「感情入り乱れた話」劇場版モノノ怪 唐傘 おもちさんの映画レビュー(感想・評価)
感情入り乱れた話
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今回、一人一人の悲しみというよりは、大奥にいる女性たちそれぞれの悲しみが涙になって唐傘を産むと言うような感じでした。
大切な物を捨てなかった羨み、自分より早い出世の妬み、望まぬ夜伽、選んでもらえない悲しみ…
大奥に負けて乾いた末に、本当に一番大切な命を井戸に捨ててしまう。
井戸の水は涙でできていて、きっとそれを毎朝飲むのが慰めで鎮魂で継承のような物だったのだと思います。
心を大奥に落とし、大切な物を失った表現が顔のぐるぐるなのは見ていて切なかったです。
アサも少しずつ染まりゆく…カメとの関係にドキドキしました。
梶裕貴さんの三郎丸。
井戸の中で姉の末を察した叫びに胸を打たれました。
自分の立場(役職)がありながら救うことのできなかった悔しさ、家族を失った悲しさがすごく伝わってきたので、本当に素晴らしい役者さんだと再確認しました。
いつもより憎しみ悲しみの場面は少ないように見えますが、今回は一人が産んだ妖怪ではなく、大奥で一番大切な物を失った人たちで出来た唐傘なので当たり前に思います。
むしろ全編ほぼ憎しみ怨み妬みが散りばめられていて、具体的に事細かに書かれたら見ていられません笑
モノノ怪は重たい話も少しコミカルで可愛く表現して、己の想像で理解させるのがアニメ時代からなので変わらずで嬉しいです。
今回は、アニメ版の薬売りとは違う薬売りの話でしたが、アニメ版より感情がある感じでよく動くのでこの人の話をもっと見たいと思えました。
次回作も同じ薬売りかな?
3人目の薬売りの話も見てみたいです!
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