オレの記念日のレビュー・感想・評価
全6件を表示
桜井さんの強さの源泉は何なんだろう?とグッと引き込まれてしまう。
冤罪。
今もなお獄中から無罪を訴える人たちが数多くいる。何の罪もないままに死刑を言い渡され日々怯えながら暮らす事は、どれ程のものなのか・・私の想像力ではとても感じきれない。桜井さんは無期懲役刑で29年の服役だったが、その29年間が自分にとって、とても大切な有意義な29年だったと言い切る。恨み辛みを口にすることもなく、明るく前向きに生きている姿に心打たれ、そして大きな勇気をもらえた。自身が癌を患い、手術も出来ない状況でも明るい。今できる最善の方法を夫婦二人三脚で探りながら、冤罪を訴えている獄中の人たちを救いたいと奔走している。その苦労が少しでも報われますように!と思うばかりだ。
死刑制度と冤罪。無実の人が犯罪者と呼ばれ殺されてしまう現実が有ることを少しでも多くの人たちに知って欲しいと思う。
私を救ってくれた映画
人としての常識
不運ではあるが不幸ではない
1967年8月に茨城県利根町布川で発生した強盗殺人事件(布川事件)の冤罪で無期懲役判決を受け、20歳から29年間、獄中生活をした桜井昌春さんは、その後、2011年に無罪判決、21年に国家賠償裁判で完全勝利を収めた。19年、ガンのステージ4で余命1年の宣告を受けたが、2年以上経つ現在も精力的に全国を周り冤罪支援と講演を続けている。桜井さんは獄中時代から両親や自分へ向けて多くの詩を書いていて、逮捕された日も「記念日」と呼ぶなど、困難を明るく乗り越えてきた。そんな彼のドキュメンタリー作品
12年間にわたって桜井さんを取材し、不運を強さと優しさで前向きに生きる姿に凄い人だなぁ、と思った。
警察と検察が間違っていたのなら、謝罪をすべきで、国家賠償裁判で国が負けても全く謝罪しないというのはどういう事なんだろう?
この世の中、隣の赤い国ほどじゃ無いかもしれないが、理不尽なことが多いので、彼の言っていた、不運ではあるが不幸ではない、という前向きな考え方は見習いたいと思った。
考えさせられ、励まされた
20歳で殺人犯として逮捕され、29年間を獄中で過ごした冤罪被害者・桜井さんを追ったドキュメンタリー映画。
重いテーマのように感じるが、桜井さんの明るい人柄のためか、むしろ軽快な雰囲気で話は進んでいく。
そして桜井さんのどこまでも前向きな生き方には、こちらが大いに励まされ、彼のような人間になりたい、自分も頑張らねばとさえ思わせてくれる。
現在、数多いる冤罪被害者の支援に桜井さんは精力的に活動されているが、こんな人間力の高い方に応援してもらえたら、冤罪被害者の方もどれだけ心強いだろう、と思った。
その一方で冤罪被害者だからこそ、説得力のある言葉が折々にはさまれている。
逮捕した時点で犯人と決めつける捜査手法、絶対に過ちを認めない糞みたいなプライドの塊の検察。そして検察の主張を丸飲みするだけの裁判官。
日本人が知らない日本の深い闇がここにある。
あってはならない冤罪事件がこれだけ繰り返されても、それでもなお謝罪一つせず、反省など全くしない検察という組織には、ひたすら呆れる。
海外では当たり前の「取調べの席への弁護士の同席」、「検察が集めた全ての証拠を開示、即ち検察にも不利な証拠も開示させること」を認めれば、冤罪などゼロに等しくなるはずなのに、頑なに認めない日本の検察。
いま、桜井さんはステージ4の癌の宣告を受けているという。
しかし、桜井さん、あなたはまだ死んではいけない。
この国の腐りきった司法に変化を起こすため、何より今後、冤罪で人生をめちゃくちゃにされる人を出さないためにも、桜井さんの存在は欠かせない。
冤罪事件は多くの人にとって無関係な話だ。
しかし無関心でいたら、永遠に冤罪はなくならない。
1人でも多くの方がこの映画を観て、冤罪について考えて欲しいと思う。
そして、桜井さんの前向きな生き方に触れて、元気をもらってほしい。
全6件を表示