「ドラマ未視聴勢です」Dr.コトー診療所 ちょろさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマ未視聴勢です
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海ちゃん目当てで鑑賞したドラマ未視聴勢です。
物語は、正解を語るためのものじゃない、ということを改めて正面から突きつけられた作品でした。誰一人正しい答えを持っておらず、導き出すこともできないまま終わる、現実の話でした。
恐らくこの映画で語りたかったことは、判斗先生が「全員救うなんて奇跡はない、これが現実だ」と涙するところまでで、それ以降は物語形式の美学的にハッピーエンドのような形にしただけなんじゃないかな、と感じました。詳しくはありませんが、離島医療の問題は現実のことである以上、明らかなファンタジー以上のハッピーエンドにしなかったのは誠実な姿勢のように思われます。
そこまで没入して見ていたキャラクター達が終盤で急にフィクションに放り出されてしまうのはドラマ未履修の私ですらちょっと引き摺るレベルの寂しさで、ドラマを観てきた人の苦しさたるや、と背筋が凍りましたが…
作品としては、この個人的な解釈のもとで、かなり綺麗に纏まっていたように感じたので☆4にさせていただきました。
都会の若者たる我々はかけがえのない存在になりたいなんて無邪気なことを考えがちですが、代わりがいるということの素晴らしさを思い知らされました。
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