「なかったことに」Dr.コトー診療所 みみずさんの映画レビュー(感想・評価)
なかったことに
この時をどれほど待ち望んだことだろう。
寅さんなき後の国民映画はこれしかないとずっと思い続けてきた。
冒頭のコトー先生が自転車に乗っているシーンだけでもう泣けてきた。
やっぱりこれだよね~。
これからは毎年、少なくとも2年に一度は製作して欲しいと胸アツだった。
だが、結局涙したのはここが最初で最後。
一体登場人物をどれだけ痛めつければ気が済むのだろう。
テレビドラマでもその兆候はあった。
だが、それがヒーロー足るべきコトー先生にまで及ぶ絶望的な状況。
さらには台風のためけが人続出で収拾がつかない状況になるに至っては、
思わず失笑してしまった。
正直言って、ひどい脚本。
加えて、コトー先生の「誰も死なせない」には怒りすら覚えた。
ここは当然研修医の言うとおりトリアージをすべきで、
思い入れのある患者に肩入れする非合理なお涙ちょうだいには嘆息した。
で、ご都合主義のハッピーエンド。
本当にひどい脚本であり、演出。
フジの凋落、ここに極まれり。
私の中のDr.コトーは16年前のTV版まで!
この映画はなかったことにしよう。
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