「予想しなかった展開に魅了されました」エスター ファースト・キル 悶さんの映画レビュー(感想・評価)
予想しなかった展開に魅了されました
※このレビューでは、本作品自体のネタバレはしていませんが、前作「エスター」については、本作品の感想を述べる上で、ネタバレせざるを得ません。
そのことを前提に、本レビューをお読みください。
【鑑賞のきっかけ】
あの衝撃作「エスター」。鑑賞前に大きな期待をしていなかっただけに、その衝撃度は、超弩級でした。
その続編である本作品。
前作の制作が2009年なので、もう10年以上経っているのですね。
動画配信で、鑑賞してみました。
【率直な感想】
<同じ女優さんが演じていることに驚き>
エスターを演じる、イザベル・ファーマンは、1997年生まれとのこと。
本作品は、前作の前日譚という設定。
2009年当時、彼女は、10歳くらいなので、少女としてそのまま演技できたと思います。
でも、今や20代の女性。
劇中のエスターと違い、普通に成長しているだろうから、どうやって少女に見せるのだろう。
そう思いながらの鑑賞でした。
後から、メイキング映像を観たら、CGに頼らず、昔ながらの技法で、身長を低く見せていることが分かりました。
鑑賞中は、しっかりと、エスターは、「少女」にしか見えませんでした。
<どのように展開させるのか>
今回は、リーナ(エスターの本名)が、エストニアの療養所から脱走し、自分によく似たエスターという少女が行方不明になっているというアメリカに住む一家をターゲットにする。奇跡的に戻ってきた娘の姿を喜ぶ一家だったが…。
彼女のことだから、当然暴力的なシーンは出てくるはず。
でも、一家を次々に殺害するお話だと、何ら意外性はなく、続編の意味がないな。
と、思いながら鑑賞していると…。
中盤までは、何となく観客が想像できるような展開なのですが、中盤以降、「そうきたか」と思わせる意外な展開に。
本作品は、前作の前日譚なのですが、ラストに辿り着いた時。
きちんと、前作「エスター」に物語は繋がっていました。
【全体評価】
衝撃度という点では、前作を上回るものはありませんが、物語展開を工夫することで、エスターの正体が分かっていても、十分面白い作品に仕上げることができるのだな、と感心してしまう作品でした。