「躍動×覚醒」兵馬俑の城 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
躍動×覚醒
中国アニメーションの進化が凄いことは今年の「ライオン少年」でも体感しましたが、今作はそれを上回る圧倒的なアクションを大画面で体験できました。CGアニメの本場のアメリカのアニメ映画たちにも勝るとも劣らないハイクオリティなものでした。
物語は王道なもので、平民から軍の1人になるために行動している青年が妖獣を倒す途中で、強い女剣士や珍獣に出会う中で仲を深めていくが、その裏では将軍が何やら企んでいて…といった感じです。
アニメーションのヌルヌル具合が本当に素晴らしいです。チャンバラの素早い動きはこれでもかと動き回っていて、切れ味の鋭さや破壊力なんかもヒシヒシと伝わってきました。キャラクターの表情も結構豊かですし、妖獣たちも空を地を水を駆け回っていてとても見応えがありました。
妖獣たちのデザインも可愛らしいものからイカついものまでバリエーション豊富で、ワームとかB級映画の主役になりかねないヤツが途中のボス格として出てくるので、激しいバトルが楽しめました。
モンユエンと将軍がそれぞれ最終形態になって激突するシーンはジャンプ映画を観ているかのような胸熱さを感じることができました。フルパワーvsフルパワーの容赦のないバトル、ゲーム映像をさらに発展させたようなボリュームでお届けされて脳汁ドバドバでした。
「ライオン少年」で気になったキャラデザも今作ではオーソドックスなものになっていてスッと飲み込めました。シーユイのデザインはとても美しく、このキャラデザは日本人受けするだろうなーと思って見惚れていました。
楽曲も聞き心地の良いものが多く、映像の美しさも相まって、MVを見ているかのようでした。ミスマッチなものが全くなく、選曲のセンスも最高だなと思いました。
従来の人間の体の作りだと、思いっきり顔を踏み潰されたり、腕をちぎられたりだと血がドバドバ出るもんだと思うんですが、そこんとこの配慮があったのか、今作ではブロックのように崩れてしまうという感じになっています。フィクションなのでグロ対策でこういう手法が取られたのかなと思いますが、これはこれで悍ましい演出になっているなと思った次第です。
吹替も磐石の体制で作られているので違和感が全くなく、物語の面白さを加速させてくれているようでした。ここ数年で中国アニメに吹替が付く事が多くなっているので、アニメ好きとしては本当に嬉しい限りです。
続編が確定してる感じの終わり方で、どんな風に世界観を広げていくんだろうなと今からワクワクしています。圧倒的クオリティの今作を超える次回作をお待ちしています。
鑑賞日 6/26
鑑賞時間 11:25〜13:25
座席 F-7