「自分の楽器がより好きになる」特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト bionさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の楽器がより好きになる
『響け!ユーフォニアム』シリーズは、初見なのに登場人物のキャラクターを苦もなく把握できる。キャラクター造形がしっかりしている上に部員同士の関係性が自然と理解できるように構成されている。
東野幸治が『響け!ユーフォニアム』に対して、めちゃくちゃ高得点をつけていたので、その存在は知っていたが、ようやく観ることができた。
なるほど、人気が出るのもわかる。部員1人1人が本当にいそうな高校生で、奇抜なキャラはいない。自分の高校時代を振り返っても登場人物に近いクラスメイトが思い起こされる。
また、マイナーで人気のないコントラバスやチューバ、マリンバみたいな楽器にも光を当てて、その楽器の個性を音だけでなく視覚的にも描いている。その楽器を担当する部員の性格と楽器の特徴をセットで覚えるのも楽しい。
今回は、アンサンブルだから1つのシーンで登場する楽器の数も少なく、その楽器の特性がよく理解できる。
声優の演技も素晴らしいのだが、部員たちの手や足の仕草が憎らしいほど細やか。喋りながら足をクロスさせたり、話を聞きながら足を揺らしたり、ごく自然な人間の動きで、登場人物の心情を表現している。
さすが、京アニさん。
マイナーな楽器を担当している全国の中高生にとって、この作品は心強いよね。きっと自分の楽器がより好きになっているはず。
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