「【韓国の”優良化学企業”が起こした”安全より利益を追求した”ことにより起きた”大量殺人”を描く。愚かしき企業に賄賂を貰い私腹を肥やす輩や、責任逃れする役人の姿には、心底立腹した作品である。】」空気殺人 TOXIC NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【韓国の”優良化学企業”が起こした”安全より利益を追求した”ことにより起きた”大量殺人”を描く。愚かしき企業に賄賂を貰い私腹を肥やす輩や、責任逃れする役人の姿には、心底立腹した作品である。】
ー 実際に2001年に韓国で発覚した事件が、題材である。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・テフン(キム・サンギョン)の子、ミヌは突然意識を失い、病院へ。
病名は肺が固くなり”急性間質性肺炎”。
と同時に、母ギルジュも同じ病で突然死する。
テフンが火葬前に、解剖で妻の肺を取り出すと、固くなった肺が出てくる。
ー 実際に韓国で有った事件なので、とても怖い・・。
が、ミステリー要素や法廷シーンもふんだんに盛り込まれた作品であり、グイグイと引き込まれる。
又、テフンがミヌのドナー提供を持ちかけられるシーンの扱い方も巧い。
今作は、二転三転する法廷劇でもある。-
・テフンと義理の妹ヨンジュ(イ・ソンビン)の調査の結果判明した事。
それは、韓国”優良化学企業”オーツーが販売して来た加湿器用の除菌剤であった。
ー 春に発症する人が8割。被害者は、小さな子供と母親という理由が良く分かる。-
■オーツーの韓国支店長が、ソ・ウシクグループ長(ユン・ギョンホ)に言った言葉。
”俺の国籍はイギリスだから、韓国民がどうなろうと、知った事か!”
だが、ソ・ウシクの妻と子も、病気に侵されていた・・。
ソ・ウシクの表面上は、オーツーの韓国支店のトップの椅子を提示され、隠蔽工作に加担しながら、土壇場で自らが獄に繋がれることが分かっていながら、真実を暴露する姿。
<一番恐ろしいのは、劇中「韓国の水俣病」と言われたように、民事訴訟であるので、被害の全貌が明らかになり、保証金が支払われるまでに時間がかかる事である。その間にも肺を侵された人たちは死んでいくのである。
韓国映画界は民主化が進んだ結果、自国で起こった事件、事故を積極的に映画化している。
今作も又、社会的メッセージを込めた作品なのである。>