いつか、いつも……いつまでも。 : 特集
“好きだった人”とソックリな人と同居することに!?
期間限定の恋にドキドキ、クセ強家族の温もりも――
映画館で、どこか懐かしくて、愛おしい時間を堪能して
今最も見つめ直したい、日常の温もりをつづる映画「いつか、いつも……いつまでも。」がスクリーンに登場します(10月14日公開)。本作は、実はとっても「映画館で観るべき作品」なんです。
物語のきっかけは、“Sっ気イケメン医者”の前に、密かに思いを寄せていた人……にソックリな女性が現れたこと。妙ないきさつから彼女とひとつ屋根の下で暮らすことになる、というトキメキ必至の状況から幕を開けます!
主人公たちが周囲の人々と笑い合い、お互いを思いやりながら過ごす中で、ふがいない自分と向き合っていく姿までを描く、なんとも味わい深く、愛おしい人間ドラマとして完成しています。
主演の高杉真宙とヒロインに扮した関水渚の体現する恋模様や、彼らを取り巻く個性たっぷりのキャラクター勢など、本作の見どころに迫ります!
【物語とキャスト】同居人は…憧れの人とソックリ!
ツンデレ医者・高杉真宙の魅力にゾッコンの113分間!
冒頭から釘付けになるのが、主人公を演じる高杉の新鮮な魅力。彼にとって、事務所独立後初の主演映画となる本作は、“同居から始まる恋物語”という胸キュン要素も大きなポイント。まずはストーリーから、チェックしてみましょう。
●ストーリー:恋に不器用な医者×こじらせ女子、家族(仮)始めました
祖父である“じいさん”(石橋蓮司)が院長を務める診療所で、医師として働く俊英(高杉) は、じいさんや家政婦の“きよさん”(芹川藍)と一緒に暮らす、恋に不器用な若者。ある日、思い込みの激しい叔母さん(水島かおり)に連れられて、亜子(関水渚)という女性が現れる。なんと亜子は、俊英が憧れていた女性にソックリだった!
胸ときめくも束の間、彼女の“こじらせ女子”っぷりに俊英の理想像はあっけなく砕け散る。が、そんな彼女を心配したじいさんの一言から、亜子はこの家でしばらく暮らすことに。図らずも、じいさん、きよさん、俊英、亜子の4人の暮らしが始まる。
●主演は人気俳優・高杉真宙、ヒロインは関水渚! 自然に変化する関係性に注目
白衣姿で診察する俊英は、キリリとした眼差しも美しく、イケメン医者といった雰囲気たっぷり。看護師たちからは「感情があるのか?」と疑われるほどいつもそっけない態度の俊英だが、彼の胸の中には密かに思い続けた女性がいる……という、まず一つ目のギャップが到来!
そしてその人とソックリな亜子がやってきて、ドキマギしてしまう俊英がいじらしい。どうやらただのぶっきらぼうな青年ではないぞ、と目が離せなくなります。
主演の高杉は、「散歩する侵略者」では宇宙人、「賭ケグルイ」シリーズではヘタレ男子、「異動辞令は音楽隊!」では自動車警ら隊所属のサックス奏者を演じるなど、年齢を重ねるごとにぐんぐんと役の幅を広げています。子犬系のかわいらしい素顔も人気の彼にとって、Sっ気のある医者役はまたひとつ、新たな扉を開いた役柄と言えるでしょう。
そして亜子は、俊英が彼女とソックリな女性に一目惚れしてしまうのも納得の可憐な女性。しかし実態は、酔い潰れてくだを巻き、俊英らに迷惑をかける“こじらせ女子”! しかも、その背景はいろいろとワケアリで……。
亜子を演じるのは、「町田くんの世界」で映画初主演を務めて邦画界に新星のごとく現れた、関水渚。高杉と関水の繰り広げる会話劇も心地よく、彼らの関係性の変化(初めは衝突→互いの心の傷を知り、惹かれ合う)をナチュラルに表現した2人の演技は必見!
また、高杉扮する俊英のツンデレぶりに、ハートを撃ち抜かれる人も多いはず。俊英の亜子に対する“お姫様抱っこ”や、ほっぺたを手で挟む“ほっぺむぎゅ”、激しすぎる頭ポンポンといった胸キュンシーンが炸裂! 俊英と亜子の恋の行方を、前のめりで見届けたくなること請け合いです。
【ここも面白い】主人公を取り巻く“クセ強家族”!
厄介な人たちが寄り集まって生きることの素晴らしさ
俊英と亜子をさり気なく、時には好奇心いっぱいで見守るのが、愛すべき家族たち。名バイプレーヤーが個性豊かなキャラクターをチャーミングに演じ、観る者を大いに楽しませてくれます。
●家族って温かい…でもこの人たち、ちょっと変!? 台風おばちゃん躍動
俊英の祖父・じいさんを演じるのは、ベテラン俳優の石橋蓮司。人生経験に裏打ちされた包容力を持ったじいさんを、説得力たっぷりに演じています。愛情深くて猪突猛進な家政婦のきよさんに配役されたのは、演劇界で活躍する芹川藍。きよさんは、いつも家族の健康と日常を支えてくれる女性で、その朗らかな笑顔も安らぎをくれます。
俊英と亜子にとっては、両親のような存在になっていく、じいさんときよさん。“4人家族”となって食卓を囲み、気の置けない会話を展開する場面は、家族のつながりを感じられる温かな一幕。おいしい食事と4人で過ごす時間も、俊英と亜子の心を溶かしていくのです。
また本作最高のコメディエンヌが、機関銃のようにしゃべりまくる俊英の叔母さん役を演じた水島かおり。とにかく映画のスタートから、この叔母さんが賑やかなことこの上ないのです。人の話は聞かずに、自分の言いたいことだけを大声で叫んで、ピューッと去っていく叔母さん。水島が“台風おばちゃん”という称号がぴったりのキャラクターを躍動感いっぱいに演じて、本作を一層カラフルなものにしています。
さらに、爆発的人気を博し、バラエティ番組に引っ張りだこのDJ松永(Creepy Nuts)が、俊英の親友・洋司役で劇場映画初出演している点にもご注目! 言葉にせずとも通じ合っている俊英と洋司の空気感を作り上げ、「友だちっていいものだな」と感じさせてくれます。
●脚本家の実体験が反映… だから懐かしくて、おかしくて、愛おしい
「ちょっと変で、面白い人たちだな」と興味を引かれるキャラクターが登場しますが、同時に「こんな人、いるいる」とうなずきたくなるはず。そんな懐かしさと共感が詰まっているのも、本作がキラリと輝いている理由です。
本作のあちこちからまるで実家に帰ったかのような懐かしさが感じられますが、 脚本・矢沢由美が自身の親戚や身近な人たちからインスピレーションを受け、実家の“あるある”をふんだんに盛り込んでいます。とにかく出てくる料理の量が多い親戚の集まりや、しぶしぶその場に行った俊英が、思春期の男の子みたいにぶっきらぼうである様子など、とってもリアル! 「あるある」と笑えて、自分ごととしてとらえられるシーンの数々が、誰もが愛おしさを抱くような映画に昇華させているのです。
ちなみに、脚本家・矢沢由美は“水島かおり”の名前で女優として活躍し、「ねらわれた学園」「シコふんじゃった。」など数々の名作に出演しています。……そうです、台風おばちゃんを演じているのは、この人! 本作の監督・長崎俊一とは夫婦でもあり、映画「西の魔女が死んだ」でも脚本を務めるなど長崎作品には欠かせない存在なのです。
【映画館で観るべき一本】ゆったり流れる穏やかな時間
忙しい日々、ホッとする優しい体験を味わいませんか?
実は本作、映画館でこそ観るべき作品なんです。生活スタイルや価値観が大きく変化したコロナ禍では、暮らし方を見つめ直すきっかけとなった人もいることでしょう。穏やかな生活の中で、人と距離を縮めながら、元気と勇気を取り戻していく俊英&亜子の姿に触れると、改めて人のつながりの大切さを実感するかもしれません。
●豊かな映画こそ、映画館で…森林浴のようなひと時を心ゆくまで堪能
亜子が作った蒸し立てのふわふわシュウマイや、きよさんの手がける家庭料理からは真っ白な湯気が立ち上るなど、彩り豊かな“家族の食事”は、匂いが漂ってきそうなほどおいしそうなものばかり。
モリモリとご飯を食べながら、みんなで笑い合って、縁側に座っておしゃべりしたり……。そういった何気ないけれど、実はもっとも尊い日常を丁寧にすくいとった本作からは、料理をする音や、庭先の鳥の囀りなど、幸せな生活の音がたくさん聞こえてきます。
暗闇に包まれた映画館でシートに身を委ね、家族の食事を目で味わい、耳を澄ませてみれば、全身で本作の温かな世界観を堪能できるはず。
忙しい日々に、まるで森林浴をした後のようなリフレッシュタイムが訪れる――。特別な映画体験ができる「いつか、いつも……いつまでも。」で、そんな優しい時間を過ごしてみてはいかがでしょう。