「DR.コト―診療所の最終章」Dr.コトー診療所 parsifal3745さんの映画レビュー(感想・評価)
DR.コト―診療所の最終章
名作ドラマ「DR.コト―診療所」の最終章。前作から16年とか。役者さんたちも歳をとって、また声がかかって二つ返事で出演を承諾したとか。感動ドラマ系は、最近少なくなってきているのは、このような濃密な人間関係は孤島のような所でない限り、あり得なくなっているためだろう。島民とコト―との間の信頼関係が濃い故に、背負う物があまりにも大きすぎて疲弊、病魔に侵されるというのが本作のテーマか。
タケトシのケガでスタートし、タケヒロの医学部中退が絡み、コト―の妻、彩佳の妊娠に助産婦である奈美の祖母の心筋梗塞が絡む。そこに診療所の統合問題、台風来襲、コト―の急性白血病といささか詰め込み過ぎ。
確かに他の方々が触れているように、台風の時位、家で大人しくしているか、早く避難所に避難していろよって思ったし、大体、台風来襲には慣れている土地柄、あんなに怪我人が運び込まれること自体がないだろう。感動度を上げるための演出であろうが、ちょっとやり過ぎてリアル感が失われた。また、確かにコト―が倒れた時、誰も駈け寄らないのは逆に謎。
誰かが駆け寄る、コト―が気を取り戻して、服薬等で回復という普通の演出で良かった。
テレビ的な演出で、コト―が命を失うようなセリフを吐かせて布石を打っておいて、亡くなったかのように見せるのも逆に安っぽくなった。そこも、コト―は入院中でTV電話等で会話する位で良かった。コト―の姿に打たれたにせよ、判斗が診療所にいるのも良く分からん。判斗一人が配属でも十分。二人の医師を抱えるだけの余裕はないはず。統合問題はどこ行った? などなど。確かにご都合主義。ただ、最後だからこそ、主要メンバー全てが幸せになっている姿で、視聴者に満足してもらおうと思ったのだろう。コト―は入院しながら、島の今後の医療について、お見舞いしに来る人達と考えているの位の演出にしてほしかった。
それでも、後味が悪いよりは、ハッピーエンドで良かったのは確か。