「形式を活かした真面目な良作」手 またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
形式を活かした真面目な良作
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ロマンポルノ同日2本立て鑑賞、こちらが2本目で良かった。松居大悟監督作品では「くれなずめ」には乗り切れず「ちょっと思い出しただけ」はハマッた。本作もとてもいい映画だと思った。(ちなみに監督と恐らく福永朱梨さんが劇場に来てました。お二人と一緒に挨拶されていた女性はどなただったのかな?)
監督は年齢的にロマンポルノ世代ではなく、だからこそ形式にこだわったのか、数分に一回の性描写とそれを納得させる主役の捻れた趣味嗜好と性格形成。女性がこの娘をどう見るか聞いてみたいが、男性からすると都合がいい、魅力的な存在になっていた。
主役の福永朱梨、スチールよりも映像に映える。金子大地、ずるい男を自然にできていてなぜかウラヤマシイ。金田明夫が良かったなあ。
父との関係性を背景に、うぶそうに見えていて結局こういうことがウマいセフレ、過去の男たちとの交流。妹(めちゃめちゃいい子)のサイドストーリーはセーラー服百合族などの笑えるエロを彷彿とさせる。ロケ地もなぜか80年代風に見え、映像も美しかった。
日本の伝統芸の踏襲として、性交シーンで手前のテーブルで上手く隠すところもあったが、そのテーブルが、その後手紙を取る形できちんと演技に使われていたところに感動した。
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