劇場公開日 2023年1月27日

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「最高純度のやさしさに包まれて」金の国 水の国 るいまーるさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0最高純度のやさしさに包まれて

2022年12月15日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

興奮

幸せ

とても光栄なことに映画.comさんのご招待でジャパンプレミアへ。

金の国、水の国。タイトルで分かれているくらいそれは対極で。でも完璧なんかないのだと。資源も、国交も、恋も。互いに補い合って。そんな姿が愛おしくて、あたたかくて。これが理想だけど…。上手くいかないのが人生、国交であり。

サーラとナランバヤルの運命的な出逢い、掛け違い。行動を共にするほど、愛を育むほど互いが歩んできた国の文化、しきたり、作法が。そして、貧富の差が。だけど2人には何か共通点が、ほっこりさが。不思議とピースが合わさる雰囲気に包まれていきました。

両国の水、富の差は明らかで。助け合うべきで。単純で。でも私たちの世界と同じようにやっぱりみんな不器用で。一歩踏み出せなくて。その中で国の未来を変えたいと想う同志はどこかにいて。今を生きるヒントがたくさん詰まってるなぁとつくづく思いました。

初めは2人だけの小さな嘘で。そこから見えてくる未来はいかに。感動的で、時に苦しくて。レオポルディーネのちょっぴり意地悪で見守るその愛に。サラディーンの愛人としての振る舞いとは反面に葛藤や熱い想い。ラスタバン3世の父として、王としての在り方。

ピリパッパの策略とは。難しいお国事情もあります。でもそれ以上に垣間見えてくる最高純度のやさしさ に。時に心の底で眠っているそのやさしさに。ふと涙が出てきました。初めは複雑だと思っていたストーリー、その関係性が縦と横で紡がれたとき。

驚きの結末と感動が待っていました。この言葉が1番相応しいと思いました。そして、サーラとナランバヤルの恋模様。国を越えた真の愛がそこに。最高の風景、物語、声、音楽…。劇場でこの作品に没入する意味。大いにあると思います。ハンカチ多め、大きめでぜひ!

るいまーる