「砂漠を緑地化し65万人の命を繋ぐ」劇場版 荒野に希望の灯をともす りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
砂漠を緑地化し65万人の命を繋ぐ
アフガニスタンとパキスタンで35年にわたり、病や貧困に苦しむ人々に寄り添い続けた中村哲医師のドキュメンタリー。現地の人びとにその誠実な人柄により信頼され、医療支援が順調に進んでいた2000年、アフガニスタンは大干ばつに襲われた。農業は壊滅し、人びとは飢えで命を落とす光景をみて、医療で人びとを救うことに限界を感じた中村医師は、医療行為をしながら、クナール川から水を引く用水路を作り始めた。
途中大洪水で壊滅的被害を受けたりしながらも、2019年に凶弾に倒れるまで、砂漠地帯の緑化、耕作地化に尽力し、65万人か食べれる耕作地を作り、今もその事業は現地の人に引き継がれている、という作品。
中村医師のアフガニスタンでの医療活動や井戸を作る活動などは知っていたし、用水路を作った事も知ってはいたが、あそこまで本格的に実行していたとは、あらためて凄い人だと思った。
なぜアフガニスタンなのか、という原点についても動機についての紹介もあり、なるほどと納得した。
用水路に関しては、取水口の設計、堰の技術に感動した。江戸時代から日本に存在する堰の技術なんだとか。昔の人は自然を敬い、自然が暴れても対処できるような謙虚な方法で対応していたのだと知り、先人の知恵は素晴らしいと感動した。
平和とは何かを考えさせられる哲学的な面もあり、世界各国で戦争をしてる指導者たち、特にロシアの「ヤツ」に観せて感じてもらいたいと思った。ま、観ても何も感じないのだろうが。
多くの人に観て何かを感じてもらいたいと思える素晴らしい作品です。
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