「自分を見失ったシェフの悲劇」ザ・メニュー 金なし暇なしさんの映画レビュー(感想・評価)
自分を見失ったシェフの悲劇
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冒頭からニコラス・ホルトとアニャ・テイラー=ジョイの違和感ある会話から始まり、レストランのある島に移動するとホン・チャウの慇懃無礼な受付など違和感を漂わせながらストーリーが進行する。そして、気取ったレイフ・ファインズ演じるシェフの料理が次々と披露される中、どんどん異様な空気になっていくサイコ・スリラーです。
結局、最後はアニャ・テイラー演じる商売女の洞察力で彼女だけ難を逃れるわけですが、彼女が最後に起死回生のチーズバーガーのオーダーが、シェフの料理人としての原点に触れるという展開が、まあこれもありかなと思わせるものでした。
シェフは、結局名声に踊らされて自分を見失ってしまい、その失意の中で関わった弟子や客も道連れにした心中を手の込んだ手法で行うわけですが、最後の最後に自分の原点を思い出させてくれた女性だけ許してしまうと言う、少しセンチメンタルなストーリーでした。
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