劇場公開日 2023年2月10日

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「かなりの見ごたえ」呪呪呪 死者をあやつるもの R41さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5かなりの見ごたえ

2024年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

前作があるようで、これはその続編らしい。
作品の中に登場する韓国語の意味がわかりにくいのが難点。
ホウボウ師とかジェチャウとか… 日本語の造語にしてくれた方がよかった。
しかしながら、プロットはいい出来で、見るものを飽きさせない。
日本のアニメを韓国が実写化したのかと思ったが、どうやらオリジナルのようだ。
100人のゾンビが全速力で追いかけるシーンや、ゾンビがタクシーを強奪してターゲットを執拗に追いかけるシーンは本当に見事で、恐ろしさを通り越して笑ってしまうほどだ。
あの執拗さはピラニアをも上回っている。
そして目的を果たすとゾンビたちは土に還っていくという設定はなかなか面白い。
そのシーンをテレビ局が多数カメラを回しているが、現実的にそれは恐怖以外感じないだろう。つまり即謝罪で「終了」だ.
あれを見てしまえば、主人公のキム記者も夜中に研究所跡地になど出掛けるはずはない。
ターゲットが自分ではないというのが大前提になっていて、すべき行動を起こしていくのは、不可能に思えてならない。
このように異形世界を描く作品は、妙な専門家のような人物が登場するが、彼が正しいことを言っているのかどうかなどわかるはずはない。
UFOをもし見たら、矢追健一さんやムーの編集長に聞くだろうか?
この変な定石はもう卒業すべきなのかもしれない。
また、最初の殺人事件で警察は、「犯人は3か月前に死んだ人」と発表しているが、どう考えても「事件現場に2体の死体があった」となるはずだ。
ここから物語が急発進し始めるが、そこは「ちょっと待って」と言いたい。
主人公がいる組織「都市探偵」の設定は「ムー」に似ているが、そう置き換えて想像すれば相当ハチャメチャになってしまう。
しかし、
死者からのメッセージは明確でわかりやすく、そこに登場するスンイル製薬は韓国社会を投影しているのがよく分かる。
悪しきもの=財閥系企業 そして彼らがすべての「ターゲット」なのだ。
この映画が2023年ということは、韓国はいまだこの概念を根強く持っていることが伺える。
本編が終わってすぐに娘常務と主人公が対峙するが、「証拠は揃ったのでお前を逮捕できる」ことを示唆しているほど徹底していて、そこに妥協はない。
そしてエンドロールの最後にあったのは、最初の犠牲者だろうか? 名前の記憶がないのが残念だった。
薄々わかってはいたものの、ジェシーが大どんでん返しだった。
彼女は目的を果たす前にソジンによって呪縛が解けて土になってしまうが、彼女の流した涙のシーンはぐっと心が熱くなった。
ソジンがドゥクン(呪者?) の中に潜入した時、彼が「心の中の鬼に執着するのではなく、愛するものに焦点を当てろ」という言葉を遣ったのはよかった。
人を呪うことは、自部自身への怒りであるというようなセリフがあったが、そこもまた真理だ。
見事なプロットや仕掛け、伏線、そして新しい形のゾンビ。そして明確な主張と真理の言葉。映画としては最高だが、日本人の私の勝手な見方だが、少し俯瞰して考えると、この作品は韓国社会の闇を巨大財閥の所為にしている自分たちへ向けた警告なのかもしれないし、ブーメランだったのかもしれない。その両方考えられる作品に仕上がっているということをわかっていますか?と尋ねてみたい。

R41