「光輝く者と影にしかなれない者」キングメーカー 大統領を作った男 大吉さんの映画レビュー(感想・評価)
光輝く者と影にしかなれない者
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鶏の卵を隣人に盗まれたらどうするか、という最初と最後に出てくる問答と、それぞれの答えが、表舞台で光輝く人間と、影にしかなれない人間との違いを単的に表している。
光を演じたソル・ギョングが素晴らしいのは分かっていたが、影を演じたイ・ソンギュンがそれ以上に魅力的だった。「パラサイト」の時よりもずっと渋くなって、この人が出ているなら観に行こうと思える俳優がまた一人増えた。
見応えのある政治ドラマ。
実話ベースの物語なのに、ぐいぐいと引き込まれてしまう演出に感服。
韓国ではこういった良質な大人の映画が作り続けられ、それがヒットするという、実に羨ましい限りである。
作り手だけでなく、観る方も、ずっと成熟しているんだろう。
日本にもこういった作品を撮れる才能がある人はたくさんいるはずなのに、需要がないと決めてしまっているんだろうな。
良い作品を作る、それを観せる、観に行く、という努力を怠ってきた結果だとしたら残念だ。
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NOBUさんのコメント
2022年8月26日
今晩は。
韓国のポリティカルムービーに、ほぼ外れが無いのは、韓国の歴代の大統領の愚行と、多くの大統領権力が集中する構造により、末期に暗殺、自殺、無期懲役になったという史実があるのが背景だとは思いますが、日本だと、「君はなぜ総理大臣になれないのか」「香川一区」という優れたドキュメンタリー映画は公開されますが、「新聞記者」のような一級のポリティカルムービーが少ない事は残念ですね。
映画は、政治的メッセージを発信するモノとしては、非常に優れた(けれど、一歩間違うと危ういですが・・。)媒体だと思うので。では。