マックスとリリー
劇場公開日:2022年8月5日
解説
「太陽が知っている」のロミー・シュナイダーと「昼顔」のミシェル・ピッコリが共演したクライムサスペンス。
裕福な家庭に生まれ育ったマックスは、現在は一匹狼の刑事として犯罪者たちの逮捕に執念を燃やしていた。ある日、銀行強盗を捕らえ損ねていまいましく思っていた彼は、旧友アベルに出くわす。アベルはチンピラ仲間たちとともに車や廃品を盗んで日銭を稼いでいた。アベルが連れてきた娼婦リリーとも知り合ったマックスは、アベルたちが強盗に手を染めるように仕向けるが……。
監督は「すぎ去りし日の……」のクロード・ソーテ。日本では「はめる 狙われた獲物」のタイトルでビデオ発売された。「没後40年 ロミー・シュナイダー映画祭」(2022年8月5日~25日/Bunkamuraル・シネマ)で劇場初公開。
1971年製作/111分/G/フランス・イタリア合作
原題:Max et les ferrailleurs
配給:コピアポア・フィルム
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一匹狼の刑事が、人生崖っぷちの戦友を銀行強盗に仕立てようとするサスペンスだけど、変わった味わいが魅力です。始めは主人公の考えがイマイチ分かりにくいけど、戦友の情婦で娼婦(ダジャレではありません)のロミー・シュナイダーを利用するあたりから面白くなってきます。娼婦と客の関係で、お互いに腹の底では相手を利用しようとしているのに、いつの間にか惹かれ合う男女の心理の変化を描くクロード・ソーテ監督の微妙なタッチは巧く、さすがにフランス映画らしいところです。役者では、ミッシェル・ピッコリの抑制の効いた演技、ダークスーツの着こなしが素晴らしかったです。一方で、ロミー・シュナイダーの艶やかなファム・ファタル振りが対照的です。上品な色気と知的で芯のある彼女の演技に負うところ大ですね。
2022年8月5日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
パリでもあまりいい区域とはいえない街角で、キラキラと生気に溢れて光っているリリー。エナメルの黒のコートがリリーが仕事に向かうときの決めの格好。その仕事に誇りを持っているから蔑ろにされたマックスに怒ったけれどまた会いに来てしまった。その気持ちを引き受けたマックスは自分のリリーへの本当の思いに忠実に行動してしまった。キュートで悩んで真面目なロミー。カードを真剣に数える時はドイツ語が出てくる。色んな顔を持っているロミー・シュナイダー、素敵。