劇場版モノノ怪 唐傘のレビュー・感想・評価
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◎映像○物語・・・ただ難点も。
場面転換を多用しているためにスピード感はありますが、つぎはぎになった話を頭で再構築しながら観ないといけないので、他の方の意見にもある様に、必死について行かないと置いて行かれてしまう点が作り方として不親切に感じました。アニメ版では真(まこと:事のありさま)と理(ことわり:心のありさま)を推理しながら楽しめたのですが、映画版にその隙というか遊びの部分は無かったかの様に思います。また、真については補則説明で語られるのですが、理についてはモヤがかかった状態で刀が抜けてしまったので、私自身は「うーん、良く分からんけどいってまえー」というラストでした。終盤に向けて観る手の想像力に頼る所も多い故に、つぎはぎを直しながら補完もしないといけない状態。結論からすれば、人生で初めて映画の公開日に観に行くほど楽しみにしていた作品で、その想いには十分に応えてくれた作品でしたが、もう少し観る手に考える時間を与えて欲しかったです。次回作も楽しみにしております。
大変面白く観ました!
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
結論から言うと大変面白く観ました!
この映画『劇場版モノノ怪 唐傘』は、劇中で事細かな説明はないので私的な解釈でしかないですが、物語の構造は意外にシンプルだったと思われます。
それは、大奥に入る女性たちは、その時にそれまで持っていた<大切な物>を大奥内の大きな井戸に投げ捨てるのですが、その代償に精神的な病に侵され、命を絶ったり、祟られたりする、という物語構造だったと思われます。
大奥に勤めることになったアサ(声:黒沢ともよさん)は、大奥で御祐筆の役割を担っていた北川(声:花澤香菜さん)と出会います。
ところで北川はアサと出会った時に既に自死して亡くなっており、北川がかつて大切にしていた人形の化身としてアサの前に現れます。
北川は、大奥に勤める前に大切な自身の人形を井戸に投げ捨てています。
それから北川は大切にしていた友人とも関係を切って、自身は精神的におかしくなります。
そして、北川はその後に自死することになるのです。
その結果、本来は天子様のお子が出来る前に執り行われる大餅曳(おおもちひき)の儀式が、題字を書くはずだった御祐筆の北川の自死によって延期になります。
そのように自死した北川が、北川が捨てた自身の人形の化身となって、北川の後を継ぐ形で御祐筆になるアサの前に現れます。
そして北川は、アサに対して大切な物を捨てて「乾いてはいけない」と説きます。
北川はモノノ怪「唐傘」となって、自分に大切な物を捨てさせた麦谷(声:ゆかなさん)や淡島(声:甲斐田裕子さん)を恨み殺します。
モノノ怪「唐傘」となった北川は、その後に薬売り(声:神谷浩史)によって事の成り行きの「形」「真」「理」が明らかにされ、斬り捨てられます。
そして、アサの方は、アサが大切に思っていた、仕事は出来ないが純真さを持つカメ(声:悠木碧さん)を守り、その後に大餅曳(おおもちひき)の儀式の題字を書く御祐筆の役割を全うし大餅曳の儀式を成功させます。
この映画『劇場版モノノ怪 唐傘』は、カメの祖母がカメに持たせた朴葉味噌のおにぎりからは良い匂いがし、大切な物が捨てられた井戸からくみ上げられる毎朝大奥が飲む水(御水様の御水)からは悪臭がするなど、対比も実はシンプルに描かれています。
大奥たちの顔が、時にのっぺらぼうに渦を巻くのも、大切な物を捨てて半ば洗脳的に大奥の場に従っている大奥たちを分かり易く否定的に表現しています。
この映画で描かれている<大切な物>とは、人との感情の交流であったり、そこから生まれる共感や思いやりなどの愛情だとも感じました。
しかし、この映画が優れていると思えたのは、ともすれば道徳的なシンプル物語構造でありながら、一方でその物語に説得力を持たせる芳醇な映像表現にあったと思われました。
アニメーションで描かれるそれぞれの場面での素晴らしい動きの描写の積み重なりは、どのシーンも圧巻だったと思われます。
また、シンプルでも一貫した物語構造によって、それらの芳醇な動きの背後に深さも内包させていたと思われました。
また物語的には、普遍的なストーリーを扱っていて、感銘はそこからも来るように感じました。
振り返ってみると、とはいえややシンプルな物語構造過ぎるかな?とは思われたのでこの点数となりましたが、物語根幹の感銘さや映像描写や物語展開も含めて、個人的には限りなく傑作に近いと一方では思われました。
ところで映画本編には直接関係ないですが、個人的には邦画の中では過去最長のエンドロールにも驚かされました。
アニメーションを含めた映画作りはやはり簡単ではないなと、この作品に関わった人々の人数の多さからも改めて感じたりもしました。
こだわりの表現に感動
友人に勧められて観に行きました
とにかく表現へのこだわりが凄かった
特に感じたのは「水」
ここ最近、映画では本物よりも本物らしい水の表現がCGで可能になってきていて、そこに感動することも多かったのですが、あと『鬼滅の刃』の浮世絵にとんでもなく躍動感を与えたような表現とか。この作品ではそういった作品とは一味違ったベクトルの水の表現が凄くて、「そこの目を奪われました
あと、この感想は古いと友人にも言われたのですが
正直、真面目なヒロインは黒髪ストレート、その友人はユルふわ茶髪という定番のイメージがあったので、その逆だったのが初めは違和感に思えたのですが、この二人が本当に魅力的で、お互いを思いあい、助け合うシーンにキュンとしました
もっと正直に言っちゃうと、途中「あなた、ちゃんと仕事しなさいよ」とイラッとしちゃう部分もあったりはするんですけどね、社会人ですから
でも、その先にそれぞれの魅力があって、すごく応援したくなる
大奥が舞台ということで、人間関係のドロドロは過去にも多くの作品で描かれているので、そのあたりはステレオタイプなキャラ設定でわかりやすかったです
そうならざるを得ないというか、こうなっちゃうの仕方ないよね、ヒステリックにもなっちゃうよね、わかるわかる、みたいな感じで、いじめ役にもちょっと同調できちゃう
だから割とどのキャラも好きになっちゃう愛おしさがある
そして何より薬売りさんの美しさ、カッコよさ
大奥に乗り込む時の殺陣!足を使って、相手を抑え込む、そのトリッキーだけど洗練された動きとか、本当に素敵でした
続編も楽しみです
むかしTV版を見ていた記憶がある程度です
薬売り2号
美しい映像と音楽で世界中に発信して欲しい素晴らしいJapaneseアニメ。 本年度ベスト級。
鑑賞予定は全く無かったけど鑑賞した劇場のポイント会員は年内、1300円で映画が観れる素敵な企画に釣られて鑑賞(笑)
映画や楽天のポイントが溜まりまくり♪
川崎チネチッタさん。ありがとう(笑)
前半に少し寝落ちした事もあってか、ぶっちゃけストーリーには付いて行けずだったけど映像と音楽はホントに素晴らしい!
和紙に描いた様なアニメが新鮮で美しい。
日本の映画でしか考えられない発想で世界の方に観て欲しい。
全てのカットが美しく、一瞬のカットでも手を抜いていない感じ。
主題歌を歌うアイナ・ジ・エンドさん。
やっぱり彼女の歌声は唯一無二の歌声でエンドロールの歌声に痺れる!
エンドロール。横スクロールでキャストやスタッフが紹介されたのは初めての体験だったかもです( ´∀`)
『和紙風の映像美』『繊細な音響』『迫力のある戦闘』
『TV版モノノ怪』未視聴での『劇場版モノノ怪』視聴。
この映画を観て、まず驚かされたのが、『和紙風の背景の上に絵巻のような作画』がされていることです。この作画の仕方は他の作品ではありえない、これだけを観る為に劇場に足を運ぶ価値がある、そのくらい映像が素晴らしかったです。
次に素晴らしいなと思ったのは、『映像に合わせた自然な音響』になっていたことです。一つ一つの交換音が丁寧に仕上げられており、映像や戦闘などを補佐し、より良いものにする為に欠かせない存在となっていました。
残念だった点は、『ストーリーが難解だった』ということです。序盤は『キャラクターの紹介』中盤は『退魔の剣の三様』終盤は『薬屋の覚醒からの戦闘』というような形で作られていました。
第一章作成時点で、第二章、第三章の2作品の上映が決定していたと考えられることからも、序盤の『キャラクターの紹介』に重点をおいていたことは間違いないです。
その為に、中盤、終盤に配分する時間が足りなくなってしまい、誰が観ても難解なストーリーが展開されてしまっていました。
第二章『火鼠』では、第一章『唐傘』の中盤『退魔の剣の三様』、終盤の「薬屋の覚醒からの戦闘」の2点だけに絞られていた為、丁度良いテンポにストーリーもわかり易く改善されていました。
第一章の失敗点は『キャラクターの紹介』の分だけ時間を増やし、1時間半ではなく2時間のボリュームにしなかったことだと思われます。
諸所は良い映画だったのでDVDが出た際はご購入してみてください〜
極彩色
時代劇が生き残るには…
何の予備知識も無く観た…
まず、この映画を語るに、時代劇について説明せねばならない。
かつての時代劇「印籠」「銭投げ」「桜吹雪」という物が見られなくなった…
理由は、そういう「マンネリの必殺技」が好みの老人達も、それに飽きて
しまったから…
だが、そういった記号的手法の勧善懲悪を描くのでなく「業」、つまり
人間の「良い部分」「悪い部分」全て描くとなると、今の時代は敬遠される。
現代劇のドラマで生々しい物を描くと視聴率が取れない時代、
それが時代劇だったら、なおさらだ…
人間関係・派閥抗争なんかを複雑に描くと、より嫌われる。
それが許されるNHK大河ドラマは「戦国」と「幕末」ばかり描いて
皆が全て知っている内容だから受け入れられる。
「時代劇」「演歌」「落語」の伝統的な日本文化は、今は風前の灯だ…
ショー・コスギが米映画で「忍者」として出た時は、誰もアレを「アメリカ人が
時代劇をリメイクした」なんて言わなかっただろ?
日本人が描くから「時代劇」が日本文化であるのに、何故か現代の
日本人は「クジラやイルカの肉を食う」という文化は強く守ろうとして
「時代劇」「演歌」「落語」は守ろうとしていない…
結局、時代劇を描くにはアニメでやるしかリアリティーが無く
マンガやアニメの内容と同じ物を実写の俳優がやると「大帝の剣」の様な
おバカ映画になる…
この映画が時代劇の生き残る手段ではないと言い切るのなら、それは
この作品のスタッフより、もっと上の世代の「時代劇・黄金期」を知る
者達が作らなければいけないモノだ…
今回の作品は「大奥」というのを舞台にしたフィクションであり、それは
アニメだから、これだけ美しい虚構の物語として完成する事が出来た。
繰り返すが、この映画が時代劇としてイカン!というなら、時代劇・
黄金期を知っている世代が、今の時代の時代劇を作れ!!
良いとこも悪いとこも
公開初日と盆初日の2回鑑賞
良いとこ(+☆5)
演者側のトラブルで声優交代となった薬売りに違和感がほぼない。
新・薬売り役の神谷浩史さんがTV版の薬売りの雰囲気等を大事にして演じてくれてるのがわかる。
少し軽く感じる部分もあったが、厄介オタクが感じる違和感程度。
制作前(CF開始前?)に総作画監督&キャラデザインの方と一悶着二悶着ありその方が降ろされてしまっていたので不安だった演出、表現もモノノ怪らしさが見え良かった。
文句のある方も居るとは思うがテクスチャ貼り付けただけの別作品に堕ちるかと思っていた身としてはちゃんとモノノ怪として楽しめたので良かった。
悪いとこ(−☆1.5)
『形』と『真』と『理』、このシリーズにおいて最重要なポイントであるはずなのだけど、『真』以外にモヤる要素が。
まず『形』、さらっとわかりすぎ。
尺が決まってるとはいえTVアニメ3〜4話分あるのだからもう少しどうにかならんかったんかな。
そして『理』、これがもうボヤけてて曖昧過ぎて一緒に観た友人と帰りに「え!?アレでいいの??」と悪い盛り上がりをしてしまう程度にボヤけてる。
スッキリしないまま『理』を得てバトルシーンへ進んでしまう。
3部作とのことで次の火鼠の舞台も大奥なのかはたまた外からのアプローチとして舞台変更(大奥の内と外に縁はできてる)なのか来年3月が楽しみではある。
万華鏡をくるくると回したようなめまぐるしい絢爛さ。
見逃してしまうところでしたが、ULTIRAで上映していたので駆けつけて観ました。(ツイスターズをULTIRAで上映してくれよ〜)
今まで観たことのない、万華鏡をくるくる回しているような絢爛な絵がめまぐるしく続き、ストーリーを追う間もなく置いていかれそうになりましたが、映像と音楽を充分堪能させてもらいました。
ただ、せっかくの映像と音楽なのにアニメ声優さんのいかにもな声と台詞回し、時々差し込まれる今風アニメっぽい表情表現が、この世界観に合っていないように思いました。ファンの方には叱られそうですが、主要登場人物だけでも俳優さんにしてもらった方が良かったんじゃないかと思います。(俳優さんが吹替するの賛成派です)
テレビ版を見ていないんですが、見たくなりました。
全てのシーンが絵画です
期待以上でした!
今年になって配信でアニメ版から見始めました。
アニメ版とは違った良さがあり、楽しく観てます。
声優さんの変更による違和感があるかなと不安でしたが、別の薬売りとして観ることができました。
終始美しい画面が続きますが、とにかく全てのカットの長さが短いこと、遠くの背景もぼやかさずハッキリ描写されてる事などから、正直1回の観賞では飲み込むのが難しいと思いました。
また、約90分の映画にしては登場人物が多く、ほぼ喋らない・どんな人物か分からないキャラクターがいるので、この人に触れずに進むけどどうなるの…?と思いなが初回は観てました…
他にも大筋のストーリーとは別の伏線も回収されないまま進むので、大丈夫?ともなりました。
(公式から3部構成であるこが明かされたので納得しました)
とはいえ、あれはなんだろう、どういう意味なんだろうと知りたいなと思わせられる珍しい映画でした。
あと、とにかく薬売りさんの動きが観ててとても楽しかった…!
観て損はない作品だと思います!
2,3部が楽しみです。
ものすごく期待したのに・・・
TVアニメのファンです。DVDも全部そろえています。
厳しい事を言うと、今回の劇場版はキャラデザも雰囲気もTV版とは別物でした。
あの独特の、唯一無二の作品感は無く、しゃべり方と和紙テクスチャを真似ただけの普通のアニメでした(これを一部の方は二次創作と言っているのか・・・)
アサとカメの関係性も匂わせ止まりで見ている方はよくわからない。
ただただカメの言動にイライラするだけ!
(こちらに洞察力が無い!と言われればそれまで)
実は薬売りが64人いて、劇場版はTV版とは違う薬売りという事で・・・もともとTVシリーズの時からあった設定とのことですが、今回その設定が生かされてるとも思えませんでした。
なんか 総作画監督が変わった事に対する逃げ道・・・と思われてなりません。
(総作画監督の降板は仕方ないことですけどね…)
この映画は、ものすごく期待していたので残念!
声優の方の変更はそんなに気になりませんでしたよ。
続編に期待します‼
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