劇場版モノノ怪 唐傘 : 特集
【いや、これ、面白すぎでしょ、スゴすぎるってコレ】「モノノ怪」知識ゼロで映画を観てみたら、全部が衝撃的すぎて沼から這い上がれなくなった話。記憶を消してもう一度観たい!!【なんとか整理して言語化する】
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映画好きの皆さん、こんにちは。突然ですが、これを書き始めた今、頭を抱えています。
「劇場版モノノ怪 唐傘」(7月26日公開)を観てみたらとてつもなく面白かったのに、好きすぎて好きすぎて、落ち着いて文章が書けないからです……。
“本当に好きなもの”を見つけたときって、うまく言えないですがそういうものですよね。
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恥ずかしながら、鑑賞前の筆者は「モノノ怪」初心者。ところが、今では「どうにか記憶を消してもう一度観たい!!!」と叫んでいます、心の中で。
たくさんの人にもこの思い、伝われ――!(ちょっと大げさな感想に聞こえるかもですが、本心なんです。信じてください!!)
【出合えたことに感謝】「モノノ怪」初心者が映画を観てみたら、唯一無二の魅力に惚れ込んで、沼から這い上がれなくなった話
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超人気のアニメ作品の映画化なので、もう十分魅力を知っている方もたくさんいらっしゃると思います。しかし、あえて伝えたいのは、普段は洋画大作を中心に鑑賞してきた筆者でも、がっつりハマったということです。
この特集では、筆者がそこまでハマった理由を勝手に語らせてもらいます。どうにか自分を落ち着かせて、失われた語彙力を呼び戻して、一生懸命言語化していきますので、最後まで引かずにお付き合いください……!
●筆者
1.[まず最初の感想]まだこんなに激烈な感情が湧き上がる作品、あったのか…! えげつない密度と疾走感、夢現の斬新な物語。いい意味で予想外に“超大好きなやつ”だった!
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スーーーーーー、ハーーーーー、スーーーーーー、ハーーーーー(大きく深呼吸)。まずは結論からお伝えします。
簡単に本作について説明すると、「江戸時代をモチーフにした世界で、人の情念や怨念がアヤカシに憑りつくと生まれる“モノノ怪”の引き起こす怪異に、主人公の薬売りが対峙する姿を描きます。映画の舞台は、男子禁制の“女の園”であり、重要な官僚機構でもある場所・大奥。2人の新人女中・アサとカメが入ったばかりの大奥で、ある悲劇が起こります」。
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……というあらすじからは想像しにくいかもしれませんが、本作に出合った衝撃を映画ファンにわかりやすいようあえて例えるなら、「インセプション」「TENET テネット」など、クリストファー・ノーラン監督作に初めて出合った感覚に近いです――うんうん。すさまじい密度と疾走感、斬新な物語をくらったこの感じ、やっぱりよく似ています。
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常日頃たくさんの作品を鑑賞しているので、正直言うと“すごい作品”にも慣れてくると言いますか、衝撃を受けるほどインパクトのある作品に出合う機会は減ってきています。しかし「モノノ怪」は、上記のほかに凄まじいアニメーション、共感性が高すぎる人間ドラマ、解像度がすごすぎる心理描写、魅力的すぎる主人公、アツすぎるファンからの人気などの“唯一無二”が相まって、筆者(しかもシリーズ初心者)がいろんなハードルをすっ飛ばしてドハマりしたほど、作品の持つ力が半端ないんです。
2.[唯一無二の映像世界]惚れ惚れするほど圧倒的な美術×CG&和紙テクスチャ=本当にこんなの観たことなかった!
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もう少し具体的に、観てすごかったポイントを語っていきますね!
本作を初めて観る方は、まず圧倒的な映像の世界に目を奪われると思います。まるで絵巻物のような豪華絢爛な美術に、CGと和紙テクスチャを組み合わせた斬新な手法。膨大なカット数と独自の色遣いにより生み出される唯一無二の映像美は、実は映画館での鑑賞をおすすめする最大の理由でもあります!
個人的には、特に和紙テクスチャが良い意味でショッキングでした……! 和紙に描かれたような風合いで、紙の皺までガッツリ入り、キャラクターの目に皺がかかっている箇所もあります。アニメ素人の感覚だと、顔とか目は視覚的に超重要なはずなのに、そこの皺も除外しないなんて、そこまでやるの?って。それでいて、キャラクターは妖艶で耽美。スクリーンから“匂い”が漂ってくる感じなんです。
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あるシーンで朴葉味噌のおにぎりが出てくるのですが、その香りの表現もまた独特でした。普通だったら煙のように香りを表現しそうなのに、この作品はまるで万華鏡の模様のような記号が空中に浮遊していたのです。 雨や風の表現も今までに観たことがない表現方法で、四方八方が見事でした。
大きいスクリーンでは、画面の隅々まで観放題です! あれ、ここは美術館だったかなと錯覚するほど、鮮やかで美麗な世界観を堪能してください。
3.[唯一無二の人間ドラマ]舞台は大奥だけど、これって「私の会社or学校」と同じじゃない!? 共感力が高すぎて「苦しいよね、わかる」“体感型”の人間ドラマ
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舞台は大奥――これだけでも筆者は人間ドラマに期待しちゃいますが、期待して大正解! しっかりとした自分の軸があるのに、ここで生きていくために集団に染まらなければならないキャラクターたちの苦しみも描かれていました。
例えば、大奥では信仰される“御水様”に「自分の大切なもの」を捧げる儀式があります。大勢が見張っているような緊張感のなかで、アサとカメも初日からこの儀式に参加させられるのです。
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学生時代、女性約50人が所属するチアリーディング部に入っていた筆者は、「その苦しみわかる、わかる、わかる……」と当時を思い出しました。周囲の顔色を窺って、自分の意見を殺した経験も(涙)。まるで大奥のような女の世界――当時は私の心にモノノ怪の種が根づきそうでした。
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現代社会でも、学校や会社などで同じような思いをしている人はたくさんいます。あ、これは私の物語だ――そう体感する人もいるはずです。本作は、そんな人たちが抱えてきた苦しみ、心の澱を晴らしてくれるような、“救済の物語”でもあったんです。苦しいだけじゃない。最後までしっかり見届けてください。
4.[唯一無二の心理描写]ドッロドロ!超リアルな人間模様 狂った芝居で刻まれる「人の嫉妬、欲望の恐ろしさ」に震撼した…
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そんな共感力の高い人間ドラマである一方、大奥ならではのドロドロ感もしっかりと描かれているんです。
大奥入りしてすぐに出世していくアサを先輩女中たちが妬ましく思ったり、カメが複雑な心境を抱えるさまなど、感情の描き方がリアル。そんななか、同じ日に新人女中としてやってきたアサとカメは絆を深めていき、緊張感漂う本作のなかでも、2人だけでしゃべるシーンはお互いに心を許しているのが伝わるほっこりシーンでもあります。そんな2人でしたが……。
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薬売り役の神谷浩史さんはもちろん、アサ役の黒沢ともよさん、カメ役の悠木碧さんら、大奥での生活を通して変化していくキャラクターを演じた声優陣の表現力も凄まじく、狂気的な芝居の数々で刻まれる人の嫉妬、欲望の恐ろしさに拍車がかかります。大奥で起こることがどんどん身近なことに感じてきて、世の中に怖いものはたくさんあるけれど、やっぱり一番怖いのは人間だと改めて実感して震えました……。これは絶対に劇場で聞いてほしいです!
5.[唯一無二の主人公]薬売りの圧倒的な魅力がヤバイ めちゃくちゃ深い沼に沈められた…
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筆者が本作にハマった大きな理由の一つが、主人公・薬売りのミステリアスな魅力です。怪異に悩まされる人々の前に忽然と現れ、時に大胆に、時に冷静に事態を眺めながら、モノノ怪となった情念に寄り添いつつ、恐ろしくも凶暴な怪異に立ち向かっていきます。
掴みどころがなくて飄々としているのに、いざというときに見せるギャップが素敵で素敵で、最高で最高で……。ビジュアルもそうですが、底知れない内面が魅力的で、薬売りのことを考えると、長年培ってきたはずの語彙力が失われていくほど、その沼は深すぎるのです。
ふぅーーーーー、ふぅーーーーー。ここまでなんとか高ぶる気持ちを落ち着かせていましたが、薬売りのことを考えると自然と鼓動が速くなってしまうので、少々お待ちを。落ち着け、落ち着け、深呼吸、深呼吸。
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……さて、そんな薬売りがモノノ怪を斬り、祓う際に使うのが“退魔の剣”です。これまでのアニメだと、主人公が使う剣といえば凄まじい力があり、敵をなぎ倒していくイメージがありました。
しかし、退魔の剣はモノノ怪の「形(かたち=モノノ怪になった妖の名)」「真(まこと=モノノ怪が生まれるきっかけとなった事件の、伏せられた真実)」「理(ことわり=モノノ怪となってしまうほどの深い情念、晴らしたい恨み、届けたい気持ち)」の三様を見極めないと、封印を解き抜くことができないんです。
必ずしも万能ではないこともアクセントが効いており、他の作品にはない魅力のひとつになっていると感じました。
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そして、薬売りが退魔の剣を「解き放つ」シーン、超超超超超最高&最強にかっこいいです。なんなんだ、あの爆裂に弾けていた映像&音楽センスは……! 絶対に大きなスクリーンで何度も観たい!
6.[唯一無二の人気]作品が長く愛されている事に大納得 筆者は17年経ってようやく気づきました…
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本作を語る上で欠かせないのが、テレビアニメ放送時から支えるファンの皆様の存在です。テレビアニメは、2006年にフジテレビの「ノイタミナ」枠で放送されたオムニバスアニメ「怪 ayakashi」の一編「化猫」から派生し、07年にシリーズとして放送されました。
2020年に行われたノイタミナ歴代70作品を対象とした投票企画「あなたが選ぶ思い出の3作品」(2005~09年度制作部門)では、第1位を獲得しています。
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筆者は放送から17年経ってやっと本作の魅力に気付いたので、今まで知らなかったことが本当に悔しい……でも、知らないままの人生よりも今気付けたことが嬉しい気持ちもあります。
アニメシリーズもしっかり鑑賞した結果、奥深いストーリーとセリフの数々、唯一無二の映像世界に、長年ファンの方が追いかけるのわかるな~と大きく納得しました。
もっともっと「モノノ怪」が観たい、薬売りの活躍が観たい――筆者のような初心者の方でも、劇場版を観たらそう思うはずです!
【まとめ】知らなかったからこそ、未知の興奮を楽しめた。 記憶を消してもう一度観たい、映画ファンにこそオススメの珠玉の一作!
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
正直、最初は「仕事だから」と観始めたんです。でも、唯一無二の魅力に惚れ込んで、今では寝る前に「モノノ怪」を鑑賞するのがルーティーンに。映画も絶対に公開後また観に行きます。できることならば、一度観た記憶を消して(どうにか本当に消せないかな……初見の衝撃をまた味わいたすぎる)。
映画好きも大満足した素晴らしいクオリティーなので、多くの映画ファンの皆様にも同じ思いを体験してほしいです。ぜひ、映画館へ。そして、一緒に「モノノ怪」沼にハマりましょう!
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