あつい胸さわぎのレビュー・感想・評価
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バージンの胸
4才の時に父を亡くした千夏(吉田 美月喜)は母の昭子(常盤 貴子)と2人で漁村の街で慎ましく暮らしていて、小説家を目指し念願の芸大に入学していた。大学の授業で出された、初恋の思い出、の課題について考えてた千夏には、中学の時の初恋の相手に言われた一言が、胸にしこりのように残っていた。だが、その初恋の相手である光輝(奥平 大兼)と大学で再会した千夏は、再び自分の胸のときめきを感じ、その想いを小説に書くことにした。
一方、母の昭子も、職場に係長として赴任してきた木村(三浦 誠己)の寒いオヤジギャグを飛ばすなど不器用だけど真面目な人柄に興味を惹かれ10数年ぶりのトキメキを同僚の透子(前田 敦子)に見透かされからかわれていた。
そんなある日、昭子は千夏の部屋で乳がん検診の再検査の通知を見つけ、再検査を受けると・・・という話。
千夏の初恋の苦い思い出と乳がんの胸のしこりをかけた話で、吉田美月喜の目力が印象に残った。
男性経験もなく一度も男性に胸を触られた事のないバージンで乳房が無くなったとしたら女性は自暴自棄になるのかも、とも思った。
今後どうなるか、ご想像にお任せします、という終わり方も、この作品には合ってたように思った。
常盤貴子と前田敦子の掛け合いが面白く、2人の演技力が光ってた。
常盤貴子は言うまでもないが、前田敦子は昔はイモ芝居でどうにも見てられなかったが、アイドル路線から離れ、また離婚してから女優として一皮剥けた感じがする。汚れ役でも何でもやってやろうとする姿勢は大したもんだと感じた。
サーカスにはワクワクします
主人公が焦りから関係を急ごうとするのかと思っていたが、違った。
全体的にじっくり関係性を描いており、しかし行間を読ませる脚本の塩梅もあり、しつこくない。
そんな都合よく通りかかるか、というフィクションのお約束はあれど、リアリズムもしっかりしています。
命の危険より恋愛に対する絶望が前に出るあたりも、年齢や経験を考えると、より切実だった。
常盤貴子は久しぶりに観たが、カラッとしつつも娘を想い、悩む姿を好演。
前田敦子は、近年でも一味違った役どころながら安定のバイプレーヤーぶり。
ター坊役の方も作品に素晴らしいアクセントと清涼感を与えてくれていました。
主演の吉田美月喜も「いそう」な雰囲気出しが絶妙。
闘病ものでもなく、安易に解決や結論を出したりもしない。
ただ主人公が、病気と、恋愛と、母と、そして自分に、前を向いて真っ直ぐ向き合えるようになるお話。
個人的にはとても好きな描き方でした。
人生に関わる問題は、結局は本人が結論を出すしかない。
ただ、出来るだけ情報を集め、助言し、何より沢山話すことが、真摯に向き合うってことなんだろうなぁ。
一筋縄でいかない展開に胸が熱くなり、ラストは泣き笑い
「重そうなテーマ、絶対に泣くやつ…」と思って、見るか迷ったが、評判が良いので鑑賞。
娘を持つ身としては、どうしても娘と重ねて見てしまい、涙が止まらなかった。
“胸を触られることってどんなこと?”って話すほど、彼氏もいたことがない千夏に突きつけられた若年性乳がんという不条理な現実。
初恋の“胸騒ぎ”
母と娘
女
三角関係
恋と乳房
90分の中に色んなテーマが織り込まれ、和歌山と港町を舞台に物語が綴られる。
ラストは、ターボーにやられたな。
好きな人に胸はいるか、いらないか?
比喩をたくさん使った表現が素敵だった。
舐めてた。
若い女性が主人公の闘病ものと思っていた。
最後のたー坊の台詞は、この映画を観に行ったすべての人がガツンと喰らったんじゃないかな。
お見事。
ちょっと笑ったけど泣いちゃった。
主人公の心情が、おじさんにも理解できるような完成度の高い脚本、演出、演技。
常盤貴子と吉田美月喜、前田敦子の掛け合いが楽しい、悲しい、愛おしい。
前田敦子もそうだけど、奥平大兼はしっかり作品選んでるんだろうなぁ。地味ながら良い作品で経験積んで、いつかパァっと跳ねるだろうな。
女の人が倒れた時にAEDって使いづらいよなって前から思ってましたが、やっぱり使えませんよね。
主人公の母娘のこれからをずっと観てみたい、応援したい、そういう気持ちになれるとてもとても良い作品でした。
エンドロールに流れる歌も良かったです。
舐めんなよ。
渇望する邦画愛を満たしてくれる良作。
ほろ苦くくすぐったい恋心は歳に関係なく訪れる。
破れてもいい。 愛する人 愛せる人がいる幸せ。
重いテーマと思いきや和歌山弁が和ませる。
さて明日も頑張るかな。
最近の前田敦子が脇に回った作品にハズレなし。
ラストは日本映画史に残る名台詞かもね。
女性にとっての乳房の持つ意味とは
ガンを告知されると言うのは、どんなガンであれ本人にとってショックであろうが乳ガンは女性、しかもこれから恋愛をするであろう若い女性にとって計り知れない辛さ悔しさ悲しさ、まだ見ぬ先への絶望感は男性でも容易に想像できます。
それでも生きて幸せになって欲しいと思う親心、二時間のなかにはセクハラ疑惑、発達障害の我が子に悩む親、何より恋愛は素敵なものだと描かれてるのは救われる。
個人的にはラストシーンがすごく良かった。思わず声を出して笑ってしまったがじんわりと涙が溢れそうに。
若い女性、男性問わずみんなに観てもらいたい映画でした。
原作舞台への、愛が伝わる映画でした!
初演・再演を観ている演劇ファンですが、その高いハードルをぶっちぎられました。好きな作品の映像化に、不安もあったのですが、本当に感動しました。
原作から足した所も引いた所も、テーマを映像として再構築するために、よくよく練ったものだと感じました。風景やカメラワークに語らせる部分には、目を奪われました。演劇には、ロングショットもクローズアップもありませんから。
原作の再演を観た時も、ほぼ同じ役者で同じ内容なのに、すごく違っていて、まるで万華鏡のようだな~と思いました。それが映画では、全員別の役者さんだし、工場やサーカスなどの視覚情報も多いしで、今までのイメージがさらに豊かにふくらみました!
一人でもたくさんの方に観てもらいたくて、SNSをやったことない人間が、初めて映画レビューを書きました。もし、誰かの背中を押せたなら、うれしいです。
最後に、原作ファンの一人として、この映画にかかわって下さった、すべての方に、心から感謝します。ありがとうございました。
この映画の中に最低な人間が1人いる
千夏(吉田美月喜)と母の昭子を中心にして、「胸」をテーマにして描いた物語です。
メインは乳がんの告知を受ける話なんですが、前振りが長く少しイライラします。
そして、この映画の中に最低な人間が1人います。観た人は分かると思います。ビンタした人です。
千夏には、案外、最後に出てくる人物と相性が合うのかなと思い、この部分は心に響きました。
5人ぐらいの観賞でしたが、観客は映画にあまり関心がない様子で、スマホいじりに夢中のようでした。後ろの人は私の座席を蹴っているようで、何度も退場しています。
テーマやラストが素晴らしいだけに本当に惜しい作品でした。
オチは好きだけど
2023年劇場鑑賞21本目。
乳がんをテーマにした舞台の映画化という情報だけで鑑賞。あっ前田敦子また出てる・・・。今年まだ一ヶ月でもう3本目だよ!
乳がんがテーマとはいえ闘病記という感じではなく、どちらかというと一方通行の愛を描いた感じですか。ちょっと自分には退屈でした。
ノーマークだったのに大絶賛
夕刊に本作を観た記者の記事をみて鑑賞 扱っているテーマは厳しく辛いものなのに、なんともあたたかな余韻と、親の年代として子どもの幸せを願う思いに、胸がいっぱいになりました
母一人娘一人、懸命に育て上げててきた重さは感じるものの、常盤貴子の関西弁や、前田敦子などの同僚とのやり取りは、親子の明るい日常が描かれていく 未婚の若い女性にとっての乳がんを描きますが、淡い恋心の真っただ中にある主人公の心の揺れ、そして彼女を見守る周囲の人々の不器用な優しさ 人と人のつながり、優しさを信じたくなる作品でした
本作は和歌山市の海岸でロケがされていますが、その和歌山の劇場で観たので、高年齢のたくさんの観客は見覚えのあるロケ地が映し出されると、盛り上がっての鑑賞でした 地元が映る作品って、ワクワクするものです
会社の上司役の三浦誠己さんは地元出身、また印象的だった たぁ坊演じる佐藤緋美さん、この2人は「ケイコ目を澄ませて」でも全く違う印象の大切な役どころでありました
また前田敦子さん、「さよなら歌舞伎町」の頃はアイドルの余韻が色濃かったのが、このところ脇であっても、いい役をされていることが嬉しくなります (1月29日 イオンシネマ和歌山 にて鑑賞)
リアリティ溢れる熱く愛すべき登場人物達が織りなす素敵な物語
タイトルの通り、それぞれの登場人物が抱えている周りの人々に対する熱い想いや、相手を大事に思うからこその衝突や葛藤。
そして、胸という形あるもの女性にとって大事なものを失ってしまうことへの主人公と、周囲の人々の葛藤。
そのそれぞれが不器用ながらも熱い想いが折り重なっていく、共感し、思わず感情移入してしまうリアリティ溢れる感情描写は、本当に素敵でした。
監督の演出の妙なのでしょうか、時にコミカルで人間味溢れる人物描写は、難しいテーマであっても飽きさせないですし、本当に良い映画でした。
【若き女性にとっての第二次性徴期の身体の発達の悩みを、母娘関係や初期乳癌問題を絡めて描いた作品。常盤貴子さんの魅力は勿論の事、前田敦子さんの屹立した存在感は偉大であると思った作品でもある。】
<感想>
・映画初出演という、千夏を演じた初見の吉田美月喜さんと、お母さんの昭子を演じた常盤貴子さんとの母娘関係が面白く。
- 部屋を片付けない娘と、ズカズカと娘の部屋に入って勝手に掃除をする母。
二人の会話も前半は何だか可笑しい。
だが、後半になって千夏の初期乳癌が見つかった時の母の方が落ち込む姿。
私は男なので、この辺りの微妙な気持ちの感覚が巧く掴めなかったが(掴めたら逆に怖い・・。)、女性にとって乳房というのは微妙な存在なのかな・・、などと思いながら鑑賞。-
・昭子の勤め先の同僚、トーコを演じた前田敦子さんの存在感が凄い。千夏が密かに恋するコーキと大人の関係になるが、アッサリ捨てちゃったり、かといって嫌な女性ではなく、飄々とした大人の女性を見事に演じている。
- 近年、多数の映画に出演されているが、女優としての存在感がドンドン増している気がする。-
・常盤貴子さんが、不器用な木村係長に、”そういうとこやで!”とイロイロと突っ込みつつ、木村の純朴な性格に惹かれて行くも、撃沈するシーンなどはクスリと笑える。
- ”常盤貴子さんを袖にするなんざあ、いい度胸してるじゃねえか!”等と脳内で突っ込みつつ、木村係長が前職で謂れなきセクハラで自ら退社した件を聞くと、”良い奴じゃないか!木村さん!”とコロリと変わる私の心。ー
(スイマセン。私、常盤貴子さんは”京都人の密かな愉しみ”以来のファンなのです・・。)
■昭子が千夏を背後から抱きしめ、胸を揉むシーンも母娘関係の繋がりを端的に表しているようで良かったな。
・個人的には、精薄君のター坊(佐藤緋美)の存在が今作に、インパクトを与えていたと思う。
ー 彼が、千夏に渡した”好きな女に・・”の絵はクスリと笑ったなあ。-
<今作は、母娘関係の娘が成長する過程での変遷に娘の乳癌問題や、明るい母のそれに対する悩みや仄かな恋の絡ませ方が良かったと思った作品である。
更に言えば、母の仕事仲間のトーコを演じた前田敦子さんの屹立した存在感は、もはやベテランとも言える領域に入ったかのように感じた作品でもある。>
踊り、高鳴り、騒ぐ
いやぁ、すごくいい映画だった!!!
前情報一切無しでの鑑賞だったのですが、笑いあり感動あり考えさせられることありの傑作でした。これまた前田敦子が出演している「そばかす」と少し似た雰囲気を感じました。あっちゃんスゴッ。
主演の吉田美月喜、どうやら「鬼ガール!」に出演していたみたいだけど、あまり覚えていない...。ほぼお初にお目にかかりますだったのですが、度肝を抜かされるほどの演技でした。安定感抜群だし、感情の揺さぶりを目で表現するのが超上手かったし、この役に彼女を起用したマツムラ監督、ありがとう!!と叫ばずにはいれません。すごい女優を発見してしまいました。吉田美月喜にしか出せない味。替えのきかない役どころ。彼女の活躍に期待が高ま...胸が高まるばかりです。。。
世界観が愛おしい作品。監督もまた、今後大活躍しそうな予感がします。キャラクターが全員すごく魅力的で、各々が抱える「胸の苦しみ」について非常に丁寧に描けている、本作。それが、昨年公開された三浦透子主演の「そばかす」を思い出させます。1つのテーマに沿いながら、個性豊かな登場人物を上手く活用し、映画を希望あるものに終結させる。なんて美しい作りなんだ。
吉田美月喜と常盤貴子の関西弁トーク。
これが、たまらなく笑えて、たまらなくホッコリします。2人とも関西弁上手いなぁ。親子にしか見えない笑 この何の気も張っていない、笑いいっぱいの日常が後半になるといいアクセントとなり、より涙を誘います。この前半と後半の対比もまた秀逸。《胸》でここまで話を面白く、膨らませれるのに本当に感心する。
胸は踊り、高鳴り、騒ぐ。
嬉しい時だって、悲しい時だって、胸は動く。
そんな胸が無くなったら?悪い奴に侵略されそうになったら?期待で胸がいっぱいな大学生活が、不安で胸いっぱいになってしまう主人公は、どんな選択をするのか。ずっと応援していたい。がんばれーー!がんばれーー!がんばれーー!
音楽がダサい...ってことを除けばほぼ満点の秀作でした。期待していなかったのに、超面白かった。この時が映画好きにとって1番嬉しい瞬間です。映画は制作費を多くかけたかどうかではない。決して大ヒットを遂げなくとも、私はこの映画を愛します。そして、周りにオススメしまくります。多分、見てくれないだろうけど、多くの人に送りたい作品でした。ありがとう!
あつい想いに胸膨らませて。
年齢的に親目線で観る映画だった。いちいち木村に呼応していた自分がいる。
当然、十代後半の女の子に対して人は胸だけを見て好きになるわけではないとか、胸がなくても君の価値は変わらないとか、あの場面では絶対に言ってはいけないのだろう。だが、酸いも甘いも嚙み分けた年代の人間の発想はそうなる。
それは結局は正しいのだが、十代後半の少女が理解できるはずもない。自分とて、長い人生を経てかみ砕くように体にしみこませて腹に落とし理解してきたことなのだから。それは理屈ではないのだ。
ズワイガニを食べながら発した木村の言葉は当然理解できるが、千夏がうけとめるにはまだまだ時間を要する。
初々しい主人公と脇を固める熟練俳優たち、安心して観ていられた。ちなみに知的障害のあるキャラクターを作品のかなめとするのが最近多い気がする。同じ日に観たイニシェリン島の精霊も同様だった。
そういうとこやで
乳癌の要再検査の通知を受けた娘とそれをみつけた過干渉気味の母子家庭の母親の話。
若年性の癌一辺倒ではなく、元々おっぱいから始まるストレスを抱えた娘の恋模様、そして職場にやって来た滑り倒し係長と関西弁おかんの恋模様等々も交えながらみせていく。
単純な恋愛映画は得意じゃないけれど、男と付き合ったことがない娘が、乳癌という問題を交えた状態で向き合う話しなのでかなり重いし、たーぼーは良い味出してるし、何も言えねぇーな状態の筈でも頼りになる透子等々、厳しい話しを明るく楽しくみせてくれる。
尺も93分で遊びはあるけれど無駄はなくスッキリでとても良かった。
どうでも良いけれど個人的にはタラバとかのヤドカリ系の方が好みです。でもそっちだと身離れ良いからダメかw
とてもほんわか母娘愛に涙
基本的にはよくある母娘の家族愛ですが、乳がんというテーマで刺さります。
何ヶ所か、嗚咽までは言いませんが、泣けました。
優しい言葉より、やっぱりぶつかって喧嘩して出る言葉は本物ですね。
乳がんというテーマですが、暗くない、劇場でも笑いが起きてました。けど軽くない。
まさに笑い泣きですね。
常盤貴子はもちろんですが、前田敦子もいい味出てきました。何より、よしだみつきさんが初々しいしくて良かったです。他の作品も見てみたい。
エンドロールみると和歌山の全面協力というか、地域密着型の映画というところも良かったです。
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