「【韓国で大統領を目指す”光”と”彼を献身的に支える”影”との間に、徐々に齟齬が生じていく姿を描くほろ苦きポリティカルムービー。】」キングメーカー 大統領を作った男 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【韓国で大統領を目指す”光”と”彼を献身的に支える”影”との間に、徐々に齟齬が生じていく姿を描くほろ苦きポリティカルムービー。】
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ー 1961年、野党から立候補したキム・ウンボム(ソル・ギョング)。
資金力の差で、苦戦が伝えられる中、ソ・チャンデ(イ・ソンギュン)という男が選挙事務所を訪れる。彼は北朝鮮出身者だったが、現政権打倒を願い民主主義を謳う高潔なウンボムに入れ込む。
選挙戦術の弱点を指摘し、選挙スタッフに志願する。
半信半疑のウンボム陣営だったが、彼のゲリラ戦略は高い効果を上げ、念願の初当選を果たす。
これを機にウンボムは連戦連勝、その裏側で辣腕を振るうチャンデの存在は、いつしか「闇」と呼ばれ政界でも注目を集めていく。ー
◆感想
・前半を見ると、1960年代の韓国の選挙が、バラまき選挙だったことが良く分かる。日本もそうであったように。
ー そんな中、金大中がモデルと思われるキム・ウンボムの高潔高邁な民主主義を唱える、政治姿勢は稀有なモノであり、ソ・チャンデはそこに惹かれたのであろう。-
・だが、ソの選挙手法は公職選挙法違反スレスレというか、違反だろう!というモノであるが、故にキム・ウンボムは地元で、初当選を果たす。
ー だが、この選挙手法の違いが、キム・ウンボムとソ・チャンデとの間に齟齬を生んでいく・・。-
<ラスト、訣別したソ・チャンデと、キム・ウンボムが再会するシーン。その後に流れるキム・ウンボムが大統領になったというテロップも皮肉である。
金大中の選挙アドバイザー厳昌録の存在は今作で初めて知ったが、金大中も大統領就任後、晩節を汚した事実を考えても、鑑賞後のほろ苦さは、拭えない作品である。>
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