「タイトルなし」エスター ファースト・キル globeさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
詳しくは分からないのですが、今回の撮影手法、技法が凄い!成人を迎えているイザベラファーマンが全く違和感なく子供として見られるのは驚異的。
中身は中盤くらいまでのエスターの正体がバレたけど利害の一致によってその場を乗り切るまでは良かった。しかしそれ以降は下り坂。ただのサイコパス同士の殴り合い。エスターってそんなだっけ?アレンを、セラピーの先生など如何に周りを狡猾に騙すか、そしてあの母子を如何にして出し抜きアレンを手に入れるかを期待してたのにあっさりと皆死んでサクっと生き残って終了。もっと得体の知れない、狡猾で精神的に追い詰めていく恐怖、これがエスターの良さだっただけにただの殴り合いで終わらせてしまった本作は残念でならない。そもそも、今回出てくるキャラクターが皆薄い!バックボーンをサラっとしか描いていないため誰にも感情移入出来なかった。1では登場人物全てが細かく描かれていて、あの尺の中でよくぞここまで無駄無く綺麗に描けたなと思わせてくれたのに今回はお粗末すぎて...。もっと本当のエスターを殺してしまった、そしてその事実をアレンや世間に隠した経緯など登場人物1人1人をもっと細かく描くべきだったと思う。そして、そこに付け入るエスター(イザベラ)こそが「エスター」なんじゃないかと。というか、当初エスターは金品を盗むのが目的だったという設定が何とも...。誰にも愛されない女の執着こそがエスターの動機であったのに、そんな陳腐な設定だったのかよと興醒め。
絵を描くことが好きなエスターだったけど、前回は恐怖や不気味さを演じてくれていたが、今回は絵に特に意味はなく、ブラックライトの経緯が軽く知れる程度で特に恐怖へと繋がるものではなかったのも残念。
それから内容とは別ですが、日本の広報のやる気の無さにはガッカリ。全然 宣伝してないせいか劇場はガラガラ。そして850円もするパンフレットの中身がモノクロ(厳密には青と赤)って(笑)まさか1ページもカラーが無いとは思わなかった。演出ならともかく明らかに金かけてませんというのが分かるのが痛い(パンフレットの内容は別)。前回もろくに宣伝もせず、結果 ユーザーの口コミに寄って人気が出た作品だったのに学ばないなほんと。
逆にこの内容だったから経費削減したというなら敏腕広報かも(笑)