「課題をトリアージしない現代日本の反映」Dr.コトー診療所 テレビウォッチャーつばめさんの映画レビュー(感想・評価)
課題をトリアージしない現代日本の反映
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過去のテレビシリーズは録画保存した上で、映画公開直前に発売されたコンプリートBlu-ray BOXも購入し、何度も視聴しているドラマ「Dr.コトー診療所」ファンです。
<感想>
・過去作品の登場人物について、出演もしくはエピソード的に触れることでその後の様子がうかがい知れたのはありがたい内容です。
・完結版という位置づけで一連の作品の締めくくりになったと思います。
・作品後半の展開は、ムカつきしか残りませんが、日本社会の課題を濃縮して見せてくれているという観点で評価できます
<考察>
・クライマックスで、治療すべき患者が同時に多数発生した際、優先順位を付けず(トリアージせず)、全員助けようとして自滅する内容です。
・同じフジテレビ制作の医療ドラマでDr.コトーの後に放映されたコードブルーを通じて描かれた、厳しくも大切なトリアージと向き合う医者の姿とは真逆です。
・トリアージは治療を後回しにされる側にとっては厳しい判断であるものの、最大幸福を目指す行為であり崇高な行いです。
・諸外国と比較して過度な高齢者の延命治療や、コロナ対策など手厚すぎる保護を強行し、現役世代やこれから生まれてくる子供たちなどの次世代を担う人々に過度な負担を強いる日本社会の現実を反映した光景と重なります。
<その他>
・元漁労長の重さんが原剛利を呼ぶときにテレビ版では「たけとし」呼びだったのに映画版では「はら」呼びしていることに強烈な違和感を覚えました
・夢オチみたいなラスト
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