ハーティー 森の神のレビュー・感想・評価
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ゾウさんが賢いぞー🐘
森を切り開いて街を作ろうとする政府や開拓者から森を守ろうとする森の神と言われる男。森に高い塀をつくったことで、水を飲む場所へ行けなくなったゾウ。なんとか塀を壊して森を守りたい男が村人と協力してたたかう。
開拓者側だった1人の像使いの若者は一頭の飼っている?像を、まだ子供なのに過酷な労働もさせている。工事最終日に不幸な事故が起き、その像が死んでしまう。工事関係者や政府の冷たい対応に、ガラッと心変わり、森を守る側に。
森の神や、この若者やら、話が詰め込み過ぎな感じ。もう少しシンプルにして時間を短くした方が集中できたかも。
開発のために、動物や村の人々まで殺してしまう警察にはちょっと話盛りすぎ感。
ただ、ゾウが演技しているわけではないだろうが、目のアップ👀など、悲しげな表情や怒った表情に見えてしまったり、よくあんなふうに撮影できたな〜とは感心した。すごいよ、ゾウさん🐘👏👏👏
壁を壊せ‼
象の群れが暮らす森の美しい水場に、大企業の開発者達がやってきた・・・。
象と自然を守る為、森の神と呼ばれる男と森に住むゲリラ達が立ち上がる物語。
美しい大自然の中で、役人の後ろ盾を得た企業人や警察と闘うネイチャーアクション作品。
開発に反対する森の住民たちの訴えを退け、時には動物の殺しも厭わない輩が腹立たしい。
政治的な問題もそうだが、森の神スミトラナンダンや、銃を手に取り闘うゲリラ達の銃撃戦等、アクションも多く取り入れられている。
上映時間はインド映画らしく、2時間半超え‼長い(笑)
そしてお約束のミュージカル(⁉)も楽しみにしていたんだけど、意外にもそういったものは粗無し。
歌は随所にあったけど。
開発とそれに反対する者達の物語というのは、まぁよくある題材ではありますが、大人になれば成程、難しい問題だな~と思っちゃいますね。
自然破壊は勿論いけないけれど、人々が送っている豊かな暮らしの背景には、少なからず木を切り倒したり、森を開発したり・・・。
動物殺しは許せないが、開発者達を一括りに責めることもちょっと違うのかなぁ~なんて思ったり。
チョトォ(でしたっけ?)のシーンは辛い。そして妹さん・・・。
思いの外エグい描写もちょくちょくありましたね。
でも、最後バナナをあげてそそくさと逃げ去るシーンはいじらしくて微笑ましい(笑)♪
やっぱりちょっと長いなぁという印象は抱きつつも、自然保護と開発を秤にかけた難しい問題に対し改めて考えさせられるし、見応えのあるアクションも散りばめられたとても観易い作品だった。
そして、絶対無理だけど、俗世から離れ森や山の中で動物達と生きる人生なんてのも送ってみたいものですね。
インド人と象
ハーティーはインド語で象の事。主人公は森の神。神と言っても普通の人ですけどね。
先祖の代から自然を守ってきた、森の神。彼は10万本も植樹をするくらい、環境保全に努めていた。その森は祖父の代に、環境保全の為に国に渡した自分達の土地だった。
ある時、国が開発の為に森に新しい街を作る事になり、工事が始まる。突然こんな事になるなんて!そこに住んでいた象達の居場所が無くなっちゃうじゃない、怒る森の神たち。この気持ち分かるよね。そこから、嘘つきだらけの政治家と警察とのバトルが始まる。こんな感じが普通ならはちゃめちゃ過ぎだぞインドの諸君。
だって、誰もが全てを暴力で解決しようと、人殺しまくり。特に警察なんて、市民も身内も簡単に。戦争でもないのにこの一件で何人死んでんだよ〜。
結構アクションシーンが多いんだけど、ほとんどが早回しのアクションコメディだね。
最後は解決だったけど、その流れダメよ。
期待しすぎるのは禁物
映画の本編が始まってすぐに思ったのはハーティって人の名前ではなく象のことだったのかってこと。
そこから森を開発しようとする勢力と森の神の戦いがメインに描かれていく。と思いきや、象使いの男の話も結構入ってきたりする。話が入り混じっていてよく分かりづらい。そして話の展開もメチャクチャ。いや、インド映画らしいと言えばそうかもしれない。でも、他のインド映画と比べるてもややまとまりに欠ける印象だった。
アクションやCGのレベルも今一つで「バーフバリ」をイメージを引きずって観にきた人たちは少し残念な気持ちになったであろう。でも、そんなに悪い印象でもない。そこまで大々的な宣伝がされていたわけでもなく、期待度もそこまで高くなかったから。ほどほどのアクションにほどほどの歌が使われている映画としてそれなりに楽しんだ。
カオス
話が支離滅裂でとっちらかり、何度もぶれ、本筋がなんなのかわからないまま長時間だけ浪費されるカオスぶり。
観るべき部分が全然ない。
「森の神」スミトラナンダン(ラーナー)と、W主人公となる若き象遣い・シャンカル(シュリヤー・ピルガオーンカル)が、物語で全く関わり合わない。
スミトラナンダンはただ怒り狂う人としか描かれず、シャンカルはひたすら馬鹿。
アニマトロニクス+CGのゾウの演技も同じような挙動が続いて冗長。
同じ話、同じフィルムを使って、80分くらいで面白い編集ができるのになぁ……
と思いました。
大筋は、アメリカ人映画監督が撮ったインド映画『ガネーシャ マスター・オブ・ジャングル』(2019)に近い。
ゾウの水場への道を、開発企業が壁で塞いでリゾート施設建設を強行し、その横暴と戦う森とゾウを愛する男たち、という構造。
モデルになった森林の開発事業があったのかもしれませんが、本作『ハーティー』が2021年製作なので、ひょっとするとパクリじゃないのかという疑惑すら。
そもそも『ガネーシャ~』は1971年の『Haathi Mere Saathi』ってゾウが暴れるインド映画にインスピレーションされたオマージュ作(=リメイク的パクリ)だったらしいですしね。
全編バランス悪し。
オープニングがディズニー風で早くも不安感がわきでてきたけどその通りになってしまった…森の王は森を守って生活しているわりには小綺麗な服に精神もキレ気味になること多く女性記者も特に活躍しないしこの内容に大虐殺はバランス悪すぎ。つまらなすぎー。
インド映画枠としてはおせるけど、若干謎な部分もちらほら。
今年220本目(合計496本目/今月(2022年7月度)32本目)。
今週本命になるであろう「恐竜枠」に対してこちらは「象枠」といったところです。
物語の序盤こそ穏当に進みますが、なぜか謎の工事で所有地が勝手に塀で取り囲まれる…と思えば、それは実は裏で謎の開発工事が始まっていて、それに立ち向かう主人公と地元住民たち…というストーリーです。
まず、インド映画としてよくいわれる「ダンスシーンがあるか?」だと「一応あるが、3分あるかないか」で、一般にいうインド映画で「独立して」描かれるダンスシーンはないです(ストーリー的に踊るシーンが数か所ある程度)。逆に「ソングシーン」というのでしょうか、主人公が心の中かで歌っているシーンはそこそこ多いです(インドの宗教に関する知識があると有利ないし理解できるかも??)。また、インド映画といえば左下に出てくる謎の警告表示(飲酒はダメよとか何とか)は「まったくない」です。
…にしても、160分は長いなぁと思いつつも、あれもこれも削れないし、見どころは結構多いです。単に象と触れ合うだけの「自然枠」ではなく「謎の工事をする変な会社といかに戦うか」という意味でのアクションシーンもあるし、今週は「恐竜枠」vs「象枠」になるかなというところです。
採点対象としては下記が気になったところです。
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(減点0.3) この映画、インド映画といっても上記のように会社が開発を進めてうんぬんという話、さらにそれに付随して弁護士の方までいるので、そこそこ「法律ワード」が飛び交うのですが、「所有権」はまだしも「(環境)審判所」は何を指すかわかりにくく、かつここは知識を持っている方(日本でいう(講学上の)行政法を知っている人。要は、司法試験と行政書士の合格者)が見ると混乱する部分があり、さらに「日本の制度と同じように進む」上に(ネタバレ回避)、一方で明確に「日本のそれと違う」ため、何がただしいかわかりにくい点は確かにあります。
▼ 審判所って何?
・ 日本では裁判といえば「裁判所」というのが普通ですが(字幕でも「裁判所」「も」出る)、特に専門的な内容で一般の裁判所に適さない場合、第一審(日本では地裁相当)については専門色の強い、行政主導の「審判所」が第一審となることがあります。海難審判や電波審判(免許の取り消しを扱う)などがこれにあたります。
ただし、日本では行政が終審として裁判を行うことを禁止しているため(日本国憲法)、それに不服があるものは必ず裁判所に「接続して」訴えることができる仕組みになっています。このとき、「準司法制度」とも呼ばれるほど裁判所の制度が準用されるこうした仕組みで下された結果をまた覆して(裁判所でいう)地裁に接続するのは適切ではないので、不服があるときの申し立て時が高裁になることがあります(その意味で、「実質的な」三審制は保障されている)。
映画内では「審判所」とは別に「初級裁判所」という語が出るので、反対解釈すればインドにも「裁判所とは異なる別の裁判所「もどき」の場所がある」ことが導けますが、インドの司法制度を誰しも知っているわけではなく、ここは知識があると、日本と同じ制度なのかな…と類推して読まないとついていけなくなりますが、文化圏的に似る韓国や台湾ならまだしも、インドの司法制度を類推するのも限界があり、もう少し丁寧に描けなかったのかな…という気がします(なので、「環境審判所」に対して「裁判所で争う」といった字幕の意味が、一般の方でも???になってしまう)。
(減点なし/趣旨が理解しがたい)
インド映画の特徴なのか、最初に真っ黒な画面で超長文(ただし、英語)が見せられるのですが、5秒程度しかうつらず…。かなり量は多いです。結局「このストーリーは架空です」「勝手に撮影するな」「動物は虐待していません」「アルコールやたばこはほどほどにしましょう」といった内容ですが、速読大会になってしまっています。まぁどれも当たり前(インド映画のみ「アルコール~」は独特ですが)ですが、日本語の字幕を付ければよいのに…とは思えます(語彙的にも準1程度の語彙が飛びまくる上に5秒程度しか出ないので、最初の1分からきついです)。
(減点なし/謎のエンディングロール)
この映画、エンディングロールが左右で2つに分割されていて、左側は「このお話の後日譚」というもの、右側は普通のエンディングロールなのですが、恐ろしいほど流れる速度が速いです。日本でいえば、日本映画でも(日本人が読み切れないほど)超高速で流れる、といえばわかりやすいと思います。
もっとも、インド語(ここでは便宜的な名称。インドは多言語なので。タミル語か何か?)か何かで延々と「○○役 ××」と出てくるだけっぽいので、読めなくても関係ないのですが(そして、普通絶対に読めない…)、逆に長文関係(例の何とか権がどうこうは、上記に触れた通りオープニングに移っているので、法律的な内容は出ない)はないので、ただ単に「これ早すぎ…」といったところです。
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剛毛&髭モジャ男による暴力賛歌な映画かと思いきや、実は社会派!!
剛毛&髭モジャおやじのラーナー・ダッグバーティ主演ということで、男臭く濃い物語だと誰もが予想するだろうが、そこは案の定といったところ。
スミトラナンダンは、森を先祖から守り続け、大統領からも一目おかれ、世間からも「森の神」として知られる。そんなちょっとした有名人。
スミトラナンダンを騙して、森をリゾート施設にしようと企む巨大企業との対決を描いた作品。
ゾウたちと心を通じ合わせて生活している、ターザンや原始人のように、野蛮で暴力的な人物かと思いきや、実は世界の環境に対しての取り組みについても学んでいて、「韓国がビルを潰して植物を植えている」といった、何で勉強しているのかわからない知識ももっているのだ。
スミトラナンダンに興味をもって取材をしてるジャーナリストの女性が登場することから、正にターザンとジェーン的なノリの恋愛パートでも用意されているのかと思いきや、恋愛要素は皆無。
その代わりに元々は巨大企業側に雇われていたゾウ使いの男に恋愛パートが用意されている。ゾウが大好きなふたりの男の物語というべきだろうか、心理描写に関しは、なかなかざっくりなシーンも多く、そこはあまり考えないで観るべきだろう。
アクション映画としての側面もあるが、隠蔽や暴力などの巨大企業の腐敗にメスを入れている社会派な一面もある。
実際問題として、デジタル化とグローバル化が後押しして、急激に発展を遂げる北インドだが、まだまだ森林地帯が多く、それこそ原始的なジャングルのような場所も多い。
国が発展することは良いことだが、果たして自然を壊して、動物たちの生態系まで影響を及ぼしてまで、するべきことなのだろうか…….。といった環境問題に対してのド直球メッセージも含まれているのだ。
今回が少し違っている点は、暴力でねじ伏せるようとすると上手くいかない、原始的な解決方法である暴力を行使することよりも、もっと平和的な解決方法を目指すべきだというメッセージを、いかにも暴力でねじ伏せそうな男が訴えているという点だ。
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