「カレーライスは家族の絆」消えない虹 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
カレーライスは家族の絆
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島田監督が石川県出身であり、原田眞人、成島出、篠原哲雄、深川栄洋らの作品で助監督を務めていたという経歴からして期待値マックス。しかも内容は14歳未満の者が犯罪を犯しても罪に問われないという触法少年を扱ったもの。切り口もいいし、解決に向かう展開も清々しいし、重くなる一方ではないところが良かった。
ただし、低予算製作が目に見えるほど美術には金をかけてないし、音楽もひどかった。主人公の月野木の新居だけが綺麗だったけど、他は生活臭がムンムン。これがラストで見られる虹と対照的であり、タイトルの意味もわからずに納得してしまった。さすがにB'zの同名タイトル曲はかけられないわなぁ。
被害者遺族の犯人に対する恨みは到底消えるものではない。それこそ罪を償ってないのだから死ぬまで憎い(民事上の賠償金はあると思われる)。26年間罪の意識に苛まれ、家庭も誹謗中傷の嵐に耐えられず、両親がついい自殺してしまったと告白され、恨むのを止めたクライマックスのシーンがいい。最も罪深いのは誰なんだ?といった側面も考えさせられる。似たような作品はありましたが、それが被害者遺族も同じ経験をするというトリッキーな展開で真の和解へと期待させるのです。
最も心が広かったのは月野木の婚約者だった千明なんだろうな~結婚式を延期されてもずっと待っていた姿にほっこりさせてくれた。新聞社の様子や触法についてもかなり調べてあると思われたし、礼儀知らずの報道陣といった生々しさ(グロさはない)もイジメがあった事実についても考えさせられた。鑑賞後にカツカレーを食べたのはサブリミナル効果だったのかもしれません・・・
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