「音も空気感も華やか」劇場版モノノ怪 唐傘 徳男さんの映画レビュー(感想・評価)
音も空気感も華やか
前作、TVシリーズから一転、とても賑やかで画面も人物もよく動きます。
前作のジメジメした雰囲気がお好きな方は、拒否感があると思いますが、監督がどこかで仰っていた「テレビ版は陽だけど陰キャな感じになったので、劇場版の陰の薬売りさんは陽キャで」の言葉が全てじゃないでしょうか。
前作には前作の良さがありますし、今回の陰の薬売りさんは動きに茶目っ気があって好きです。
色々トラブルがあったり、キャラデザが変わったりで、正直否定的な感情でおりましたが、鑑賞してこの薬売りさんも好きになれました。
神儀の姿も前作とガラッと変わっていますが、神々しくてそれもまた良しです。薬売りから神儀の姿へ移る時の演出はテレビ版よりも丁寧に描写されいてワクワクしました。
内容ですが、皆さんおっしゃっているように少し難しいです。
大筋はすんなり入ってくるのですが、察してくれという様な細かな仕草やセリフ、仕掛け、伏線のように感じる所が沢山あります。それらが全て解決する訳では無いので少々複雑に感じるのかなと思います。
ただ、最後のサプライズ?で今回の話の中で解決しきれないことも全て納得です。
御水様の紐は3本あったので三部作ですかね?とても楽しみです。
スタッフロールの映像も、なぜあの場所の絵なのかとモヤモヤされている方が多く見受けられますが、あそこが大奥を取り巻くの歪みというか、怪異の大元なのではないでしょうか?
今作では井戸の底の場所については特に深堀はなく、御水様について多くの疑問が残りました。きっと今後の鍵になってくる場所だと思ってます。
公開初日と2日目の計2回見ましたが、1回目で話の流れを掴んで、2回目で細かいところの答え合わせというか、再確認みたいな感じで見ました。まだまだ見逃しているところもあると思うのでまた見に行こうと思います。