「普通でありたい」エスター ファースト・キル 加田瀬恋さんの映画レビュー(感想・評価)
普通でありたい
前提:本作鑑賞後に、前作を鑑賞
本作では、前作で明かされたエスターの謎を起点に、エスターの過去が掘り下げられる。そのため、本作の肝はエスターの謎や恐ろしさを描くことではなく、エスターに寄り添って描写することである。
前作では、物語の終盤に謎が明かされたことで、幼くも完璧に見えていたエスターが実は…という形でエスターの行動の意味付けがなされている。その意味付けを前提に、より詳細にエスターを描写したのが本作である。
それは「普通でありたい」という思いである。エスターは普通の女性と同じように恋をし、愛されることを望んでいる。しかしそれが困難である上、不満を発散させる方法が特殊であるため、崩壊するまで一家に寄生することでしか生きることができない。
エスターが幸せになる日は来るのだろうか。
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