ザ・メニューのレビュー・感想・評価
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食通ブームを冷めた目で見ている人にオススメ
グルメ映画には全ての人の舌を刺激し、料理にまつわる人間観察が面白い作品が多い。そこに登場した本作は、孤島のレストランに閉じ込められた食通たちが、何やら腹にイチモツありそうなカリスマシェフが料理に込めた復讐の餌食になるという、食通ブームを冷めた目で見ている人にはオススメの1作だ。
何しろ標的になるのが、その一言で料理人とレストランの運命を左右することもある料理評論家、金にモノを言わせて高級料理を貪るIT長者、料理番組のリポーターとして再起をかける落ち目の俳優、そして、料理の本質が分かっていない(恐らく)自称・食通たち。主人公のシェフが彼らに対して何を感じているかは想像に難くないし、復讐したくなる気持ちは理解できるのだ。
ブームの洗礼を受けてからやや時間が経過している我々日本人から見ると、若干既視感がある風景だが、それを吹き飛ばしてくれるのが、アニャ・テイラー=ジョイ演じる唯一何の柵もない招かれざる客のマーゴが放つ痛快な一言だ。それは、監督が実地で体験したという、大皿に泡が乗っかっているようなニュー・ノルディック・キュイジーヌに向けて放たれる。この場面で『そうそう、そうなんだよ』と心の中で叫んだのは筆者だけではないだろう。今まさにサバイバルの時代に空腹を満たしてくれるのは、気取った極小料理ではなく、腹にドカンと来るWチーズバーガー!!じゃないだろうか?
料理を美しく美味しそうに見せてくれる。「R15+」にご留意
レストランを舞台にした最近の映画では、7月公開の「ボイリング・ポイント 沸騰」があったが、調理、盛り付け、実食のいずれでも観客の食欲をそそるおいしそうなショットが不足していたのが惜しかった。その点、この「ザ・メニュー」は期待以上。アートのように盛り付けられたコース料理の数々の美しさにうっとりする。終盤で登場する意外な逸品にも、もちろん食欲を大いにそそられた。
富裕層やセレブが船に乗って訪れた孤島のレストラン。ここで調理や給仕を行う従業員らは軍隊か宗教団体のような雰囲気のなか、カリスマシェフのスローヴィク(レイフ・ファインズ)に絶対服従し、統率された行動でも客らを驚かせる。その先の展開は伏せておくが、R15+指定の映画ということだけは事前に留意しておく方がいいだろう。上品なレストランではまず起こりえない、過激な何かが映像として提示されるということだ。
いけ好かない上流の客たちの中、間違ってたまたま来てしまった庶民代表?のマーゴと、この閉ざされた世界の頂点に立つスローヴィクとの関係性の変化が見所の一つ。マーゴを演じるアニヤ・テイラー=ジョイは、その目力を活かせる意志の強いキャラクターがよく似合う。ニコラス・ホルトの役のヘタレっぷりとも良いコントラストだ。
Michelin Star Genre-Bender
Thanks to Deming's photography, Menu is alluring one-room thriller, a hint of Fincher's Panic Room with an adult Willy Wonka's game of judgment in the realm of fine dining. The descent into murderous chaos is nearly an eye-rolling cliche, but Fiennes might be one of the greatest villain actors after James Earl Jones' voice. It could be a self-proclaimed masterpiece for producer Will Ferrell.
グルメ界隈の気持ち悪さ
シェフしかり食通しかり、あるラインを超えるとキショいと思っていて(あまりにも独創的な創作料理とか、食べログに長文書くおじさんとか)それを皮肉った映画なのかなと。
いや本当はもっといろんなテーマがあるのかもしれないけど。
マシュマロ服とチョコ帽子は着てみたい!
あえて書かないマジックと分子ガストロノミーのフュージョン
料理・特別な料理を出すレストランとサイコ・サスペンスの「融合」
レストランのある場所がボートでなければ行けないという設定は、最初から何かあることを窺わせている。
本日のお客様がどのような人物なのかを隅々まで調べてある。
その証拠写真のように焼き上げられたトルティーヤ
逃げても無駄だということまで丁寧に教えられる。
さて、
副料理長がメニューの題目になってしまったのは何故だろう?
単なるサイコとしての演出か?
「混乱」
このネーミングは料理人から見たもので、そのサイコ集団に違和感を持った副料理長が混乱したことで彼がメニューに加えられたのだろう。
しかし料理人たちを操る手法は最後まで明かされることはなかった。
集団催眠のような手法
携帯の電波が届かない場所
支配者であるシェフ
タクシー運転手が言う「ハンドルを持ったら私が社長」と同じことなのか?
彼の思想
与える側と奪う側
今宵集められた客人はすべて奪う側
しかもシェフから何かを奪った者たち
招待状と秘密厳守
島に行くまで決して行くと言ってはならない
そして全員が「死ぬ」ことになっていることも。
それが本気ではないことなどは社会的な常識のはず、だった。
でも実際その通りだった。
必ず起きてしまうイレギュラー
マーゴという招かれざる客人
さて、
マーゴを誘ったタイラー
彼は何故首を吊って死んだのだろう?
あまりに突拍子もないプロットだが、彼はサラリーマンの代表だろうか?
取れない責任と自殺という逃避
仲間として温かく迎え入れられたのに、最低の評価
そしてその責任
タイラーもまた狂っていたのだろうか?
また、
マーゴというイレギュラーは、サイコシェフでさえも料理できなかったということだろうか?
彼女は「経験」という名の「春」を男に与えながら、同時に搾取される側でもあった。
そこにシェフのこだわりがあったのだろうが、サイコ故理解不能なところだ。
無線で呼ばれた湾岸警備隊までシェフに取り込まれている世界。
知られざる世界
そこに見え隠れするエプスタイン島
この作品の発想着眼点かもしれない。
さて、
この作品には完全さが見られない。
完全さがない点をシェフもつぶやいていた。
完全なものなどないことを、あえて物語として出すところにこの作品のエンターテインメント性を表現したのかもしれない。
そう考えると、基本部分だけが明確であって、細部には粗が目立つ。そこもまた表現としたのかもしれない。
チーズバーガー
シェフの原点
彼のシェフとしての始まりだった味
彼の作っている姿を見学する料理人たち
料理に愛をこめていると言ったシェフに「愛ではなく執着」だと切って捨てたマーゴ。
しかしそのチーズバーガーの味は本物だった。
「食べきれないから持って帰りたいんだけど?」
マーゴはいつそれを思いついたのだろう?
シェフの真似をして手を叩く合図は、集団催眠を掛ける合図だったのか?
シェフはマーゴに催眠術を掛けられたのだろうか?
物語の構成に必要な部分が明かされることなく終了する物語。
声を上げない客たちの不思議
湾岸警備隊が来ても助けを叫べない客たち
彼らも全くよくわからない人々だった。
しかし全体的には面白さがあった。
深くえぐる必要がない深さがあるように感じた。
見せないことで考えさせる手法。
そんな単純なマジックと化学的料理のフュージョン
この辺がウィットが効いていた部分だろう。
非日常体験
孤島の高級レストランというユニークなシチュエーションで出てくる、
創作フレンチのような美しい料理が素敵でした。
エピソードの切り替わりのようなタイミングで、フルコースメニューを一品一品紹介するカットが、グルメ映画みたいで面白い。
これだけで高級レストランに足を踏み入れたような楽しみがあります。
シナリオは、進んでいくにつれて各人物の裏の顔・悪い素性が明かされていき、どんどん不穏になっていきます。
1周目ではよくわからない部分も多いけど、2周目を見たり、解説を読んだりすると、巧妙な設定で作られていたんだと脚本の厚みに再び驚かされます。
一言で言えば、密室の高級レストラン×狂気サスペンス。
面白いです。
んー惜しいなぁ
逆恨みシェフが身勝手な理由で恨みある金持ちを集めてって話
最初は意図が読めず、徐々に不気味になるシェフとメニューが相まってすごく引き込まれました。
アニャがまた綺麗でね素敵だしそれだけでも見てて楽しいんよね
内容としては深いように見えて思ったよりもしょうもなくて引っ張るだけ引っ張ってその着地点かぁとガッカリ
他のシェフもなんで?って忠誠心ありすぎて疑問だし
そこまであのシェフに心酔する理由あるの?
色々クエスチョンマークはあったがそれなりには楽しめました
面白い
高級レストランに行った時に、ある種の居心地の悪さを感じたことが誰でも一度はあると思う。
何この気取った店構え?何この少ない量の料理?何あの偉そうなシェフ?なんか料理の説明がメチャ長いんですけど?
その不快感を究極のブラックユーモアで表現した、ホラー?サスペンス?映画。めちゃくちゃ面白かった。
こんなレストランありえへんやろ!等のツッコミはさておき、1つ1つの展開(メニュー)がいちいち不穏でゾクゾクする。そして悔しいけど美味しそうなんだよな。ニコラスホルトの語りがいちいち耳障りで、そうそうこういうヤツ嫌われるんだよなポジションが良い味出してる。結局メニューをひと口も食べなかったマーゴの、最後の機転の利かせ方も良かったな。
途中からかなり展開が読めてしまう
最初から主人公と同行する男の知識のひけらかしがうざい。この映画のテーマである傲慢な金持ちや食通へのヘイトという点で、この男はとても良い役回りであった。
数々のレストランを酷評し、追い詰めたことを誇りにすら思っていそうなグルメライター、金持ちの部下だからと横柄な態度を取る男3人、過去の栄光に縋る落魄れたベテラン(笑)俳優。彼らが自分たちの行いを反省し、粛清される様は見ていて変にスカッとする。
この日のコースのテーマや最終目的が途中で明かされてしまうため、どうなってしまうんだ?!というワクワク感はあまりないどころか、こうなるんだろうなと大体予想がついてしまう。その描写に衝撃は受けるが、顛末が予想できてしまう点で意外性はなかった。思っているよりベタな映画かも。
ホラージャンルでよいかも…
キャストが豪華だし、何となくジャケットが良質な群像劇を彷彿させるような雰囲気ゆえ、何の下調べもないまま鑑賞。
観始めて、すぐに全くイメージと違うストーリー展開に気付き冷や汗。
本作はブラックコメディとジャンル分けされているようだが、確かにブラックではあるがコメディと言えるほどの能天気さは微塵もない。不穏な空気の中で繰り広げられる奇行の連続は、むしろホラー寄り。アニヤ・テイラー=ジョイ出演はやはりそういうことなのね。
いずれにしても、個人的には薄気味悪くて何だか後味悪い作品だったかな。
俳優が豪華すぎる
設定ばっかり一生懸命考えて人物描写とか背景とかをまったく無視した安映画ありますね。私は見ませんね。だけどこれだけのまともな俳優が揃ってるとちゃんとした映画なのかなと思って見ちゃいますね。ニコラス・ホルトいくらグルメオタクでも殺されると分かって来るか?そこまでするのを観客に納得させるほどの人物描写が足りてないわけよ。アニャは高級コールガールなわけでしょ?シェフはなんでそこまで買いかぶるの?ここも裏に何かあるなら納得できるけどそんな背景は一切すっ飛ばすから、一般的に低く見られる職業の人を重用してる、ね?私達ってスゴイでしょ?と製作陣が言ってるだけにしか取れない。質の悪い映画でした。料理は美味しそう。
過ぎたるは…
何でも過剰にのめり込みすぎると、本来の目的を見失いがちって話。
芸術とみなされるほど神格化されたシェフと料理は、
じゃあ何のためなんですかね?って。
すごく面白くって見ている間は引き込まれたけど、
あそこに母親を座らせておいた理由とか、鬼ごっこのくだりとか
設定を活かしきれずに本筋から離れた演出がある感は否めない。
ぜんぜん料理したことないけど、チーズバーガー作ってみたくなった。
梅干し 梅干し
孤島といえば、そして誰もいなくなったを連想し、端から不穏な空気を感じ、どこまで進むかと思いきや何だかよく分からない展開。シェフの動機もさることながらそれに追随する料理人達の訳わからなさ、そして最後のゲストのされるがまま、本当訳わからない。面白いようで面白くなかった。
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