劇場公開日 2023年1月6日

「これじゃあ贋物と言われても仕方ない」嘘八百 なにわ夢の陣 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0これじゃあ贋物と言われても仕方ない

2023年9月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

詐欺師紛いの古物商と贋物陶芸家が幻の美術品を巡って騙し騙され…。
中井貴一と佐々木蔵之介の掛け合いや軽妙なコン・ゲーム的ストーリーなど前2作が思いの外面白く、気付けばもう3作目。
『寅さん』や『釣りバカ』路線の邦画の新たな人気シリーズになりつつある本作。この3作目も楽しみにしていた。

今回の幻の美術品は、“鳳凰”。
かの豊臣秀吉の出世を後押ししたとされる七つの縁起もの。“秀吉七品”。
唯一所在不明とされていた“鳳凰”と思われるものが遂に…!
それを巡って、大阪秀吉博、カリスマ波動アーティストと謎の美女、小池と野田が騙し騙されの争奪戦を繰り広げ…って書き出すと『インディ・ジョーンズ』みたい。

何だか今回やたらと鈍い声目立つが、見て納得。
一番の醍醐味。終盤『水戸黄門』的に胡散臭い大物悪徳を懲らしめる騙し騙されのコン・ゲーム要素が無いのだ。

ある日小池に何故か大阪秀吉博のプロデュースの話が。目玉は鳳凰。
今巷で人気の波動アーティスト、TAIKOH。彼の財団の右腕美女・寧々から鳳凰の贋物製作を依頼された野田。
小池は胡散臭い波動アーティストを疑うも、野田は彼の波動に妻の影響で自信も影響。コンビに分裂の危機…。
大阪秀吉博の実行委員らやTAIKOHと寧々がどんな化けの皮を剥がすのかと思いきや、博実行委員は小池を名前間違いで抜擢してしまったおバカ連中ばっか。TAIKOHはビジョン通りの鳳凰アートが描けず苦悩。
それは野田も。鳳凰のイメージが降りて来ず、作れない。
鳳凰に翻弄される緩い話がだらだらと続く。と言うか、話の意図が分かりづらい。

ファンはお馴染みの世界観や面々(よっちゃんは二代目の酒井敏也に)を見ているだけでそれなりに楽しいかもしれないが、初見の方やファンじゃない方だったら退屈かも。
新キャラの安田章大演じるカリスマ波動アーティストの存在もあまり意味ナシ。てっきり彼が強敵となってコン・ゲームが繰り広げられると思っていたから…。中村ゆりの美貌は良かったけど。
ラストは各々の鳳凰への思い(?)みたいな事が語られる。本当に騙し騙されのコン・ゲーム要素はナシ。ただの人情話になっている。
3作目にしてちと趣向を変えたかったのかもしれないが、これじゃあねぇ…。今回も定番を期待したら、贋物を見せられた様な感じ。
マンネリと言われてもいいから定番を通して欲しかった。日本人はそういうの、好きなのよ。

あるのかどうか分からないけど、定番通りの次に期待。
本当に台湾かニュージーランドで…??

近大