劇場公開日 2022年11月4日

「いつもながらの会話劇の面白さを堪能できる」窓辺にて tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5いつもながらの会話劇の面白さを堪能できる

2022年11月5日
Androidアプリから投稿

BGMもない静かな空間で、少人数(大抵2人きり)による会話劇が延々と続くが、物語がどこに転がっていくのか分からないため、少しも飽きることはない。
特に、主人公と女子高生作家の会話からは、「手に入れることと手放すこと」、「大切な人だからこそ言えないこと」、「理解することと信じること」、「正直であり続けること」など、人生や愛にまつわる様々なことを考えさせられる。
主人公は、妻の浮気に怒りを感じないことを悩んでいるが、それは、妻を愛していないからではなく、浮気の原因の一端が自分にあることを自覚しているからだろう。
妻の浮気相手によって、主人公が妻を愛していたことに気付かされる展開には、「そういうことだったのか」という謎解きの面白さを味わうことができた。
ただ、ラストは、もう少しスッキリとしたオチに持っていけなかったのかと悔やまれる。
主人公が、女子高生作家と恋愛関係にならないということをはっきりさせたかったのかもしれないが、かえって、物語が消化不良で尻切れトンボになってしまったように感じてしまった。
せっかくのパフェも、もっと別の使い方があったのではないだろうか?

tomato