「【”オルブライト家の崩壊・・。”序盤のエスターを名乗る前のリーナのサイコパスの姿にゾッとし、後半の展開には”ウワワ・・、”となった作品。怖いけれど、面白い。面白いけれど、怖い作品である。】」エスター ファースト・キル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”オルブライト家の崩壊・・。”序盤のエスターを名乗る前のリーナのサイコパスの姿にゾッとし、後半の展開には”ウワワ・・、”となった作品。怖いけれど、面白い。面白いけれど、怖い作品である。】
ー 冒頭のリーナ(イザベル・ファーマン!!!)が幽閉されているエストニアの施設に舞い落ちる雪や、霧が重い雰囲気を醸し出している。
リーナはその施設でも、最も危険な人物とされており、施設にやって来た介護士の女性を介在させ、施設の入居者や施設員をコントロールして施設を脱出。
介護士の女性が、施設を逃げ出すもリーナはいつの間にか、彼女の車の中に居て、家に入ったところで”早く死んでよ‥”と言いながら撲殺する。
この時点で、前作のレベルを維持していることが分かるのである。-
・そして、いつの間にやらリーナはアメリカに来ていて、ネットで検索した自分に似た失踪少女エスターに成りすまし、オルブライト家にやって来る。
ー ”喜ぶ”オルブライト家の母トリシア(ジュリア・スタイルズ)と兄ガナー。そして一番エスターが居なくなり気を落としていた父アレン(ロッシフ・サザーランド)の喜びようと言ったら・・。
キチンと見ていると、その喜び方に温度差がある事に気付くであろう。移動の飛行機の中で”お祖母さんに会いたい”と既に他界している祖母の事を口にしたエスターを見るトリシアの冷徹な表情。
そして、エスターも自分のミスを許せずに、飛行機のトイレの中で、小瓶の酒を一気に飲みながら自分自身に悪態をつくのである。-
・エスターは心理療法士のアセスを受けるが、細かい所で記憶のミスを犯す。
ー その様子を不審げに見る、心理療法士と、エスターの捜索をしていたドーナン刑事。ー
・ドーナン刑事が、エスターの部屋に有ったレコードを捜査品として持ち帰り、指紋認証を一杯飲みながらするシーン。
ー ウワワ、そんなところにペティナイフを置いたら駄目だって!!。ドーナン刑事がライムを切った後に、まな板に突き立てたペティナイフが次のシーンでは無くなっている・・。そして、指紋認証不適合と出た後の惨劇・・。ー
■だが、サイコパスはエスターだけではなかった。オルブライト家の母トリシアと兄ガナーが、アレンの隠していた事。
それは、ガナーが本当のエスターを殺していた事である。
ー トリシアが普通の母親ではない事が良く分かる。ー
・ここからの、エスターに対するトリシアの行為、言動が怖すぎる。
毒入りの夕食を作ったり、エスターに対して”アンタが来てから、アレンが元気になって・・。今からファックしてくるわ!”等と、宣ったり。
ガナーも同様である。
<そして、エスターVSトリシア&ガナーの殺し合いが始まるのである。父アレンだけは真実を知らず・・。
火に包まれたオルブライト家の屋上のシーンは実にシニカルである。
屋根から落ちそうになっている、エスターとトリシア。アレンはエスターの手を取りトリシアは落下するが、アレンがエスターの顔を両手で触った時に出たエスターの年齢を隠すための入歯。
驚愕するアレンをエスターは突き落とし、アレンはトリシアの隣に落下し、死亡。
正に”オルブライト家の崩壊”である。>
■イザベル・ファーマンは前作はほぼエスターと同年齢で有ったが、今作時は25歳である。これは、ラジオで聞いたので真偽の程は分からないが、後ろ姿などは似た体型の子供を使い、その他のシーンは共演者が高靴を履いてカメラトリックを効果的に使って撮影したそうである。