています。是非。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
koeda

5.0壮絶な生き様!だけど暗くも重くもなく心にズシっと刺さる

2022年8月22日
スマートフォンから投稿

『山善6600v』の下本地崇監督の新作、プロボクサー『葉月さな』さんを追ったドキュメンタリー

前半は彼女の複雑な生い立ちを敢えて説明不足な感じで描いてて「え、どーゆーこと?」「あーそうなんや」みたいに集中して引き込まれて、まんまと監督の術中にハマる

『菜月さな』さんは声も顔も可愛いくて
とてもチャーミングなんだけど、壮絶な半生を実にサラッと語る

劇中、「さなさん」の顔がどんどん変わって、なんというか締まってカッコ良くなっていくのがすごい!

監督に心開いて?少しずつ内面を晒していくところもいい。

34才までって言ってたのが、周囲の期待に応えて前に前に進んでいく姿に感動。

人は誰かのために頑張れるし、強くなれるんだ。

さなさんの弟さんも頼りにされ必要とされてると感じたら、生きる力を与えられたのかも知れない。

エンディングに流れる髙取淑子さんの歌う主題歌『雲旅』が切なくてとてもいい
作詞、作曲は下本地崇監督

監督ご自身も音楽活動されていて、独特な世界観の曲はどれも歌詞が深いんだけど、言葉を大切にされている監督の映画にはどれにも、ハッと気づきを与えてくれる『魔法の言葉』が散りばめられています。

私は常々、映画はラストシーンが9割!と思ってて
最後は結果をはっきりさせない終わり方が、またまた上手い!

彼女のその後を知りたくて、見届けたくなる、応援したくなる(好きな終わり方パターン)

とても、良い映画です。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
みきぴー